バッドエンド「償いとカルマ」



「さようなら、さようなら」

「でも楽しかったよ」


「たとえ幻想の時間であっても」

「たとえなくなってしまうものでも」


――こぼれゆく欠片は 淡く輝き 照らし出す


――導き出されたそれは だれにとっての幸福だったのか


――それとも誰にとっても 幸福なものではなかったのか


 消えてゆく

 薄れゆく


 存在した痕跡が

 記憶達が


 何もかも

 雪の様に

 とけて

   いく……


 想いが届くなら

 願いが叶うのなら


 この夢を

 また

  伝えて


 旅の

 記憶を

 綴って



 壊れゆく

 かけゆく


 星と 月と 太陽

 世界の 欠片


 何もかも 全てが

 亡くなり 無くなり


 見えなく なる 


「さようなら」

「でも、せめて……」


「最後にもう一度」

「顔が見たかったな」


――そこに救いは存在しない


――救いを得る者も 与える者もみな等しく


――虚無の彼方に消え去ってしまったのだから


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る