02 -箱庭の王-
「やり直した世界で君に恋をした。それが許されぬ事だと分かっていたとしても」
争いの果てに滅んだ未来の世界から過去へやって来た王は、一人の少女に恋をする。
千年樹の娘。
幻想のように美しい森にする少女に心奪われた王は、その地が永遠に安息の地である事を祈った。
「歴史をもう一度繰り返してはいけない」
王は歴史を新たに紡ぎ直す。
争いの道具を取り合げ、違えていた手を繋ぎ合わせ、分かたれていた人々を一つにし、陰る表情には笑顔の花を添え。
王の行いに感銘を受けたのか、いつしか専念樹の娘は共に歩む様になっていた。
二人はそう時間をかけずとも、互いを愛し合うようになっていた。
けれど、世界は繰り返し始める。
「このままでは再び世界が滅んでしまうだろう」
けれど、一度付いてしまった火は容易には消せない。
刻一刻と燃え広がり続ける火を見て、病んだ王は箱庭を作り始めた。
「せめて彼女だけは安息の地で笑っていてほしい……」
決して誰にも壊せない。
完璧な箱庭を。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます