天然な彼女との付き合い方!

理系の作家

第1話 転入生/放課後/通学路

何も変わらない、いつもの朝礼だったが突然、扉が開けられまもなく女の子が入ってきた。

しかもとびきり可愛い子が。

その時からいつも同じで何も変わらない学校生活で特に何をするでもなくただその日その日を過ごしていた俺の日々は突如として消え去った。


俺は転入してきた子にいきなり話しかけたりはしない。馴染んできた頃に友達と話しかけに行く、それが俺のやり方だ。まったくもって人見知りなどではない、はずだ。

そして予想どうり俺以外は転入生に話しかけに群がっていた。

転入生もああやって群れがれると疲れるだろうに。

そして次の日もまた群れができていた。

俺は遠目にじっと群がっている状況を見ているといきなり後ろから頭をひっぱたかれた。

「何してんだよ優斗!お前も話しかけてやれよ。あっ、もしかして人見知りか?」

挑発気味に話しかけてくるこいつは俺の友達の近藤秀介、お調子者でいつも通も問題を起こしこの高校が出来てからの最多記録持ってるくらい生徒指導室に連れていかれた回数が多い本物の問題児だ。

「秀介、そうゆうお前は話しかけたのかよ?!てかこうゆうのはもう少し落ち着いてから話しかけるもんだぜ?」

「俺?まだに決まってるだろ!そんなにノロノロしてたら誰かに取られっちまうぞ!いいのか?」

秀介はお調子者だが意外にも人見知りだったりする。

「べ、別に狙ってなんかねーし。」

俺らがこんな話をしていると耳元でくすくす笑っている奴がいた。

「何盗み聞きして笑ってんだよ!気持ちわりーぞ!」

こっちも俺の友達の橋本茉夏であった。

彼女は実は俺の元カノだったが色々あり別れた。

「気持ち悪いって何よー!男二人でそんな話してるのが悪いんじゃない。」

茉夏は恋愛話が超がつく程好きで色んな恋愛小説などを読み尽くしている。そのため俺と秀介は恋愛マスターと呼んでいるが正直彼女に恋愛話をすると話が終わらなくなるしだいたい馬鹿にされるのであまり俺達からは恋愛話は持ち込まないようにしている。

「誰だって耳元でクスクス笑われたらきもいって思うだろ!あとお前に恋愛話を話すと……やっぱなんもない。」

(やっちまったー!!つい口が滑った。)

秀介は俺のフォローをすべくうまいこと誤魔化そうとしたが俺はほとんど言い終わってから気付いたのでもう誤魔化しようがなかった。

そして俺は茉夏の顔を恐る恐る見上げた。

言い忘れていたが茉夏の特技は…………

「2人とも酷いよ!なんで私を1人にするの?」

茉夏は泣き始めた。もちろん嘘泣きだがそうゆう道に進んだ方が良さそうな嘘泣きのうまさに俺達は嘘泣きと分かっていてもその泣き顔にメンタルがズタボロにされてしまう。

「ほんとごめんって!これからは茉夏も恋愛話一緒にしよう。なぁ?」

「そ、そうだ。茉夏も次からは誘うよ!」

「ほんとに?」

「うん、ほんとほんと!」

すると茉夏は笑いながらティッシュで涙を拭きとった。

俺達以外茉夏が泣いていたことを気付いていない様だったのでほんとに助かった。

しかし、

「てか茉夏って普段女子と話して俺達と話なんてしないじゃん。」

俺が独り言を吐き捨てる様にボソッと言った言葉を茉夏は聞き逃さなかった。

「優斗酷いー!」

茉夏は大きな声でわーわー泣き始めた。

「冗談だって気にするなよ!」

何を言おうと無駄だった。どうやら本気で怒らせてしまったっぽい。

さすがにここまで大きな声で騒がれるとバレないことも無く俺は廊下に連れ出され教師達に囲まれていた。

「おい、磯田!橋本に何したんだ?」

「いや、あの…………」

誰がこんな状況で恋愛話で仲間外れにしました、なんて言えるんだよ。

「なんだ?はっきり言え!」

「いや、その……………………………」


俺はこのまま無言を貫き通した。

俺の名誉は守られた!その代償として生徒指導室で数時間もの間、監禁された。

もう部屋から出される頃には夜の8時になろうかとしていた。

「はー、疲れた。帰って早く寝よっと!」

俺は独り言をブツブツ呟きながら靴箱から靴を取って靴を履き替え後ろにクルッと回転して出口へ………………

だがクルッと回転した後、俺は立ち止まっていた。

そこには、あの転校生が立っていた。

「あのー、こんな時間に何してるんですか?」

「あ、あの靴箱がどこだか分からなくなってしまって…」

(確かに転入生したてなら名前も書いてない靴箱だと分からなくなるかもな)

だが分からないと言われたって俺だって分からない訳で教えることも出来ない。

「あー、ごめん俺も君の靴箱どこか分からないんだけど多分クラスの1番最後だからここだと思う。」

そして靴箱を開けると手紙が雪崩を起こして出てきた。

「………………………」

俺はあまり見てはいけないものを見てしまったようだ。

「ありがとうございます!助かりました!」

「い、いやいやいいってことよ!」

意外にも手紙はノータッチできたのでそのまま流れに任せて……

「あの、この日に日に靴箱に増えていく詰め物は何なんですか?」

「あの、ふざけてます?多分ラブレターですよ!ラブレター!」

この話はなかった事にしようとしたのに自分から核心をついて………って違う!

この子、ラブレターを詰め物って言ったよな。なんだ?わざっていってるのか?それとも気まずい雰囲気を少しでもなくそうとしたのか?

俺の脳裏には色々なことが思い浮かんでいた。

「え、こ、これが靴箱に入れられてたラブレターってやつなんですか?!アニメやドラマでしか見た事ない!田舎にはこんな事する子いないや。」

何故か彼女の目は先程と比べればまるで別人のように輝いていた。

(あー、こりゃちょっと抜けてる子だ!)

抜けてるというか抜け過ぎな気もするが喋っていたことから推測するに田舎から来た感じだからあんまりこうゆう事は無いのか……

まぁ俺も初めて見たわけなんだけどね。

「なぁ、俺も靴箱にラブレターは初めて見たぞ!」

「え?都会では当たり前なんじゃないの?」

「いや、多分レアケースだと思う。」

「そうなんだ……。」

(めっちゃ悲しそうにするじゃん。てか、そんなに憧れるものか?)

なんか俺は1人の女子高生の憧れを叩き潰してしまったようだった。

「ま、まあいっぱい入ってるし良いじゃん!」

「で、この詰め物はどうしたらいい?」

「…………………………」


「あー疲れたー!」

俺は家のベッドに身を投げた。

あの後、俺は名前も聞かずにとりあいず手紙を持って帰った方が良いとだけ言い家へ帰ってきた。

「あの子やっぱ頭弱いな。弱いとかレベルじゃねーか。」

《バンッ!》

俺はびっくりして飛び跳ねた。

「兄ちゃんブツブツうるさいから黙って!!」

ブツブツ呟いていると妹の菜央が部屋に乗り込んできて怒鳴り散らして去っていった。

(やっば、菜央に聞かれたよな絶対!最悪だ!)

俺が菜央に聞かれた事をなんと言い訳しようか考えていると………

《バンッ!》

またいきなりドアを開け怒鳴り散らされた。

「お母さんがご飯ってゆってるから早く出てこい!」

「あ、うん。」

いつも思う。俺と妹の立場は真逆であった。というか立場は関係なくただ単に妹は口が悪い。


夕飯を食べ終わり部屋で今日の勉強の復習をしていたらまたまた

《バンッ!》

ドアが勢い良く開けられた。

「兄ちゃん、ちょっと勉強分からないから教えて欲しい。」

(なんだよこいつ、都合良すぎだろ!)

と思っても何も言い返さない。これが兄の優しさ。

「そうかそうか、お兄ちゃんに任せとけ。」

「うっさいキモイ死ね!」

ちょっと嬉しくて調子に乗った発言をしたらあっとゆう間に誹謗中傷を浴びせられた。

妹にわからないという問題を見せてもらった。

(うん、わかんねーやこりゃ。)

妹は成績優秀で中学3年にも関わらず、高校生でもかなり難しい青チャーツを解いている。

ちなみに俺は青の一つ下の黄チャーツでいっぱいいっぱいだ。

「ちょっとトイレ行きたいからちょっと待って。」

そう言ってチャーツをトイレに持っていきすぐ写真を撮り中学の頃に頭の良かった友達に片っ端から送って聞いた。


部屋に戻ると

「友達に聞いてんじゃねーよ!」

クッションが飛んできた。

「まぁ、いいから教えて!」

もちろんいつもの事だ。

それなのにわざわざ俺に聞くなんて、可愛いヤツめ!

「あ、言っとくけど兄ちゃんに聞くのって兄ちゃんの友達がまだ使えるからだから!」

うん、俺は要らないってことだね。

その後、俺はおそらく1番頭が良い友達に事情を説明しOKを貰ったので妹に連絡先を教えた。


[ジリリリリリリリリリリ!!!]

今日もクソうるさい目覚ましに夢から強制的に現実世界へと引きずり戻される。

学校があるので仕方なく支度を始めた。


俺は支度を済ませ朝食を食べていると突然、妹が珍しく普通のトーンで話しかけてきた。

「そーいえば、兄ちゃん昨日1人でブツブツ言ってたあの子ってどんな子なの?」

「って言われましても、まだあんま話した事ないし。」

「一目惚れとかやめといた方がいいよ!キモいし!」

やはりいつもの妹だった。

そしてそのあと特に話すことなく俺は家を出た。


俺は学校の行き道に何と例の子を見つけてしまった。

というか、家を出てすぐ角を曲がったら歩いていた。

そしてそのまま歩いているとちょっと目を離した隙に見失ってしまった。

どうやってこんな道で見失うんだよ!そんなことを心の中で自分に言い聞かせていると……

後ろからいきなり抱きつかれました。

「なっ!」

俺はとっさに振り払おうとしたが離れない。

「ちょっと何するのよ!」

「いやこっちのセリフなそれ!」

よく見ると見失った子だった。

「挨拶がわりにしただけじゃん。」

「あんまりそうゆうのやめとけ。」

改めて見るとほんとに可愛い。なんというか女神様のようだ。

「おーい、そんなにボケっとして何考えてるの?」

「いや、ちょっと寝不足なだけ。」

「ふーん、ちゃんと寝なよ。まー、学校行こ!」

「あー、うん。」

なぜか俺達はまだ昨日とあわせて2回しか喋ったこともないのに一緒に登校していた。

しかし、これが結構楽しいのだ。

そして仲良くなったのでお互いの名前を教えあったりなんかもした。

そして、この子の名前は辻崎 李依ってゆうらしい。

元々は山形の田舎の方に住んでたらしいが父親の仕事の都合で東京に引っ越したらしい。

学校への行き道はこんな話をしているとあっという間だった。もっと距離があればと思うほどだ。

だが、家が近いらしいので帰りも一緒に帰る約束をすることができたので良しとしよう。


















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