連戦
あれから散々連れ回された。この体でなければ絶対へたり込んでいる。当然だが城は広い。ただの幼女ではまず回るのは不可能なくらいに。
それを平然と回るフィオは少なくてもマナを変換して体を強化する事を自然にやっているだけの実力があるのは確かだ。
そんな事を考えながらついて行くと、あの庭に着いた。
「お父様から聞いただけでは不十分ねこう言う事は体験しないと。アリス互いが互いの分野でチューターを勤めるの。ここで実力を確かめ合うと言うのはどうかしら?」
体調は問題ないし、魔術方面のチューターを任する実力にも興味がある。
「ルールは同じでしょうか?」
「ええ、問題ないわ」
見惚れるような笑顔で幼女は言う。
「それでは、合図をお願いします」
「こちらが有利だわ」
「構いません。勝敗が目的ではありませんので」
「そう。それじゃあ、私のお友達を紹介するわね」
そう言って虚空から50センチ程のゴシックドールを4体自身の前に配置した。人形は全てが人と見紛う程に精巧で美しい出来だった。各自剣、側面に刃が付いた盾、槍、そして弓を持っている。
どう考えてもアレは動くし攻撃する奴だよね?僕あんな物実装とか聞いて無いんだけど。多分だが実装こそしてるが未公開の部分なんだろうコレ。そして推奨プレイヤーレベル幾つなんですか?
「それじゃ開始で♪」
弓人形がこちらに先制攻撃と言わんばかりに弓を放つ。良く見ると鏃はついてないようだが、えげつない。剣の人形が凄い勢いで僕との間合いを詰めてそれをサポートするかのように槍人形が後ろで構える。
確かに凄い強いと思うし、他のプレイヤーであれば殆んど押し負けているだろう。でも僕は速さがある。それに魔術的な糸の様な物が見える。
僕は後ろに下がり人形をおびき出し、フィオとの距離を空けてから糸に魔術で電流を流した。最初こそ掴む事も出来ないが二度目のトライでは掴む事に成功。そしてそして電流でのジャミングにも成功した。
これで剣と槍は無力化できた。ここまでは僕に花を持たせてくれた。そう言う認識でいいだろう。二度チャンスがある時点でおかしい。
問題はフィオから離れない盾と弓。
何度か速度任せの突進を試みるも盾の反応速度を超えれず、弓にある程度の進行方向を強制させられて思うように攻める事ができない。
思い切って弓を狙うにも今度はフィオ自身の魔術攻撃に阻まれてどうにも出来ない。
本当に推奨レベルいくつよ?勝てる気が全くしないよ。
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