第11話◆慶からのメール⑤◆

◆詩穂さん、いよいよ逢えるね。

逢えなかったこの半年以上は寂しくはあったけど、でも僕は不安に思ったことや気持ちが揺れたことは不思議となかったんだ。


自信があるとか、そういうのともちょっと違って、何なんだろうなぁ。

信じているとしたら、僕らを結んでいる絆の強さに対してかもしれない。


元々、お互いに現実に会うことなんて無いだろうなと思っていたもんね。

それが話をしていく度に、思いがけなく気持ちが深くなっていって、その気持ちに戸惑ったりもして。


でも会うことになってお互いの家族にも会って……。

色々あったね。

お互いに抱えているものも多い僕らの恋は。ああ、恋なんて言葉を綴っている自分には、実は未だに恥ずかしくなるよ。


でも僕は詩穂さんと出逢って、恋をして、変わったと思う。

そしてね、これはわかって欲しいし、何度でも言いたいけど、それは詩穂さんだからで、他の人じゃダメなんだってこと。


距離とか歳とかね。

多分、詩穂さんに逢うまでの僕は、やっぱりありがちな考え方しかしてなかった。


遠くに住む歳上のひとに恋をするなんてことは僕にとって一番遠いことだった。


不思議だね。

それでも僕達は出逢って、それから現在いまがある。


大丈夫。僕らは必ず逢える。

確かに、なかなか逢えない時がまた続くかもしれない。

だけど、僕はあの日に決めたから。


怖がらずに信じていてね。

何回でも不安になったら言うから。

そして、必ず逢いに行くから。


また、手を繋いで歩こうね。

約束だよ。



愛してる。

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