第29話 定期的に面会 

R寮に面会に行くたびに、K相談員とよく話をしました。

利用者と家族との調整をしているだけあって、

丁寧に話をしてくれます。

話をすると少し心がか軽くなるのです。


保健婦との話はどうでした?

栄養が足りていないみたいですね。

食べても吸収されないとかで。

ここにいる利用者さんはほとんどそうですよ。

そうなんですか。

だいたい、最後はどんなふうになるんでしょう?

ほとんどの人は、誤嚥性肺炎で入院します。

そのままっていう人が多いですね。


保健婦さんとの話とは違うような印象を受けたが、

それぞれの立場で言うと、そういう話になるのだろうと私は納得しました。


母は、入院できないものだろうかといつまでも言い続けました。


私は毎週水曜日母を連れて、妹のところへ面会に行くことにしました。

その為、仕事を減らしました。

週4日出勤していたのを週3日にしてもらいました。


午前中に母を迎えに行き、10時過ぎにはR寮へ到着します。

妹は大きな窓のある部屋の一角に、数人の利用者と一緒にいました。

そこは車椅子に乗った利用者ばかりでした。

自分で車椅子で動ける人もいれば、ほとんど寝てる状態の人もいました。

母は家から持ってきたお菓子をあげたり、お茶を飲ませたりしましたが、

妹が眠ってしまうこともよくありました。


母と私は昼前にR寮を出て、いつも2人でランチに行きました。

ついでにちょっと買い物に行ったりと、そんな楽しいひとときを過ごしたこともありました。







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