チューターとして

 それはいきなりの出来事。いや毎度の無茶振り、最近担ってはセクハラにも耐性が着いてきている。女性特有の感覚を有する部位だけはまだ耐性が足らないのは仕方ない。



 そんな事より今回の無茶振りについて。魔術、体術、剣術、人形術。ある程度知識を得て実戦し、使い物になる程度には成長したと自負している。そしてそんな僕に次の段階として課したのが。





「アリス。そろそろチューターとしての本分を勉強すべきではないかしら?」



 その言葉の意味が分からなかったのだ。そう、当初は、なにせ姫と教え合うある意味チューターの練習はしているのだから。この後嫌でも思い知る事になるのだけど。






 自室?に帰ると当然姫君がいる。これは良い、良くないが、仕方ない、諦めた。問題は一回り小さいのが居るのだ。


 5歳児くらいの金髪碧眼で腰辺りまで髪が伸びている。可愛らしくはあるが、姫君には似ていないし妹ではないだろう。一人っ子のはずだし。



「姫様子の子は何方でしょうか?」



「説明をする前に。貴方は今どういう役職かしら。チューターとかは考えなくてもいいわ。立場といっても良いかしら?」



「一応騎士と言う事になってますね。ほぼ姫様のお付の従者のようなものですが」



「騎士には従者が付物よね?で、この子が貴女の従者って訳。ついでにチューターとして教育もするの」




 なるほどなるほど。このアワアワしてる幼女が僕の従者と・・・ないわぁこのくらいの子供は親元で過ごさせてやってよ。人格形成なんかにも一番といって良い程重要な時期じゃないか?

 この見てくれだとどっかのお貴族様の娘さんか何かだとは思うから政治的に必要な物かもしれないけどさぁ。




「具体的にはなにをすれば宜しいのでしょうか姫様」



「何時まで経ってもその硬い返事は崩さないのね貴女は、体は随分と解れてきたのに」



 妙な手の動きをして僕に見せ付けてくる。悪寒がの様な感覚がするけど、ここで反応を示したら姫の思うツボ。必死に平然を装う。



「この子と衣食住全て共にしてもらうわ。、そして、今貴女がチューターとしてできる限りをこの子に叩き込みなさい」




 これって凄い大仕事ではないだろうか? 実質親の変わりをしながら教師をして、尚且つ従者としても育てなければならないって事よね? いやいや、VRMMOを全力でやってるようなおっさんですよ僕は、当然独り身。彼女居ない暦8年というリアルな経歴ですよ?子育てなんか出来る訳ないでしょうが。

 えっとまずは挨拶を・・・



「僕はアリスよろしくね」



 これが限界な僕を許してくれ

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