第9話
僕は全てを知り、絶望した。僕は俺を作り出し、僕を守っていたのか。だから、僕の全てを知っていたのか。そして僕は、俺と名乗るものの姿を1度も見たことがないことに気がついた。
僕は何日も罪悪感に押しつぶされた。
もし、あの時僕が全てを知りたいと言わなかったら、僕は幸せなままでいれたのに。罪を知り、自身が二重人格だと知り、そして、ずっと独りであったという現実を知ってしまったのだ。
僕はどうしたらいいのかと、俺に尋ねた。
「お前の好きなようにすればいい。1人になりたければ俺を消せばいい。罪を償いたければ警察へ行けばいい。全てはお前次第だ。」
なんとも残酷な言葉であると僕は思った。
しかし、独りになることは嫌だと僕は思った。
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