第19話  入所

施設にはいりたいとの意向をC施設担当者に伝えてから、2週間後くらいのことです。

夕方C施設より連絡がありました。

R寮に空きが出ました。今すぐにとはいわないが、出来るだけ早くどうするかの回答が欲しいとのことでした。

私は愕然としたというか・・・・

先日まだ先のことだからと母を説得したものの、

こんなに早く決めなければならないとは。

これからまた母と話をするのかと思うと、ひどくやりきれない気分になりました。


この時に母親とどんな話をしたのかは覚えていません。

結果として、R寮に入ることを母は了承しました。


この年11月、母は以前から予定していた旅行に行くため、妹は1週間のショートスティにR寮へ行きました。

このタイミングでR寮でケア会議が開かれました。

R施設からは相談員さん、保健婦さん、部長さんが出席され、C施設の担当者、福祉課の担当者、B氏が出席されました。

このときのB氏の態度に私はかなり不信感を覚えました。

今まで何度も会っているにもかかわらず、

私に会釈すらないのです。

そして私の存在は無視されました。

こういうタイプの人間を私は知っています。

経験上、このタイプに人間は私は絶対に信用しません。


妹の経緯と現状を各施設担当者から伝えられ、

私の方からはR寮への入所を希望する旨を伝えました。

最終決定的にB氏が発言されました。

まりこさんは、最初はグループホームという方向で考えていたのですが、

今の状態から考えて、R寮への入所に緊急性を感じます。

入所という方向で早急に対応したいと思います。


まりこさんは、現在自宅とC施設とR寮を行き来しています。

あちこち行くことで、自分がどこにいるのか非常に混乱した状態だと思います。

R寮の部長さんが発言されました。

出来ればこのまま入所された方がいいと思います。

今の状態でお母さまが一人でみられるというのは、とても無理だと思います。

ショートステイに来られてそのまま入所される方は結構多いんですよ。

相談員の方が言いました。

この相談員の言葉は、子供を施設に入れるという罪悪感を軽減させるためのものなのだろうと、私は感じました。


こうして妹はR寮へ入所しました。


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