第14話 ツフロ開拓地 6
その後俺は宿に戻り、何も考えられずに眠りに落ちた。翌朝にビードルを訪ね、魔法の使い方を教えてもらうも、誰でも感じられるという魔力が無いと分かり、絶望した。
それから数日、ずっと虚脱感に包まれ宿にこもり切りだった。異世界に来たのなら、魔法を使ってみたかったのになぁ...
5日目、顔をファイアサラマンダーに噛まれて起きた。ドアの前でうろちょろしている。
そういえばツフロに来てから、何も食べさせていなかった。申し訳ない事をした。
急いで部屋を出、火の湿地へと向かう。
するとファイアサラマンダーは湿地を駆け回り、手当たり次第に虫やらマイトサラマンダーに食らいついている。
ずっと何も食べてなかったもんな...反省しよう。
その内に自分も周囲の生物が気になり始め、観察することにした。
黒い玉から6本の足が生えた昆虫、横に長く大きな口を持ったカエル。
様々な生物を見つけていくうちに、キラリと光るものを見つけた。
近づいてみると、15cmほどの何かが光を反射しているようだ。しゃがんで影を作ってやると、その正体が明らかになった。
透明な身体を持ち、じっと潜む有尾類。見た目はゼリーのようだが触ってみると意外としっかりしている。骨や血管が丸見えで、鮮血が眩しい。
「なんだ...この生き物は」
透明の生物は深海に棲む奇妙な奴らしか見覚えがない。ギョロギョロと動く眼がこちらを向いた。
放せって言ってるのか?ジタバタしないし、図太い奴だな。
感心してつい離してしまった。一度地に着いたらあっという間に駆け出していくが...
パクッ
「あ」
ファイアサラマンダーに食われてしまった。
オービススカラベ
完全な半球状の体を持つフンコロガシ。動物のフンに擬態している。
パーストード
がま口の様な大きい口を持ったヒキガエル。待ち伏せし、獲物を素早く捕食する。
シムルサラマンダー
体が透明で、臓器が透けて見える。光を反射する液体をつくる臓器を持っており、その液体を分泌する事で鏡の様になり周囲の環境に溶け込んでいる。主に昆虫を食べ、天敵はファイアサラマンダー。
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