第25話
妹をR寮へ迎えに行き、実家に連れて行って母と過ごさせ、また夕方R寮へ送り届けることを、1~2週間に一度程度していました。
母にとっては家で妹と過ごす時間は大切なひとときだったと思います。
妹は会うたびに変化していきました。
何十年も前のことを、昨日の出来事のように話したりしました。
私が面会に行った際も、
お姉ちゃん来たんだ。
なんだ、いたんだ。
私が面会に来てそこにいることを忘れ、私の顔を見るたびに何度も言うのです。
自分の持ち物もわからなくなっていたようでした。
食事はかろうじて自分で食べるものの、
箸が使えなくなり、スプーンで食べるようになりました。
入れ歯を入れるものいやがっていたようです。
食事中に皿の上に出してしまうことが度々あり、
入れ歯を使うことをやめました。
入れ歯は異物と認識して、出してしまう人が多いそうです。
中には飲み込んでしまうこともあるので危険です。と支援員の方に言われました。
食事はおかゆに変わりました。
トイレは一人では出来なくなっていました。
トイレに行っても、どうしてよいのかわからないようでした。
一緒に入って、便座に座らせてあげました。
終った後もペーパーで拭いてあげる必要がありました。
一年の間に、妹は介助なしでは生活出来なくなっていました。
それでも、歩くことも意思の相通も出来ていました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます