02 冬花火



 やがていつか消え尽きる 光屑の定めでも

 照らしつづけた 足跡は 歴史に刻まれ 残り続ける


 失われる続ける 思いの中 希望の中

 決して無くならない 感情の証をかざして

 思いの火を 空へと打ち上げる


(舞い散る粒子 風にさらわれてとけていく)

(雪の様に 降り積もることさえなくして)


 行く当てを失った 光屑の導(しるべ)でも

 辿り着くべき場所は 必ず存在しているはず


 だから背を押して


 歩き出そう


「さあ、もう一度がんばって」


 もう彼方 夢に見た場所に 永遠に踏みゆけなくても

 きっと ほら 記した足跡 刻まれ続ける


 消えゆく証があって でも なら 雪に消えた後

 春がやってきて 光浴びれば 旅人の誰かが


 必ず


 その答えを導き出せるはず


「ねぇ。私は貴方達を照らす光になれたかな」


「その傍に寄り添う事は、もうできないけど……。どうか貴方の行く道のわずかを照らそう」


 ――たとえ今は叶わなくても、この道を行き、私が倒れたとしても。


 ――きっと後に続く誰かが、足跡そくせきを引き継いでくれる。


 ――終わる夢があれば、終わらない夢もある。


 ――私達はそう、信じても良いと思うから。


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