第四章 月拾い編

13 さがしもの



 失くした物を拾い上げる

 捜して歩いて どこまでも


 無くなった物を拾い上げる

 空虚なこの胸の内 温かく満たす為に


 君がかけてくれた言葉

 君がくれた想い

 不幸な出来事も

 幸福な出来事も

 その全てを 集める為に


 言葉なく消えてしまった思いと 思い出の在りかを探し求めて


 大切な言葉 君がくれた一つ一つの音 


 失くした物を拾い上げる

 一つずつ探して どこまでも



――取り戻したい物があった


――流れゆく時 そして年月 全てが移ろい変わりゆく


――取り戻せなかった物がかつてあって

 

――少年はその埋め合わせに 今再びやり直す




 見つからないと 流した涙の分だけ

 消えてしまったと 嘆いた言葉の分だけ


 歩いた足跡は無駄じゃない

 重なった時間 振り返れば


 それだけの道のりが


 背中を支えて 探し続ける

 どんなささいな欠片でも 一つづつ


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