第3話

数日が過ぎ、アイツの存在にも慣れた。独りの時より、そばに居るだけで心が暖かくなり以前よりも孤独感を感じなくなっていた。


以前となんの変わりもない日常を送っていた。そんなある日、事件は起こったのだ。


僕はその時買い物に出かけていた。その時、急にアイツは僕にこういったのだ。

「今、前を向くな」

スマホをいじりながら歩いていたが、普通なら前を向けというのではないのか。こいつは急になにを言い出すのかと。僕はその言葉に従った方がいいのかもしれないと思ったが、つい前を向いてしまったのだ。


そこに居たのは僕に暴力をふるい、両親を殺した兄がいた。やばい、見つかった。僕は焦った。忠告通りそのまま通り過ぎれば良かった。大きな怪我をした時のように心拍が上がった。やり過ごさなきゃ。僕は平静を装い、近くにある店に入った。ばれたか。不安に思い、恐怖に駆られながらも兄が居なくなるのを待った。


兄は僕に気づくことなくその場を去った。

急いで家に帰り、アイツの言葉を聞かなかったことに酷く後悔した。冷静になってきたに連れて、いくつかの疑問が出てきた。



なぜ、アイツは兄のことを知っていたのだろうか。そして、なぜ僕の過去を知っているのだろうか。



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