箱庭の王
01 大罪の扉
命絶えゆく世界の中で
身に余る力を振るった大罪人は
ただ一人世界を歩き続けた
出会ったのは若者の青年
一杯の水を恵んで 大罪人を潤した
目指す場所があった この世の果て
大罪人は足を止めることなく歩き続けた
声をかけたのは笑う女性
歌を教え 大罪人に力を生み出す事を教えた
目指す場所は遥か彼方 歩けども距離はなくならない
辿り着けぬ場所に 向かう意味などあるのだろうか
膝をついた大罪人に 影が差す
空を目指す大樹は 癒しを与え 休む必要を教えた
やがてその場所が見えてきた 目に映るその場所は
酷く小さく 脆く そして危うく見えた 残された時間は少なかった
急ぐ大罪人の足を 柔らかな大地が包む
地平の彼方まで広がる世界は 駆けるための知恵を与えた
大罪の扉は目の前に 過ちを懺悔し 悔恨の涙を捧げた
崩れ落ちる扉の向こうに 見たのは命溢れる世界
ただ 再びの機会をこの手に
過ちを携えて 過去へと手を 伸ばした
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