第8話
「ほんとにいいんだな」
『うん』
なぜ僕はこう答えてしまったのか。とても愚かであったといまでは思う。
「お前のその傷は兄から受けたのではなく、両親から受けたんだ。兄は必死にお前を守ろうとしたが守れる力と勇気がなかったのだ。だから、俺が生まれた。両親を殺し、お前を助けるために。」
僕は頭痛に襲われた。
何を言っているのか理解ができなかった。
「お前を守るために、俺が生まれたんだ。傷ついたお前を放っておくことは出来なかった。お前の両親を殺し、虐待の記憶を俺の中に閉じ込めた。」
話は続いていたが、僕は酷い吐き気に襲われた。僕が両親を殺した、、、?
「そして、兄から暴力を振るわれていたと記憶をすり替えたのだ。」
『なぜ、、、なぜ、兄を悪者にしたんだ』
「お前が全てを思い出さないように、全てを知ってしまう危険性を無くしたかったんだ。」
コイツから全てを聞き、記憶は俺のものから僕のものへと変化した。まぁ、戻ったという方が正しいのだろう。
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