第9話 異変

父が他界し、実家は母と妹の二人の生活になりました。

母はしっかりはしていましたが、

何年も前から膝を痛がっていました。

気が強く強情な人で、病院へ行くのを嫌がりました。

マッサージをしてもっらたり、整体へ行って,

良くなったような気がする程度の治療しかしませんでした。

この頃、介護認定を受けました。

母は支援2で認定されました。


最近まりちゃん、ちっともお手伝いしてくれなくなった。

前は洗い物をしたり、かたずけをしたりしてくれたのに、

今は全然しないんだよ。

母が愚痴り始めました。

夕飯を食べると、ここで寝ちゃうんだよね。

疲れているんじゃないの?

私がそう言うと、上とか下とか言ってもわからないみたいなんだよね。


え?・・・・


それがね、夜部屋で、ごそごそごそごそ何かやっているみたいなの。

何かって、何してるの?

バックに何か入れたり出したりして、

何か探しているのかなぁ・・・

寝なさいって言っても寝ないでいるの。

お母さんは寝たいんだけど、ファンヒーターも使ってるし危ないじゃない。

いろいろ忘れることも多くなったみたいで。


ひとしきり母の話を聞いたものの、それがどういうことなのか私にはわかりませんでした。

自分の思い通りに妹が動かないから、愚痴を言っているのだ程度にしか思いませんでした。


でも、これは始まりだったのです。


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