黄風に誘われて
音澤 煙管
薫る節目に耽る頃……
大嵐が置き去りにした汗はまだ乾かない。
揺れる水辺から当たり前のように顔を叩かれると、緑が褪せた土の匂いがここでケンカする。
寒さを知ってる木々たちは、我も我もと葉を落とし節目の彩りを変えてゆく。
平の地もまた、ちっちゃな色を着けるものは次第に顔を覗かせる。
汗が乾く頃になると、ケンカも無くなりひたすら葉を落とし色を変え、顔を撫でる事さえ休まない。
そろそろだ、と待っていたちっちゃなものは顔を出し節目の色を匂わせる。
撫でられた顔にほんのりと、薫る風に変えてゆき金木犀の頃だと教えてくれた。
黄風に誘われて 音澤 煙管 @vrymtl
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます