第5話離職
妹は基本的な生活は自分で出来ました。
食事の支度は出来ませんでしたが、卵焼きを作ることができました。
母親が根気強く教えたようです。
だだ、誰もいない家で一日一人で置いておくことは心配でした。
家には常に誰かがいました。
私は特に妹にかかわることもなく生活していました。
夜は友達とよく飲み歩いていました。
用事があれば声をかける程度で、家で会うのは朝食のときくらいでした。
家の中に子供がいるような、そんな感じでした。
妹が30歳を過ぎた頃だと思います。
会社でお腹が痛がっていると連絡があり、父親が迎えに行きました。
家に戻ってしばらくすると良くなったようなので、翌日は仕事に行きました。
ですが、その頃からお腹を痛がることが度々あり、病院で診てもらっても原因がわかりませんでした。
症状がひどくなり入院をしました。
その時は白血球が増えているとしか言われませんでした。
仕事に行きたくないのではないだろうか。
私はそんな感じがしました。
母もなんとなくそう思っていたようです。
父はそんなことが理由でお腹が痛くなるはずがないと言いました。
会社へ行くのはもう辞めた方がいいのでは、と私はそう思いました。
母はなんとしてでも仕事を続けさせたかっのだと思います。
会社には何人か知り合いになった人もいたので、
母は会社でのようすを聞いたようです。
母の聞いた話では、いつも妹のことを気にかけてくれていた女性の方が退職されたとのことでした。
大変な作業を長くしていると、声をかけて違う仕事にまわしてくれたりと、きっといつも優しく接していてくれたのだと思います。
その方が退職され男性の方に代わったそうです。
きっとその方とうまくいかなかったのでしょう。
障害者だからといって甘やかしてはいけない。
障害者なのだから大目に見てあげた方がいい。
どちらもありだと思います。
妹は会社を辞めました。
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