第7話龍が通る
それはまさに龍のようだった
昔の人はこれを龍が暴れまわっていると想い描いたのだろうか
龍が通る
龍が貫くように
全てを薙ぎ倒すかのように罷り通ってく
全てを巻き混むように罷り通ってく
ビキビキ軋む外壁
ガタガタ揺れる囲い
圧巻的に巻き混まれる
圧巻的に締め付けられる
ビチビチビチッとしぶきが窓に貼り付く
締め切ったはずの窓からプォォンと
ぴたりと鎮んだかと思うと再び猛威を奮い始める
自分の体は総毛立ち避難してきた犬の耳も引っ張られたように総毛立つ
ここまで揺さぶられると身の危険を感じる
囲いが崩れてしまうんじゃないかという気持ちに駆られる
ただただ過ぎ去るのを耐えるしかない
ただただ眠るしかない…
一夜経って落ち着いた朝を迎える
天候は沈んでるものの猛威はない
外へ出歩くと辺り一面の草が平伏すように
今回の台風がどれだけ大型だったかは身をもって感じた──
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