天秤世界の住人

01 偽りの箱庭



 ――0は1になることなく 


 ――存在すら許されない


 ――けれど0がないと1は存在しえない


「それは世界の矛盾だった」

「矛盾のまま、成り立たせる偽りの居場所」



 閉じ込められた光 箱庭照らす為

 生きとし生ける者達は知らないでいて

 その光が 偽りだと言う事を


 今日も無邪気に笑い続けている

 信じ続けている




 閉じられた世界 かつてあった自由は失われ

 けれど 分からない彼らは その不自由に

 気づきもしない 箱庭にある悪意にも


 知らず 今日も日々は平穏で




 胸に秘めた真実

 手を伸ばせば 槍となり貫く

 扉に手をかけて 開放する者はどこへ


 知らず 今日も無邪気に 駆けまわる



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