第18話 大学入学まで3
この頃から周囲の影響もあってか、いつの間にか喫煙者になっていた。
母親は「ついに貴方も吸うようになったのね」と呆れただけだった。
月曜日から土曜日までびっしり働き、日曜日は休んでというサイクルも間もなく終わる。
稼いでは贅沢して稼いでは贅沢して、結局手元には幾ばくかのお金が残っているだけで、あとは全部飲み食いに消えた。
既に浪費癖(宵越しの銭は持たない)が身に付いてしまったのか・・・
仲の良かった高校の友人は東京や大阪の大学に散ったため、また1人になったようで寂しさはあった。
そんな時に母校が甲子園(春の選抜)に出場することになっていたのを思い出した。
ちょうと一番仲の良かった友人が大阪の大学に行ったこともあり、すぐに連絡を取り甲子園で落ち合うことにした。
甲子園で会合すると、高架下に母校のブースみたいなのがあったので覗いてみると、卒業生は身元確認後無料で入られるとのこと。
早速並んで、期別・クラス・氏名を申告すると内野席のチケットをくれた。
そら甲子園出るのも金がかかるわけだ。
球場に入り、とりあえずビールでも・・・と思ってたら遠目に見知った先生がいた。
卒業したとは言え、さすがにマズいと思いとりあえずスタンドに入り応援席から一番遠く離れたところに陣取った。
周囲に学校関係者が来ないのを確認してようやく乾杯。
こんな遊び、自分がやるなんて半年前までは想像もしていなかった。
甲子園初出場ということもあり、母校は1回戦で接戦の末敗退。
甲子園をあとにした。
特に予定もなかったのでそのまま友人宅に転がり込み、テレビ観たりゲームしたり居酒屋で飲んだり・・・そこいらの若者と変わらんような遊びをやって過ごした。
その友人は既にパチスロを嗜んでおり、俺は全く興味がなかったが付き合うことに。
やってみるもやはり面白さがわからず、1回当たってプラスマイナス0くらいで終わったと記憶している。
以来、付き合いで何回か打つものの、5,000円ほど溶かしたら喫煙所等で友人が終わるのを待つということが多かった。
博多に帰り、いよいよ入学式が間近に迫った。
母親に連れられスーツも購入し、あとは当日を待つばかりとなった。
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