第11話 母入院

ようやく母は説得に応じ、整形外科の診察を受けました。

診断は両膝関節の変形性膝関節症でした。

本人の希望があれば人工関節を入れる手術が出来ます。

ということでした。

八十を過ぎてから大きな手術をして大丈夫なんでしょうか?

この手術をする方は大体が高齢の方です。

医師の答えになるほどと私は思いました。


母は手術することを決断しました。


そこで問題になるのは妹のことです。

母の入院中どうやって生活をしていくのか。

包括支援センターのB氏からの提案は2つでした。

今と同じように自宅に留まり、定期的に支援員が見守りに自宅に行く。

もう1案は、知的障害者の施設にショートスティとして行く。

前者は一人で自宅にいる時間が多すぎて、どう考えても無理だと思いました。

後者は、まったく知らないところへ行って1か月以上暮らすことになります。

私はかわいそうだと私は思いました。

悩んだ末、私は自宅にひきとることにしました。

主人と主人の母は快く了解してくれました。

今思えは、この時に妹の意思を確認すべきでした。

妹は判断など出来ないだろうと思い込んでいました。

あの時聞いていたら、彼女はなんて答えただろう。


2012年8月、母は入院しました。

母を病院へ送り届け、そのまま妹を私の家に連れてきました。

妹は心構えが出来ていたらしく、主人の母に「よろしくお願いします」と

ぺこりと頭を下げました。

私の知らない間にこんなにも大人になっていたのかと感心しました。


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