その13~15

- works.02 ある約束 -


その13~15を掲載しています。




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《前回までのあらすじ》


 王都メイラレンでギルドに登録し、色々な買い物を済ませたパーティは無事に

故郷南トゥムに帰ってきました。

 一足先に到着しているハート司教の治療で、ミリアの病が治っている事を

祈りつつ、さっそく村長宅へ向かいますが……。


~その13 魔力~


GM:   一番先に村長宅に着くのはケイかな。

ケイ:   もう、こんばんはかな?

      「こんばんは」

      と言いながらドアをノック。

GM:   いや、簡単に扉には近づけないよ。

      村長宅の玄関には、胴鎧を着込んだ騎士が2名、雨など物ともせずに

      微動だにせず立っている。

      ケイが近づくと手で制するね。

      「失礼ですが、お名前と御用件をお聞かせください」

ケイ:   えっ、あっ、そっか。

      ハート司教がいるからなのね。

      「ケイ・ハン・ショウといいます。ミリアのお見舞いに来ました」

GM:   すると一人が中に入ってカチュアを伴って出てくるね。

      カチュアが頷くと騎士は警戒心を解いて扉から離れる。

ケイ:   「ミリアの様子はどう?」

GM:   「それが……」

      カチュアの顔色は真っ青で、瞳には落ちつきがない。

ケイ:   「なにかあったの!?」

GM:   そう話していると、後ろからバシャバシャと水を跳ねさせて、

      薬屋の娘テリーが駆けてくる。

      テリーも君らと同年齢の女の子で、もちろん知り合いでいい。

      「カチュア、これ、カルゼナ草の解熱剤」

      テリーは瓶をカチュアに手渡すと、

      荒い息を落ち着かせようとしている。

      カチュアは

      「ごめんなさい」

      と言うと、中に消えちゃうよ。

ケイ:   私も家の中に入りたい。入れる?

GM:   ケイとテリーは居間までは入れるけど、ミリアの寝室までは入れない。

      居間はがらんとして人気がなく、みんな寝室にいるのは明らかだ。

      寝室の扉の前には、君たちがハート司教を訪れたときに同席した

      アレインという若い司祭が立っている。

ケイ:   「テリー、なにがあったの?」

      ちょっとキツい言い方になっちゃうけど、ストレートに聞く。

ヤシュト: 俺たちはまだ着かないのか~!

      ダッダッダッ。(走っている擬音です)

GM:   分かった、分かった。

      3人揃って到着したことにしよう。

      ケイと同じく騎士に質問され、今度はアレインが入室を許可した。

      アレインは君たちの顔を知ってるからね。

ヤシュト: 鎧や武器は持ってないから、そう警戒はされないだろう。

      GM、言ってなかったけど置いてきたことにしといて。

GM:   OK。

      君たちは厳しい顔をしたケイと、息を弾ませたテリーが目に入る。

ジェスタル:「どしたの? 怖い顔しちゃってさ」

      吾輩は何も知らないから、のほほんと聞くよ。

ケイ:   私はジェスタルの方を見て、その質問の答えを求めるように

      テリーを見ます。

ヤシュト: テリーの様子で何かおかしいって分かるんだよね?

      俺もテリーに詰め寄ろう。

      「どうしたんだ!?」

GM:   テリーはヤシュトの声にちょっとビクっとして顔を上げる。

      今にも泣き出しそうだね。

ヤシュト: 「どうしたんだ、テリー!」

GM:   「ミリアが……急に苦しみだして……。

       あんなに苦しそうなの初めて……。

       エレミヤさんのエレンドも効かないの。熱が下がらないの!」

ラルク:  「どうして」

GM:   「私が聞きたいわ!」

ラルク:  「……ごめん、テリー」

GM:   テリーも取り乱したのを後悔してか、首を横に振って

      「ごめんなさい、ラルク」

      って謝るよ。

ジェスタル:「とにかくテリーは椅子にでも座って、落ち着きなよ」

      さすがに吾輩も深刻になっちゃう。

ヤシュト: 初めてじゃないか? 深刻なジェスタルって。(笑)

ラルク:  「私たちも待ちましょう。

       ハート司教とエレミヤ神父がついているんです。

       大丈夫」

      自分の不安を打ち消すようにテリーに声をかけます。

GM:   うん。いい描写だね。

      テリーはソファーに座り込んで、掌に顔を埋めたまま小さく頷く。

      何かやりたいこと、言いたいことはあるかな?

ジェスタル:さすがにこの状況じゃなぁ。

ケイ:   聞きたいことは、いっぱいあるけど、聞くのが怖い。

GM:   じゃあ、みんな押し黙ったまま、何十分かが経った。

      ひどく長い時間、重苦しい沈黙の時間だね。

      すると寝室の扉が開いて村長婦人の肩を抱くように村長が、

      その後に続いてハート司教が出てくる。

      村長婦人は異様なくらい青ざめて、今にも倒れそうだ。

ジェスタル:ソファーから退くよ。

GM:   村長婦人とエトロープ村長はソファーにドサっと座り込んで

      君たちが来ているのも目に入らないようだ。

      ハート司教は眉根に深刻な皺を寄たまま、君たちに小さく会釈する。

ヤシュト: 村長たちには聞こえないように小声で言うよ。

      「司教、ミリアの様子はどうなんですか?」

ケイ:   「お願いします。本当のことを教えてください」

GM:   君たちにだけ聞こえる小声で、ハートは囁くように言うね。

      かすれた声からは、かなりの疲労が感じられる。

      「容体は非常に危険だ。

       一つはっきりしていることは、ミリアさんは病気ではない」

ヤシュト: 「病気じゃないって……精神的な何か、ですか?」

GM:   ハート司教は拳を額にあててしばらく考え込んだ後、

      「この村で魔法の心得のある者は?」

ラルク:  「おそらく私たちだと思いますけれど」

ケイ:   で、いいのよね?

GM:   そうだね。

      牧場のイレーレが精霊の存在を感じることができるくらいで、

      魔法を行使できるのは、ジェスタル、ケイ、ラルクの

      3人だけと言っていいだろう。

      もちろん、エレミヤとカチュアを除いてね。

ケイ:   「ラルクのことはご存知でしょうけど、

       私が古代魔法を、ジェスタルが精霊魔法を使えます」

ジェスタル:「まだ未熟ですが」

      って補足しておくよ。

GM:   「私に、いや、ミリアさんに力を貸してはくれまいか」

      そういうと、君たちを寝室に招き入れる。

ジェスタル:「なんだかミリアを見るのが怖いな」

ヤシュト: 「なに言ってる。ミリアが苦しんでるんだ。

       俺たちにできることがあるなら、やらなきゃ」

      ここはきっぱり言うよ。

ケイ:   「うん、そうね」

      意を決して寝室に入ります。

GM:   ベッドの横にはエレミヤとカチュア、

      そしてベッドには玉の汗を浮かべているミリアが横たわっている。

      薬で眠っているようだけど、その表情はとても苦しそうで、

      うなされて聞き取れない言葉を呟き続けている。

ケイ:   「……ミリア。

       ハート司教、私たちに何ができるのか、教えてください」

GM:   「彼女を取り巻く魔力を見てほしいのだ」

ラルク:  「魔力を?」

ヤシュト: ちっくしょう。俺は何もできんな。

ジェスタル:GM、魔力感知すればいいわけ?

GM:   うん。それぞれ判定値を告げて。

ラルク:  9です。

ケイ:   12。

ジェスタル:10。なんとか二桁。

GM:   残念ながらラルク君は、ミリアになんら異常は感じられなかった。

      ジェスタルとケイは以下のことが分かるね。

      ミリアを魔力が取り巻いている。

      君たちは魔法を使うから分かるけど、明らかに何者かの意志で

      発動している魔法だ。

ケイ:   ん~。どういうこと?

      ミリアが魔法を使ってるの?

GM:   もう少し描写すると、霞んだ影のような魔力の粒子が

      ミリアを包んでいるんだ。

ジェスタル:吾輩とケイはそれが見えたんだよね。

      「見たか?」

ケイ:   「うん。影みたいなものがミリアにまとわりついてる」

ヤシュト: 「どういうことだか説明してくれ。

       俺は魔法のことは分からん」

GM:   それにはハート司教が答えるよ。

      「ミリアさんを訪れてからあらゆる治療を試みた。

       しかし一時的にしか効果がない。

       それどころか、エレンドによる治療の手応えもないのだ」

      エレミヤさんが続ける。

      「私たちは見方を変えてみた。

       ミリアの身体に何ら原因がないとしたら?

       そこで魔力の探査を行ってみたところ、このような影が感知できた。

       この影はミリアの命を削り取っているのだ」

ヤシュト: 「じゃあ呪いかなにか?」

ケイ:   「どこからこの魔力は来てるのかしら?」

ラルク:  「ミリア自身からってわけじゃないんですよね」

GM:   出所が気になるなら、さっき成功したジェスタルとケイは魔力感知。

ケイ:   ここはピンチ・スキルの使いどころ。

      どうだ、14!

ジェスタル:吾輩も使って、同じく14。

GM:   (黙って親指を下に向けました)

ジェスタル:「地下ぁ!?」

GM:   明らかに影のような魔力はミリアから生命力を奪って、

      地下へと消えている。

ヤシュト: (意味深な視線をラルクに向けながら)「地下になにかあるのか?」

ケイ:   (同じくラルクを見ながら)「魔力は地下に消えてるわ」

ラルク:  はい?

ヤシュト: 「地下、地下かぁ……」

ラルク:  あ、ああっ、はいはい!

      「そうだ、みんな。さっき変なことがあったんです!」

ヤシュト: ようやく思い出してくれたか。(笑)

      プレイヤーは知っててもキャラクターはラルクから聞かない限り

      分からないからな。

      「変なこと?」

      と、ラルクに問い返す。

ラルク:  「家の貯蔵庫なんですが、壁の一部が凍ってたんです」

ジェスタル:「地下だから氷くらい張りつくだろ?」

ラルク:  「いえ、いくら地下だって夏ですよ。

       ぜったいおかしいですよ」

GM:   「壁が凍る?」

      ってエレミヤさんが、すがるような視線をラルクに送る。

ラルク:  「はい。直接関係あるかは分かりませんけど、

       調べてみる価値はあると思います」

ケイ:   これでお父さんの古文書も役に立つわね。

      ラルクが貯蔵庫で氷を見たときピーンときたんだけど、

      ケルトの遺跡に関係あるんじゃないのかな?

ジェスタル:なるほど。確かに伏線が張り巡らされてますな。(笑)

ヤシュト: 「とにかく俺たちが調べてみます。

       それでミリアはどれくらい持ちそうなんですか?」

      ちょっと冷たい聞き方だけど、知ってなきゃいけないことだ。

GM:   それはハート司教も分かっているさ。

      「今のまま熱が下がらなければ、一両日が峠になるだろう」

      沈うつな表情で言うよ。

ジェスタル:GM、今何時くらい?

GM:   7時頃だ。

ヤシュト: 今から24時間がタイムリミットか。

ケイ:   テキパキ動かなくちゃ。

ヤシュト: 「とにかく貯蔵庫を調べてみます」

      そう言ってから、ミリアにペンダントをそっと握らせる。

      ちょっと恥ずいけど、

      「がんばれよ」

      ってミリアに言おう。

ジェスタル:くぅ~っ、泣かせるじゃな~い。

ラルク:  情景が浮かびますよ。

ケイ:   あっ、あっ、ほら、ラルク、あん、あの、なんだっけ。(一同爆笑)

ジェスタル:落ち着けよ、なに言ってんだか分かんないよ。(笑)

ケイ:   メモしたでしょ、イレーレの姉妹の名前!

ラルク:  そうか、ソーシャですね!

ジェスタル:また伏線か!(笑)

ヤシュト: なるほどな。これは関係ありそうだ。

      「エレミヤさん、憶えてますか?

       マーディーンさんの娘さんが熱病で死んだのを」

GM:   「話には聞いているが、ソーシャさんが亡くなったのは

       私が赴任する前の年なんだ」

ヤシュト: そっか~。

      でも知ってたらエレミヤさんが気づかないはずはないよな。

      きっと今のミリアと同じ状況だったと思うんだよ。

      GM、ソーシャが死んだ時のこと憶えてない?

GM:   残念ながら君たちは死に際には会わせてもらってない。

      まだ子供だったしね。

ヤシュト: しかたない、まずは貯蔵庫だな。

      エレミヤさんたちに断って出かけよう。時間がない。

GM:   君たちが行こうとすると、

      「もし必要なら私たちも呼んでほしい。

       それにメイラレンの騎士も5名同行している」

      とハート司教が声をかける。

ヤシュト: 「分かりました。よし、行くぞ!」

ケイ:   「うん」


~その14 凍てつく回廊~


GM:   村長宅から出ると、雨は止んでいて海からの涼しい風が吹いている。

      もう日はほとんど沈んじゃってるから、薄暗いよ。

      直接貯蔵庫に行くのかな?

ヤシュト: 取りあえずはそうだな。

ケイ:   手がかりをつかんでから、お父さんに話を聞いた方がいいと思う。

ラルク:  武器とか持ってこないでいいですかね?

ジェスタル:え~? ここは直に貯蔵庫だろ。

ヤシュト: プレイヤー的な考え方だったら武器を持っていくが、

      ヤシュトは一刻も早く貯蔵庫を調べたい。

ラルク:  そっか。そう考えるのが自然ですね。

      確かにラルクも貯蔵庫に向かうだろうな。

      貯蔵庫に行きます。

GM:   OK。

      ラルクの家の貯蔵庫までは走って5分程度だ。

ジェスタル:ぜーはー言いながら走ろう。

GM:   ぬかるんだ道を走って貯蔵庫の入り口に来た。

      地下へ下りる扉は閉められていて、鍵がかかってる。

ラルク:  「親父に言ってカギをもらってきます!」

ジェスタル:「まぁ、待ちなさい」

ラルク:  「はい?」

ジェスタル:「何のためにメイラレンまで行ったと思ってるのかね」(笑)

ヤシュト: こいつは~。

ケイ:   それじゃ泥棒みたいじゃない。

ジェスタル:まぁまぁ、時間がもったいないだろ?

      試してみるだけでも。

ヤシュト: 確かに時間の短縮になるわな。

GM:   鍵は普通の錠前で、ギルドで針金を使って開ける訓練はした。

      あらかじめ言っておくと、目標値は10の鍵だ。

ジェスタル:「針金持ってない?」

ケイ:   ブローチか何かのピンを代用してもいい?

GM:   女の子なら持ってても不自然じゃないか。いいよ。

ケイ:   「はい、これ。ブローチ一つダメにしたんだから、

       今度新しいのちょうだいよ」(笑)

ジェスタル:(苦笑しながら)「はいはい」

      それじゃ鍵開けに挑戦。

      開けゴマっと。ととと? 9。(笑)

ヤシュト: 「ちゃんと訓練したのかよ。貸してみろ」

      次は俺が挑戦ね。

      ありゃ、8。(笑)

ケイ:   もう! 時間がないんだから。

      「閉じたる鋼よ、我が意志に添いて拘束を解け!」

      判定値は14!

ラルク:  さっすがケイさん。

ヤシュト: むむ。かっこいいな。

ジェスタル:お前だって泥棒じゃん。(一同爆笑)

ケイ:   だって時間がないんだから。(笑)

      あ、今のはアンチ・ロック(開閉物にかけられた鍵を開く魔法)ね。

GM:   うん。カチリと金属音がして鍵は開いたよ。

      MPを減らしておいてね。

ヤシュト: ……俺たちの立つ瀬がないな。(笑)

ケイ:   1レベルなのに欲張るから。

      扉を開きます。

GM:   地下への階段は真っ暗だけど?

ジェスタル:ここはウィル召喚。よし、成功。

ヤシュト: 「ラルク、凍ってたっていう壁の所に案内してくれ」

ラルク:  「分かりました」

ジェスタル:ウィルをラルクについていかすよ。

GM:   ウィルの仄かな明かりに照らされて、

      亀裂沿いに凍っている壁まで来た。

ヤシュト: どんな感じで凍ってるの?

GM:   見た所は普通の氷だ。

      亀裂は縦に50cmほど走っている。

ケイ&ジェスタル:魔力感知!(笑)

ヤシュト: おお、ステレオ。(笑)

ラルク:  はもらなくてもいいですよ。

GM:   判定値をどうぞ。

ジェスタル:吾輩は10。

ケイ:   13。

ヤシュト: さっきからケイは出目がいいな。

ケイ:   ウィザードがレベル2に上がったおかげかな?

ラルク:  そっか、そっか。上がってるんですよね。

GM:   二人とも及第点だ。

      この氷は自然に凍ったものではないことが分かる。特にジェスタルは

      氷の精霊が関与してないのがハッキリと感じられるね。

      今風に言えば冷蔵庫と似たような物で、

      魔力によって温度が下がったものだとケイには判断できる。

      今の科学がこの世界では魔術だからね。

ケイ:   そのことをみんなに言うね。

      「この氷、魔力の影響ね」

ジェスタル:「ああ。精霊力は感じられないよ」

ヤシュト: 「しかし何のための魔力だ?」

ケイ:   「そこまでは……」

ジェスタル:「それを調べるためには、ここを壊すしかないだろ」

      壁を拳でコンコンやりながら言うよ。

ラルク:  「えっ、壊すんですか?」

ヤシュト: 「後でラルクの親父さんには謝るからさ」

      そこら辺りにスコップとか、ハンマーとかない?

GM:   柄の長い木槌が壁に立てかけてあるけど。

ヤシュト: よし。そいつで壁を力いっぱい叩く。

      「みんな、下がってろ」

      グワーン!

GM:   けたたましい音を立てて、亀裂の走っていたレンガが奥に吹き飛ぶよ。

ジェスタル:さすが怪力ヤシュト。

GM:   ちょうど直径50cm位の穴が出来あがる。

ジェスタル:中を覗いてみよう。

GM:   穴に近づくと、ヒュゴッっという音と共に、

      頬が痛くなるくらいの冷気がすごい勢いで流れ出してくる。

ジェスタル:「うひゃっ、なんだこりゃ」

GM:   ウィルの明かりが差し込む範囲では、

      レンガの壁の向こう側は自然の洞窟らしいね。

ヤシュト: よし、穴を広げるぞ。もう一叩きだ。

      ドカッ、ベキッ!

GM:   「ちょ、ちょっと何やってるのさ!」

      突然階段の方から声がするよ。

ケイ:   見つかっちゃった。

ヤシュト: これだけ派手にやってればな。

ジェスタル:誰?

GM:   ラルクの弟のカートだ。

      「ヤシュトさん、人んちの壁を壊して、どうしようっての!

       アニキもアニキだよ。なんで止めないんだよ」

      そう言いながら近づいて来ると、

      穴から流れてくる冷気に腕をさするね。

      「なに? この寒さ」

ヤシュト: 「この壁の向こうに何かがあるんだ」

      ハンマーを叩きつけながら言うよ。

GM:   「だからって、壁を壊すことないじゃないか」

ケイ:   「カート君、聞いて。

       ミリアの容体が悪化したの。

       ハート司教とエレミヤさんの診察では、

       地下の何かがミリアに悪影響を与えてるみたいなの」

ラルク:  「それを調べなくちゃならないんだ。

       カート。お前、親父に上手いこと言って

       誰も入らないようにしてくれ」

ヤシュト: 「カート、俺からも頼む」

GM:   みんなの真顔を見て、カートは頷くね。

      「分かった。遊びじゃないみたいだもんね」

ジェスタル:「遊びで人様の家を壊さないって」(笑)

GM:   「親父には上手く、ごまかしとくよ。

       それと俺にできることはない?」

      ミリアを心配してか、カートも協力を申し出るよ。

ラルク:  「ありがとな、カート」

ヤシュト: 「そうだな。できたら松明を貸してもらえないか?」

ケイ:   「あとコートでもマントでもいいから、何かない?

       この寒さじゃすぐに凍えちゃう」

ヤシュト: 「そうだな、できたらそれも頼みたい」

GM:   「ちょっと待っててよ。すぐ持ってくる!」

      カート少年は階段を駆け登っていく。

ジェスタル:「いい弟だな」

ラルク:  「この兄にして、あの弟ありってとこですか」(笑)

      どうして笑うんです?

ヤシュト: いやいや。

      GM、人が通れそうな広さになった?

GM:   ヤシュトの怪力のおかげで、人一人は充分通れるよ。

      信じられない冷気の流れ出てくる洞窟が不気味に続いている。

      頭がつかえそうな狭い洞窟で、天井からはツララが下りてるね。

ヤシュト: 「こりゃ滑りそうだ。みんな気をつけろよ」

GM:   そこへカートがすでに火の入ったランタンと

      マントを4着もって戻ってくる。

      「薄手のマントしかなかったけど」

ヤシュト: 「いや、助かる」

      そう言いながらマントを羽織ろう。

      「いいか、行くぞ」

GM:   先頭はヤシュト?

ラルク:  いつもの隊列で行きましょう。

      ヤシュト、ケイさん、ジェスタル、私、と。

GM:   狭い洞窟は不気味に静まり返り、

      君たちの吐く息だけが後ろに白く流されていく。

ジェスタル:夏だから最初は気持ちいいと思ったけど、もうガタガタ震えてるよ。

ラルク:  「ケイさん、ジェスタル。

       あったかくなる魔法か何かないんですか」

ジェスタル:「そんな便利な魔法はない!」(笑)

ヤシュト: GM、洞窟はどのくらい続いてるの?

GM:   それが10mも進むと行き止まりになってる。

      だけど、行き止まりの下の地面が陥没したように穴が開いてるよ。

ケイ:   人が通れそう?

GM:   なんとかね。

ヤシュト: それじゃ、その穴まで近づいて下を覗き込んでみる。

ジェスタル:いや、その前にウィルを穴の下に降ろしてみよう。

      そうすれば下の様子が分かるだろ?

GM:   ウィルはジェスタルの命令で穴に降りていく。

      すると少しずつウィルは光を弱めていき、ついには消えてしまう。

ジェスタル:消えた?

      もう時間切れかな。

GM:   いや、時間切れじゃないよ。

ジェスタル:「なんかこの下おかしいぞ」

      っていいながら、魔力感知で8。

GM:   その出目なら何も感じられない。

      正確に言うと、魔力を拒絶された感じだ。

ジェスタル:そのことをみんなに言うよ。

      「魔力が通用しないぞ」

ヤシュト: 俺は魔法のことは分からないから、

      明かりがなくなっちまってどうしようと考えてる。

ラルク:  ランタンがありますってば。

ヤシュト: 誰が持ってた?

ケイ:   さっきカート君が貸してくれたの。

ヤシュト: すまん、聞いてなかった。

      じゃあランタンで下を照らしてみよう。

GM:   上から覗くと、約2m下に明らかな人工物の床があって、

      そこに土が溜まってる。

ケイ:   「自然に崩れたみたいね」

ラルク:  「どうします? 降りてみますか?」

ヤシュト: GM、降りた後に又登ってこれそう?

GM:   土が50cmくらい溜まって凍ってるから大丈夫だろう。

ジェスタル:それを足場にすればいいんだもんな。

ヤシュト: よし、降りよう。シュタッと。

      中を見まわしてみるけど?

GM:   高さと幅は共に2mの廊下が前後に伸びている。

      一方は10mくらい先で、天井から崩れ落ちたブロックで埋まってる。

      一方は少しずつ下に傾斜していて、ランタンが照らす範囲では

      先に続いているようだ。

ケイ:   これって遺跡よね。

      壁をよく見てみたい。

GM:   壁にもうっすらと氷が張っていて見にくいけれど、

      びっしりとルーン文字が彫り込まれてるようだよ。

ケイ:   そのルーンがなんなのか調べてみる。

      これはウィザード? セージ?

GM:   ウィザードで調べてみて。

ケイ:   11。

GM:   どうやら魔力を無力化するルーンのようだ。

      この寒さはその副作用的なものだろうね。

ケイ:   「ウィルが消えちゃったのは、このルーンのせいみたいよ」

ジェスタル:「それじゃ、なに? こん中じゃ魔法は使えないわけ?」

ラルク:  「モンスターでも出たらやばいですよ。

       武器も持ってないですし」

ヤシュト: 「ここまで来たんだ。行ける所まで行こう。

       もしモンスターが出るようなら引き返せばいい。

       先に俺が行くから、誰かランタン持ってくれ」

ケイ:   それじゃ私が受け取るね。

GM:   下ってる方へ向かうんだね。

      この遺跡の床も凍っていて非常に滑りやすいよ。

ヤシュト: 右側の壁に手をつきながら進む。

      そうすりゃ幾分ましだろ。

      「後ろのヤツ、気をつけてくれよ~。

       特にラルクがコケると全員がコケるからな」(笑)

ラルク:  「気をつけます」

GM:   30m程進むと、右側に扉があるよ。

ジェスタル:それまで扉はなかったの?

GM:   うん。ただただ長~い廊下だった。

ヤシュト: 普通の扉?

GM:   壁と同じ材質の石でできていて、横にスライドするタイプだ。

ケイ:   ルーン文字は?

GM:   この扉には彫られていない。

ヤシュト: ここは取りたてのサーチで罠をチェック。9。

GM:   多分ないと思った。

ヤシュト: う~。ちょっと心細いが開けてみる。

      鍵はかかってる?

GM:   いや。かかってないようだ。

ヤシュト: 「一応みんな下がっててくれ」

ジェスタル:「わかった」

GM:   ヤシュト以外は扉から離れるわけだね。

ケイ:   うん。

GM:   それじゃサーチ・チェック。目標値は8。

ラルク:  なんのチェックです?

GM:   いや、壁から手を離したわけだから、滑るかな~と。(笑)

ケイ:   ひっど~い。私平目なのに~。

GM:   失敗した人は?

ラルク:  平目でも成功してます。(ちょっと得意)

ジェスタル:すごいぞ、ラルク!

ケイ:   私だけ~?

      とっさに何かにつかまれない?

GM:   一番近くにいるのはジェスタルだけど。

ジェスタル:やめてくれ!(笑)

ケイ:   つかんじゃう。(笑)

GM:   つかめたかどうか、ケイは戦闘スキルがないから平目で7以上。

ケイ:   (ダイスに念をこめて)

      お願いっ! やった~、8。

GM:   次はジェスタル君。

      滑りやすい床の上で、ケイさんの体重に耐えられたか。

      戦闘スキルで10以上。

ジェスタル:うっわ~い。1ゾロ。(一同爆笑)

ヤシュト: さすがはジェスタル!

GM:   ケイはジェスタルを巻き込んで、廊下を滑り落ちて行きました。

ジェスタル:とんでもないことするじゃな~い!(笑)

ケイ:   (笑い転げてます)

ヤシュト: ランタンはケイが持ってたんだよな。

      扉を開けようとしたら、急に真っ暗になった。(笑)

      「なんだ?」

      って後ろを振り返ろう。

ラルク:  「明かりが滑ってます」(笑)

GM:   ケイとジェスタルは30mも滑っただろうか。

      ごちんと扉にぶつかるね。

      ダメージはいいけど、頭にコブくらい作っといて。(笑)

ケイ:   「痛っ」

      頭を抑えて扉を見上げてる。

GM:   扉にはルーン文字で“牢獄”って書かれてるよ。

ジェスタル:同じく頭をおさえながら、

      「お前なぁ~」

ケイ:   「ゴメンちゃ」

ヤシュト: 「大丈夫か~!」

      って大声で聞こう。

ジェスタル:「なんとか。コブができたけど!」(笑)

ラルク:  私たちも降りていきます。

GM:   みんな扉の前に来たんだね。

ヤシュト: 「ケイさん、なんて書いてあるんだ?」

      俺は古代語は読めないから聞くよ。

ケイ:   「牢獄だって。

       この遺跡は大昔の刑務所かな?」

ヤシュト: よし、調べてみよう。

      まず罠。今度はいいぞ、12。

GM:   罠はない。

ヤシュト: 開く?

GM:   ここもスライド式のドアだけど、鍵がかかっているらしく開かない。

ジェスタル:GM、凍ってんじゃないの?

GM:   不思議と扉は凍っていない。

      氷のせいで開かないわけじゃなさそうだ。

ケイ:   「魔法がかかってるのかな? 試してみる」

ラルク:  「待ってください、ケイさん。

       ここじゃ魔法は効きませんよ」

ケイ:   危ない、危ない。MPを無駄使いするとこだった。

ジェスタル:自分で言ったくせに。(笑)

ヤシュト: 鍵穴はないの?

GM:   ないね。

ヤシュト: こんな所で時間をムダにしたくない。

      さっきの扉に戻るしかないな。

      「もう滑るなよ」(笑)


~その15 相手はマンティコア!?~


GM:   滑りやすい傾斜を、なんとかさっきの部屋の前まで戻って来たよ。

ヤシュト: 壁に身を隠すようにして、扉を開くけど?

GM:   中は5m四方くらいの部屋で、中央に直径30cmの円柱が立っている。

      ちょうど腰あたりの高さの円柱だね。

      床には埃がたまっていて、長く使われていなかったのは明らかだ。

ラルク:  他に気づくことはありますか?

GM:   壁にはルーン文字がない。それとこの部屋は通路より暖かく感じる。

      とくに耳なんかは急に血がめぐりだして痛いくらい。

ジェスタル:うう、ありがたいじゃな~い。

      ドアを閉めて少しあったまろう。

ケイ:   ルーンがないってことは、ここなら魔法が使えるのね。

ラルク:  怪我をしてもここまで戻れば治せますね。

ヤシュト: 取りあえず円柱を調べてみよう。

GM:   埃をはらうと、円柱の上面に古代語と共通語でこう彫られている。

      “ロゼラをマランティコエに処す  CC618”

ケイ:   「マランティコエって、マンティコアのこと?」

ヤシュト: 「冗談じゃないぜ。

       まさか牢獄に閉じ込められてるのってマンティコア?」

ジェスタル:「相手が悪すぎるよ」

GM:   ちょっと待って。マンティコアを知っているかどうかは

      セージで判定してもらわないと。目標値は13だよ。

ケイ:   私は成功。

ヤシュト: 俺も。

ジェスタル:「マンティコアって何だ?」(笑)

ラルク:  私も分かりませんでした。

ケイ:   「顔は人間で、ライオンの体にコウモリの羽、

       サソリのしっぽを持ってるモンスター」

      で、いいのよね?

GM:   その通り。

      タリア大陸では伝承に登場するモンスターだ。

      実際に見たとか戦ったという話は聞いたことがない。

      ケルトではマランティコエと呼んでいたらしいね。

ラルク:  「CCってなんでしょう」

GM:   ケイならお父さんの影響で分かるけど、ケルトの暦のことだ。

      CC618年というと、タリア暦の始まる17年前だよ。

      つまりケルト暦の635年にケルト島は沈んだってことたね。

ケイ:   「この遺跡はケルトのものみたいよ」

ジェスタル:「ロンさんが知ったら大変だ」

ヤシュト: 「連れてけって言われるぞ」

ジェスタル:「凍死するまで調べるね、絶対」(笑)

ケイ:   でも、なんとかをマランティコエに処すって彫ってあるんでしょ?

GM:   “ロゼラをマランティコエに処す”

ラルク:  「マランティコエに処すって、どういうことですかね?」

ヤシュト: 「処すってからには何かの刑罰なんだろ。

       マンティコアにされる刑ってのがケルトにあったんじゃないか?」

ジェスタル:「すごい刑だな」

ラルク:  「そのロゼラって人、人じゃないか、マンティコアが

       ミリアの病気の原因なんじゃないですかね」

ヤシュト: 「まず間違いないだろうな」

       GM、マンティコアって魔法を使うんだろ?

GM:   かなりの魔法が使えると伝えられている。

ラルク:  「どうしてだろう? この遺跡の中じゃ魔法は使えないのに」

ケイ:   「もう12世紀も前の遺跡だもん。

       きっと完全には作用してないんじゃない?」

ジェスタル:「なるほど、そう考えれば自然だな」

ヤシュト: 「それでか。

       だからミリアの生命力を魔法で奪ってるんだ」

ケイ:   「つまり、牢獄にいるロゼラを倒せばミリアは治るってことよね」

ヤシュト: (ガッツポーズをしながら)

      「っしゃ! 歩けるようにもなるかもしれないぞ!」

ジェスタル:「ちょっと待てよ。相手はマンティコアだぞ」

ケイ:   「勝算もあるじゃない」

ラルク:  「魔法が使えない遺跡の中だってことですね」

ケイ:   「うん」

ヤシュト: 俄然やる気が出てきた。

      この部屋に何か手掛かりがあるはずだ。

ケイ:   気になるのは円柱よね。

ジェスタル:一度くらいサーチ・チェックを成功させたい。

      円柱に変わったところはないか、12!

GM:   うん。この円柱は床に引っ込む仕掛けになってるようだ。

ジェスタル:押し込んでみる。

ヤシュト: 「ちょっと待て。トラップかもしれないぞ」

ケイ:   「ラルク、一緒にドアを開けたまま押さえとこう」

ラルク:  「はい。閉じ込められるのはイヤですからね」

ヤシュト: 「いいぞ、ジェスタル。押してみてくれ」

      そう言いながら、ドアの方に後ずさり。(笑)

ジェスタル:なんだかなぁ。

ケイ:   大丈夫。こんな所に罠はないから。

ジェスタル:そう言いつつ、みんな遠ざかってるのはなぜ?(笑)

      まぁいいや。押すよ。

GM:   円柱は最初に少し押しただけで、回転しながら床に吸い込まれていく。

      10数世紀前に造られたとは思えないスムーズさだ。

ジェスタル:何か変わったことは?

GM:   円柱が床まで完全に埋め込まれると、向かって左右の壁に

      ルーン文字が浮かび上がる。

ジェスタル:「ケイさん、何て書いてあるの?」

ケイ:   なんて?

GM:   向かって左側の壁には“極刑”、右側の壁には“釈放”だ。

ケイ:   みんなにルーン文字の意味を教えます。

      ドアは閉まらない?

GM:   閉じ込められる気配はないよ。

ラルク:  それじゃ扉を閉めて、中に戻りましょう。

ヤシュト: 「極刑と釈放か……。

       俺の中じゃ、どっちを選択するか答えは決まってるんだが」

ラルク:  「極刑って死刑のことですよね、やっぱり」

ジェスタル:「だけどさ、どっちかを選んだら、その通りになるわけ?」

ケイ:   「分かんない。

       でも、反対の通路は崩れちゃってるから、手掛かりはこれだけよね」

ヤシュト: 「どうするよ?」

一同: うぅ~ん。(しばらく考え込んでいます)

ヤシュト: 埒があかないな。

      俺は頭の中で苦しそうにしているミリアを思い浮かべてる。

      どんな理由かは知らんが、何の関係もないミリアの命を

      吸い取ってるのは許せん。

      ツカツカと歩いてって極刑のルーン文字に触れるよ。

ケイ:   「あ、ちょっと」

ヤシュト: もう遅い。触れた。

GM:   触れたんだね。

      ヤシュトが極刑の文字に触れると、ルーンは2、3度明滅して消える。

      そして継ぎ目ひとつなかった壁に突然くぼみが現れる。

ラルク:  へこんでるんですか?

GM:   うん。奥行き50cm、縦横1m位のくぼみだ。

      そこには緑に明滅するルーンが彫られた鍵が一つある。

ジェスタル:「鍵?

       もしかして、吾輩たちに退治しろってこと?」

ヤシュト: 「いや、そうじゃないんじゃないか。

       さっきの扉には鍵穴はなかったからな」

GM:   君たちがそんな話をしていると、正面の壁に緑色の光で描かれた地図が

      うっすらと浮かび上がる。ああ、いい忘れたけど、一方の

      釈放というルーン文字も消えてるからね。

ケイ:   浮かび上がった地図って、どこの地図?

GM:   こいつは一目瞭然。海岸線は南トゥム近辺の物だ。

      緑色の地図に明滅する赤い点が二つ。

      一つは明らかに分かるが、現在君たちのいる場所だろう。

ケイ:   分かった。

      もう一つは崩れてた通路の先なんでしょ?

GM:   ご明察。

      崩れていた通路の先は、間違いなく点の方向に向かっていた。

      しかし妙なところがあるんだ。

      それに気づくかセージ・チェック。

ジェスタル:ダメ元で……7。

ラルク:  私も7です。

ケイ:   んっと、10。

ヤシュト: 13。

GM:   さすが灯台守。ヤシュトだけは気づいた。

      もう一つの点は南トゥムの沖の小島の上で明滅している。この小島は

      村人たちが、“漁師の島”と呼ぶほど恰好の漁場なんだけど、

      妙なことに現在の大きさよりも、二周りは大きいね。

ヤシュト: 「どういうことだ?

       ……そうか、沈んだんだな!」

ケイ:   キャラクターは分かんないからヤシュトに聞くね。

      「なに言ってるの。ここって、漁師の島でしょ?」

ヤシュト: 「よく見ろ! 気づかないか?

       漁師の島にしてはでかすぎる」

ジェスタル:「そうか?

       吾輩には変わってるようには見えないけどなぁ」

      セージに失敗してるから首をかしげよう。(笑)

GM:   ヤシュトから指摘されたんだから、気づいてもいいよ。

ラルク:  「確かにそう言われれば、小さいような気がしますね。

       でも、ここに鍵を持っていけばいいんですかね?」

ヤシュト: 「多分な。

       まずは漁師の島に行って、調べてみるしかないな」

ジェスタル:「漁師の島まで行く必要はないんじゃないか?

       王都で買ったマトック・ワンドがあるよ」

ケイ:   「あれは自然の岩じゃないとダメでしょ」

ジェスタル:「そうか、ブロックが崩れてるんだっけ」

ヤシュト: GM、今何時くらい?

GM:   もう9時になろうとしてる頃だ。

ヤシュト: 今から船は出せないかな?

GM:   イカ漁やスズキ漁の時は夜中に船を出すよ。

      止鏡湾は特に波が静かな海だからね。

      ただ、ランプの明かり代がかかるから余りやらないけど。

ヤシュト: それじゃ漁師の島に行こう。

      「みんな、いいか?」

ジェスタル:「もちろん」

ケイ:   「時間がないものね」

ラルク:  「あ、鍵を忘れちゃダメですよ」(笑)

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