その4~6
- works.01 消えた贈り物 -
その4~6を掲載しています。
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《前回までのあらすじ》
南トゥムに漂着した商船リーフ・グリーン号。
乗組員全員が眠り込んでしまった船室からは、宝石箱だけで7000Goldという
積荷が消えてしまいました。
日頃から冒険者に憧れるヤシュト、ジェスタル、ケイ、ラルクの4名は
商人ザニアの依頼を受けて、宝石箱捜しに乗り出しますが……。
《works.01 消えた贈り物》
~その4 ありがたいご馳走~
ケイ: えっと、村長さん家って、酒場からだと……。
(村の地図を見ています)
わ。酒場って、海のすぐそばだったんだ。
ジェスタル:”ウミガメ”っていうくらいだもんな。
ラルク: 何か気になることでも?
ケイ: ううん。ミリアの所に寄ろうと思ったんだけど、
反対方向だからあとにしよう。オレンジ届けなきゃ。
ラルク: な~んだ。今回の事件と関係あるのかと思っちゃいましたよ。
ヤシュト: 武器は持って行かないでいいか。
ジェスタル:村の中で鎧着て、剣持ってくのか?
ヤシュト: GM。武装して歩いてるヤツなんていないだろ。
GM: いないね。街道に出るとか、
裏山に登るとかしない限り、危険は全くないからね。
ヤシュト: このまま行こう。
GM: ”ウミガメ”の軒下から出ると、
初夏とはいえ強い日差しが照っている。往来を果樹園へ向かう人や、
網を持った漁師なんかが行き交ってるね。
ジェスタル:平和だなぁ。
GM: この平和もいつまで続くかな。ふふふふふふ。(笑)
ケイ: その意味深な笑い方、やめてよ。(笑)
GM: それじゃ、みんな岩場に着いたことにしよう。すぐだからね。
”リーフ・グリーン号”らしき船は、ザニアの言ったとおり、
砦の山々を背後にもつ岩場にあるよ。
2本マストの全長15m位の船だね。
岩場には何本も杭が打ち込んであって、ロープで船を固定している。
岩場と船とは1mも間隔はないよ。
ジェスタル:乗っても、大丈夫かな。
GM: 君たち4人が乗ったくらいじゃ、ビクともしないよ。たぶん。
ケイ: なんか心配だなぁ。
「ヤシュト。行きなさい」(笑)
ヤシュト: 「俺かぁ~? しょうがないな」
と言いながら、甲板に飛び移ろう。
シュタっと。あ、チェックなんていらないよね?
GM: うん。こんなのいいでしょ。
ヤシュト: 「大丈夫そうだ。おい、みんな来い」
ケイ: 「ジェスタル。行きなさい」(一同爆笑)
ジェスタル:「お前なぁ。船が沈んでも、泳ぎゃいいだろ」
ケイ: 「泳げる人はね」
ジェスタル:「あ、まさかカナヅチ? ははっ。や~いカナヅチ」
ケイ: 「むっか~」
GM、ハーケン・クロイツかけてもいい?(笑)
ジェスタル:「ごめんなさい、ごめんなさい! 俺が悪かったよ~」(一同爆笑)
GM: この腰の低さ。
ジェスタル:だって怖いじゃないか。当たったら痛いぞ。(笑)
ケイ: ジェスタルをにらみつけながら、私も行こう。ぴょん。
ラルク: では最後に私、と。
ヤシュト: 甲板の上はどんな感じ?
GM: マストは畳んだ状態。梶も、ロープで固定されている。
荷を運び出した後だけあって雑然としてるよ。
ロープとか木っ端とか、空の樽とか。
ヤシュト: かたっぱしから手掛かりを探そうぜ。
サーチ・スキル持ってる奴、調べてくれ。
他のみんな:…………。
ケイ: 持ってないわよ。
ジェスタル:右に同じ。
ラルク: 司祭がサーチ技能など。
ヤシュト: だぁ~! 誰も持ってない~。
GM: (苦笑)みんな平目だね。基本能力値だけでチェックだ。
ヤシュト: しくじった~。気づかなかったよ。次は取らなくちゃな~。
「みんな、目を皿のようにして手掛かりを探すんだ!」
ジェスタル:樽をひっくり返そう。
ケイ: 甲板をひっぺがそう。(笑)
ヤシュト: 船を壊してど~する!
GM: この二人は悪のりするときだけ息が合うんだよな。
ヤシュト: ったく。
ジェスタル:「手掛かり、手掛かり……出ておいで~」(笑)
ケイ: 「まぁジェスタル。手掛かりの”手”の字も見あたらないわ」
ジェスタル:「そいつは困った。
じゃあ、”手”は後回しにして、掛かりの”が”から探そう」(笑)
ヤシュト: もう、こいつらはほっとく。
甲板上ににつかわしくないものを探す! 10!
GM: オーケー。平目でも充分だ。
するとヤシュトは、船倉に降りる梯子にはさまった、
ゴワゴワした体毛を何房か見つける。
かなり目立つ所に引っかかってるよ。
褐色で硬いね。人間の毛でないことは確かだ。
ラルク: 「なんです、それ?」
ケイ: 私も真面目にやろっと。
「何か見つかった?」
ヤシュト: 「変な毛があった。ちょっと人間のじゃないみたいだな」
ケイ: 知力チェックで、クリティカル!
ラルク: お~っ。(拍手)クリット第一号ですね。
GM: それは間違いなく妖魔・ゴブリンのものだね。
臭いをかぐ気があればだけど、凄い臭いがするはずだよ。
ケイ: かがないわよ。(笑)
「これはゴブリンのものね。どこにあったの?」
ヤシュト: 「梯子にはさまってたんだ」
ジェスタル:「お客にゴブリンがいたのかな?」(笑)
ラルク: 「梯子にはさまってたってことは、船倉に入り込んだってことですか」
ケイ: 「鋭い! きっとそうね」
ヤシュト: 「じゃあ、ゴブリンが例の荷物を盗んだのか?」
ケイ: 「う……ん、なぁんかなぁ~。
ゴブリンが犯人としても、つじつまの合わないことだらけじゃない」
ジェスタル:「船員がみんな寝ちゃったとかな」
ヤシュト: 「そうだな。じゃ、俺は下に降りてみる。
お前らは甲板をもっと調べてくれ」
ジェスタル:「あ、吾輩も行こう」
GM: ヤシュトとジェスタルは船倉に降りる、と。
梯子は垂直に降りていて、船倉の高さは君たちの頭スレスレだ。
梯子の近くは日が差し込んでるけど、奥の方は薄暗いよ。
座礁した所から海水が入ってきてるんだろう、膝上ぐらいまで水浸し。
ヤシュト: しくじった~。松明なんてないぞ。
ジェスタル:だから吾輩が来たんじゃないか。
「光の精霊ウィルよ。我が足元を照らせ。恐怖の闇を払い除けよ」
っと、召喚は成功!
ラルク: かっこいいですね。
ジェスタル:昨日、考えといたんだ。リアルでしょ。
ラルク: 私も真似しよっと。
GM: ジェスタルの呼び出したウィルのおかげで、
5m先まではハッキリとした視界が確保できた。
ヤシュト: ジャブジャブと進むよ。
GM: 廊下の左右に扉が2つずつ。突き当たりに扉が1つ。
全部開けっぱなしになってるよ。
船はやや前方に傾いてるんで、奥に行くほど水深は深くなる。
突き当たりの扉なんて、君たちの腰ぐらいまで水が入ってるね。
ヤシュト: 「ジェスタル、手分けして探そう。俺は右側、お前は左な」
ジェスタル:「オーケー。っと、明りがないだろ」
もう一つウィルを召喚して、ヤシュトについていかそう。
成功。精神力がどんどん減るな。
GM: 1レベルは何事も辛いよ。
ケイ: 私たちはどうしてよっか。
ラルク: おかし食べます?(笑)
GM: じゃあ、二人。知覚チェックしてみて。
ケイ: なんだろ? 平目で8。
ラルク: ロードの気配察知でもいいんですか?
GM: いいよ。
ラルク: 12です。
GM: ラルクは、岩場の方へ向かってこようとする、酒場で見かけた船員の
一人に気づく。でっぷりと太ってる男だ。でも、君らが船上にいるのに
気づくと、何やら慌てたように去って行く。
ラルク: え? 何だったんでしょう。
GM: 今度は反対側の、少し離れた岩場から声がするよ。
「お~い、ケイ、ラルク。そんな所で何してるんだ?」
「勝手に入ると怒られるぞ」
ケイ: 誰?
GM: 漁師のケジーとネジだね。親子だよ。ネジはみんなと同い歳くらい。
二人は今日の獲物の入った網を手にしながら近づいてくる。
ラルク: 「ちゃんと、許可はもらってますよ」
ケイ: 「今日はたくさんとれた?」
GM: すると、ネジが誇らしげに網を持ち上げて見せて、
「ああ、このとおり」
その後ケジーがね、
「お前ら、こっち来いや。ロブスターをご馳走してやる」
ケイ: 「らっきー! ラルク行きましょ」
ラルク: 「いいんですか? 二人を置いてって」
ケイ: 「いいの、いいの。私の子分なんだから」(笑)
ヤシュト: なにぃ~。
ジェスタル:我々には聞こえないのだった。(笑)
GM: その通り。じゃ、再び船内。
ざっと、船室を説明するけど、1部屋は4畳半くらい。
船窓は小さい船なんでない。
めぼしいものは全て倉庫に移した後みたいで、木箱や樽、酒瓶なんかが
浮かんでる。
何を調べたいのかな?
ヤシュト: 俺はどうも、全員が寝たってのが不思議なんだよ。
思うに催眠薬か、何かを使ったんじゃないかな~と。
ジェスタル:船乗りに話が聞ければよかったのにな。
ヤシュト: 夕方にもう一度行ってみようぜ。
だから薬品がないかなと、ダメもとでチェ~ック!
ダメだ、(笑)5。
ジェスタル:精霊魔法で、なんか使えないかな……。
GM、水の精霊と直接コンタクトするのは無理としても、
水の変な流れは分からないかな。
GM: と、言うと?
ジェスタル:もし隠し場所があるなら、水の流れがおかしくなるだろ?
GM: う~ん。頭使ったね。
ケイ: サーチ・スキルがないもんねぇ。
GM: オーケー。ちょい苦しいけど、そういう試みは大切だからね。
魔力チェックで振ってみて。アイディア分で+2していい。
ジェスタル:「水の精霊よ、滞りし流れを我に告げよ」
+2だよね……おおっ、13!
ケイ: 自分で驚いてどうするの。(笑)
GM: アイデアの勝利だね。ジェスタルは左手の奥2番目の部屋の壁に、
小さな渦を見つけた。ほんの小さな渦だよ。
ジェスタル:壁? 板が外れるとか?
GM: その通り。5×10㎝位の板が押すと外れるよ。
ジェスタル:罠なんてないよな、きっと。外した。中には?
GM: 瓶が二つある。ヤクルトくらいの大きさの小さい瓶だよ。
一つは砂色みがかった粉末、一つは赤茶色の液体。
コルクで栓がしてあって水は入っていない。
ジェスタル:「お~い、ヤシュト。変なもの見つけたぞ」
ヤシュト: ザブザブ……(近づいて来たようです。)
「なんだ、そりゃ」
ジェスタル:「ここで見つけた。なんだろうな」
ヤシュト: 「ケイに見てもらうか。あいつなら分かるかもしれない」
上に戻るよ。他には何もなさそうだし。
サーチ・スキルも持ってないからな。くそ、次は絶対サーチを取るぞ。
GM: ヤシュトとジェスタルが甲板に上がると、香ばしい香りが流れてくる。
船からちょっと離れた岩場で、ケジー親子とケイ、ラルクが焚火を
囲んでるね。
ヤシュト: 「あ、あいつら……」
GM: ネジが君たちに声をかけるよ。
「おう、ヤシュト。こっちに来いよ!」
ヤシュト: ネジって知ってていいの?
GM: 灯台守だろ? ヤシュト君。漁師は灯台守を信頼しているんだから。
ヤシュト: あ、今、誰が灯台の番をしてるんだろ。
GM: ルグニカじゃない? それとも、ソニカか。
ケイ: 誰、それ?
ラルク: 分かった。さっき言ってた弟と妹じゃないかな。
GM: ご名答。
ヤシュト: よし、あいつらに任せた。焚火のところに行こう。
ジェスタル:「いい匂いだな」
焚火にあたりながら、ズボンを乾かさなくちゃ。
ヤシュト: 「ネジ、今日はどうだった?」
GM: 「この季節にしちゃ、潮がいいよ。
小魚も多いし、適度に海水も濁ってる。
漁師のための一日って感じだな、あ、こいつはもういいぞ。
さ、ケイお嬢さま」
ケイ: 「お嬢さまだなんて。もっと言って」(笑)
ヤシュト: 「子分にもよこせよ」
ケイ: 「あ~おいしい」(笑)
ヤシュト: 「こいつ……」
GM: ケジーが不思議そうな顔して、君たちに聞いてくるよ。
「お前ら、なんだって難破船に潜り込んでんだ?」
ヤシュト: 「ちょっと、頼まれ事でね。
そうだ、ケジーさん、この船が難破した時のこと、知ってます?」
GM: 「さぁな……明け方だろ? そんときゃ沖に出てたからな。
だが、変な話だ。北トゥムに向かった船が、
この村で難破するんだからよ」
ケイ: 「話は知ってるんだ」
GM: 「ああ。積荷を倉庫に移すのを手伝ったからな。
もう、船乗り連中の機嫌が悪いのなんのって。
そりゃ、自分らの船が難破したんだ、無理はねぇけどな。
だが、あの船長だけは立派だぜ、
ちゃんと船乗りを指図して俺たちにも礼儀を忘れなかったしな」
ラルク: 「船乗り連中は酒場に来たときも、機嫌が悪かったですよ」
ジェスタル:「まだ、飲んでるのかな」
GM: 「その船乗り連中の頼み事か?」
ジェスタル:「まぁ、そんなとこです。ところで……」
GM: 「なんだ? 改まって」
ジェスタル:「我々もご馳走になっていいでしょうか?」(笑)
GM: 「おお、どんどん食ってくれ」
ケイ: 「この焦げてるところがおいしいよ」(笑)
ジェスタル:「ありがとさん」(苦笑)
GM: 君たちがむしゃむしゃ始めると、ネジとケジーは立ち上がって、
「火の後始末頼むぞ。俺たちは行くからよ」
ラルク: 「もう少しいいじゃないですか」
GM: それにはネジがね、
「網を繕っておかないと、明日に差し支えるからさ」
ケイ: 「立派ねぇ」
ジェスタル:「ご馳走さまでした」
GM: 二人は村の方に去って行ったよ。
酒場や、夕市に魚を売りに行くんだろうね。
ケイ: 「ね、なんか分かった?」
ジェスタル:「そっか、忘れてた。これなんだけどさ」
と言って、例の瓶を渡そう。
ケイ: 「ん~」
GM、セージでチェックしてみていい?
GM: どうぞ。
ケイ: んっと、12。セージの目はいいなぁ。
ヤシュト: だけどこいつ、戦闘スキルを何一つ持ってないぞ。
ケイ: 私は接近戦をするつもりはないもの。後方援護に徹するわ。
GM: 12ならね、赤茶色の方はオーソドックスな薬品だよ。睡眠薬。
ヤシュト: やったね! 予想どうりじゃん。
ケイ: もう一つの方は?
GM: もう一回振ってくれる?
ケイ: セージなら大丈夫な気がする……ほら、11。
GM: 麻薬であることは間違いないね、砂色っぽい方は。
ちょっと自信は持てないけど、内陸の方で出回っている
クラックっていう純度の高い麻薬だと思われる。
ケイ: 「睡眠薬と、麻薬みたいね。どこにあったの」
ジェスタル:「船室の一つだよ。壁板の中に隠してあった」
ケイ: 「ふ~ん。船乗りさんのかしら」
ラルク: 「そういえば、さっき、太った船乗りがこっちに来ましたよ」
ヤシュト: 「なんだって? で、何か話したのか?」
ラルク: 「いえ、私が気づいたらこそこそと、行っちゃいました」
ヤシュト: 「あやしいな……」
ケイ: 「酒場に戻る? 時間が経っちゃうと、まずいんじゃない?」
ヤシュト: 「だな。”ウミガメ”に行こう」
ジェスタル:「火を消さなきゃ」(笑)
ケイ: 「変な所で几帳面なんだから」(笑)
~その5 酒場の乱闘~
GM: じゃ、5時ごろ、薄暮の中、”ウミガメ”の前に来た。
中には、まだ船乗り連中がいるらしくて、かなり騒がしいよ。
それに果樹園や漁師、職人さんなんかの地元のおじさんが繰り出す
時間だから、陽気な笑い声が聞こえてくる。
ヤシュト: 「う~ん。どうしようか、単刀直入に切り出すか?」
ジェスタル:「その太った船乗りに?」
ケイ: 「多分、その人が主謀者に間違いないと思うけど」
ヤシュト: 「船長に言った方がいいのかな?」
ラルク: 「でも、船長さんもショックですよ。
部下の一人が船を座礁させたなんて」
ケイ: 「どうしてそんなことしたのか、理由もよく分からないしね」
ジェスタル:「やっぱり例の小箱が目当てだったんじゃないか」
ケイ: 「そうかな、やっぱり」
ヤシュト: 俺ら、酒場の前でごそごそと、こんな話してるのか?(笑)
GM: そんな話をしてると酒場の中の陽気さが、ガシャーンという陶器の
割れる音でシン、と静まり返った。そしてその一瞬後、
「うわぁああっ」
という男の絶叫が聞こえた。
ケイ: えっ? なになに?
ヤシュト: 反射的に酒場の扉を開いて中に入るよ。バッと!
GM: ”ウミガメ”の中には全部で20人ぐらいの男がいるけど、
視線は丸テーブルの一つに座っていた太った男に注がれている。
その太った男は、今は立ち上がっていて、拳を作った両手が小刻みに
震えている。目は血走っていて、顔色は真っ青だね。
ラルク: さっき、私が見た船乗りですか?
GM: うん。間違いない。横に座ってる船乗りの一人が、
「おっ、おい、タムワ……どうしたんだ?」
って、声をかけてる。
ケイ: ピーンと分かっちゃった。でも、キャラクターはどうかな、14!
ヤシュト: おおぅ、先を越された! 俺もそう思ったんだよ~。
GM: 今日は出目がいいね。
多分、麻薬中毒者の症状じゃないかって知りたいんでしょ?
ケイ: うん。
GM: セージでのチェックだよね? ケイさんの予想は正しいよ。
ケイ: 「ラルク! エレミアさんを呼んできて!」
……エレミアさんでいいのよね?
ラルク: ほぼ、当たりですけどエレミヤさんです。(笑)
「分かりました!」
と言って、教会に行きます!
GM: そのタムワは、声をかけた船乗りを凄い形相で見下ろすと、
頭をガシっとつかんで、丸テーブルに叩きつけた!
ジェスタル:「うわぁ~」
GM: 丸テーブルがひっくり返る音と共に、酒場の中はパニック状態。
タムワを止めようとする船乗りと、おじさんたちだけど、
尋常な力じゃないらしく次々に投げ飛ばされてる。
ヤシュト: 「ようし、俺がいこう! 力なら負けん!」
(ヤシュトは筋力が18と、人間では相当の怪力の持主です)
GM: ヤシュトが来るのを見て、マスターのハーレさんが
「ヤシュト~! 何とか止めてくれ~!
店がめちゃくちゃにされちまう~」(笑)
ヤシュト: 「任せろ!」
タムワの方へ行くよ。
GM: ヤシュトが人波をかき分けて進んで行くと、タムワが一人の若者を投げ
飛ばしてくるね。
君の胸にぶつかって止まると、君を見上げながら
「後は頼んだ」
鼻血を流してるネジだね。(一同爆笑)
ヤシュト: 「そいつから離れろ! 俺が何とかする」
ジェスタル:おっ、乗ってきたね。
GM: するとタムワは丸テーブルを持ち上げて、君に投げつけるぞ。
ヤシュト: 回避でいいんだよな……14!
GM: それは軽くよけたね。
後ろの方でがしゃーん、ぐえぇって声がする。(笑)
ジェスタル:「誰かつぶれてるぞ!」(笑)
GM: あと1ラウンドで接近できるよ。
ヤシュト: よし、このまま突き進むぞ。
GM: タムワの形相は、今や黒ずんでちと怖いね。
今度は素手で殴りかかって来る。
ヤシュト: よけっ! 12!
GM: そいつは、何とかよけたね。反撃したいんならどうぞ。
ヤシュト: うおっしゃ~。右ストレートだ! 13!!
GM: ダメージ、どうぞ。
ヤシュト: 素手だと、カポエラのスキルがないから小さいんだよな。
……でも4点行ったぞ! 最大値だ。
GM: タムワはそのパンチでぐらりと壁際に倒れかけるね。
酒場の中は大歓声だよ。でも、持ちこたえた。
ケイ: あ、麻薬患者って、こういう時……。
GM: ケイさんの心配は正しいよ。
さらに逆上して側にあった椅子を持ち上げた。
このラウンドからは、敏捷度に従ってやろう。こっちの敏捷度は12。
ヤシュト: じゃあ俺が先だ。かなりの怪力みたいだから足払い。
あっ、8、ダメだね、こりゃ。
GM: ヤシュトの足払いは近くのテーブルを蹴飛ばしちゃったね。
タムワは椅子を持ち上げると、すごい勢いで振り下ろした!
ヤシュト: うあっちゃ~、どわっ、アクシデントか!
ジェスタル:「うわぁ~」
GM: そいつは食らったね。バキっと鈍い音がして、ヤシュトの背中で椅子が
砕ける……ちょっと痛いぞ8発の強打。
アクシデントでも、ダメージ減少はできるからね。
ヤシュト: クロースじゃあ……3発しか止まらなかった!
5のダメージぃ~。
「ぐっ」
こいつは息が詰まる!
ケイ: 魔法で援護したいけど、杖を持ってない~。
ジェスタル:精霊魔法を使いたいけど、人混みの中で使いたくない~。(笑)
ヤシュト: 「大丈夫だ! 任せろ」
と言って、武器になりそうな物はない?
GM: ん~。ジェスタルのいる壁際にモップがあるよ。
ジェスタル:オーケィ。じゃ、モップをヤシュトに向かって投げよう。
「ヤシュト!」
ヤシュト: じゃ、攻撃をタムワの後に回して、モップを取るよ。
GM: タムワの攻撃をよけながらになっちゃうけど?
ヤシュト: ここで気合い~! おっしゃあ~14!
GM: うん。それは椅子の足での攻撃をしゃがんでかわしながら、
モップをしっかりつかんだ。
ヤシュト: 「うおぅ!」
と叫びながら、みぞおちの辺りをめがけて突き~っ! シュイ~ン!
やった、16、あっ、クリティカル!!
ケイ: すごい!
ジェスタル:出目が荒れてるなぁ。
GM: そいつは見事に決まったね。
クリティカルのダメージは最大値だからな。
一瞬タムワは白目をむくと、ワンテンポ置いて仰向けにそのまま
倒れていく。ズンと地響きを立ててダウンだ。
酒場にいたおじさん連中は喝采、船乗り仲間は心配そうにタムワに
駆け寄ってくるね。
ケイ: 「ヤシュト、大丈夫?」
ジェスタル:「鼻血が出てるぞ」(笑)
ヤシュト: 「大丈夫だ、これくらい」
だって俺、LPが30あるから。
ジェスタル:こいつの方が化物だ。(笑)
GM: ちょうど、騒ぎが治まった頃、ラルクがエレミヤさんと、カチュアを
連れて酒場にやってくる。
カチュアはエレミヤさんの娘で、もちろんホーリーの心得がある。
君たちと同年代の17歳の女の子だね。
ラルク: 「ヤシュト、大丈夫ですか? 治療しましょうか」
ヤシュト: 「いや、俺よりこの船乗りを見てやってくれよ」
ラルクの治療は、ちょっと心配だったりして。(笑)
GM: エレミヤさんはテキパキと指示を出しているね。
ハーレさんには冷たい水とタオル、ウオッカを用意させ、
君たちに向かっては、
「ヤシュト、ジェスタル。その壊れたテーブルを担架替りにする。
ラルク、そこのガラスを退けてくれ。さぁ、2階に運ぶんだ!」
ケイ: 「さすが神父さまね」
ジェスタル:「うん、こりゃ反射的に従っちゃうよ」(笑)
GM: 南トゥムでは一目おかれてる存在だからね。
酒場にいた連中も手伝って、タムワは手際よく2階のベッドに連れて
いかれたね。
~その6 クラックの裏に……~
GM: エレミヤさんの指図で、ベッドに寝かされたタムワだれど、
ヤシュトの一撃のおかげで意識は失ったままだよ。(笑)
室内には船長のサムディと、ハーレさん、そして君たち4人と
エレミヤ親子、……とザニアさんか。
ジェスタル:手加減なしだもんなぁ。
ヤシュト: モップなんだから死にゃあしねえ。
ケイ: そりゃそうだけど。
GM: エレミヤさんは冷やしたタオルをタムワの額に置くと、そのまま掌を
かざしてる。しばらくすると立ち上がって、船長の方を見る。
「明らかな麻薬中毒です。彼の異変には気づいていましたか?」
その問いに船長は眉をしかめながら、
「薄々は……。
タムワの奴は去年の秋口に、落下してきたマストの横桁で右肩を
打ってるんです。煙るときなんかは痛むとこぼしてました。
だけど、麻薬に手を出してるなんて……」
ラルク: けむるって?
GM: ああ、ガス、つまり霧が濃いってことだよ。
湿気の多いときは古傷が痛んだんだろうね。
ケイ: 「それで、クラックに手を出したのね」
GM: 船長は驚いた顔でケイさんを見て、
「クラックだって!?……知ってたのか?」
ケイ: 言っちゃった……。
でっ、でも船長も分かっちゃったもんね。
ジェスタル:例の麻薬も見せるか?
ヤシュト: こうなったら隠しておく必要もないしな。
ジェスタル:「船長、これが船室に隠してあったんですよ」
GM: 船長はそれを受け取りながら、ため息をついてるね。
ザニアは、クラックの瓶を見て、
「ガダメスじゃあ、手に入れるのはさほど難しいものじゃありません」
ラルク: 「出回ってるんですか?」
GM: ザニアは商人だから詳しいらしくて、説明してくれる。
「砂の国からのものでしょう。”クラックの裏にディーあり”ってね」
砂の国ってのはチャビのことだよ。
ヤシュト: 「ディーだって!?」
GM、ディーって、ルグニカとソニカのか?
GM: そうだろうね。
ケイ: あぁ~、また話が分からない~。
いい加減にルグニカとソニカのことを教えてよ~。(笑)
GM: ちょっと脱線するけどいいか。そろそろ話しとかないとね。
始める前に、各キャラクターには僕とだけ話した今までの経緯が
あるでしょ?
ケイさんは貴族の過去、ジェスタルはオンディナから流れてきた
過去とか。ルグニカとソニカもヤシュトのそれなんだ。
でも、南トゥムの人間だったら知ってていいことだよね。
ヤシュト: ルグニカとソニカはチャビから逃げてきたんだよ。
ジェスタル:じゃあ、チャビ人?
GM: いや、ジャン族とベドウィン族の混血兄妹で孤児。
チャビはラティン族が支配していて、少数部族は奴隷になったり、
流賊になったりする。
ヤシュト: しかも、あの二人はディーのとこから逃げてきたんだ。
ケイ: ……ディーって何者?
GM: そういう時は、
ケイ: ダイスを振ろう。(笑)んっと、13。
ラルク: 9です。
GM: ラルク、よかったね。9以上の人は知ってる。
これも内陸から流れてくる噂の中では有名な名前だね。
ルスエラと同じくらいに。
ディーは裏の世界を牛耳っている大物だ。
麻薬、人身売買、暗殺家業、組織的な盗賊、うさん臭い事件には
大抵関わっている。
マフィアのボスってところかな。
ジェスタル:でも、そこから逃げ出してきたってことは……。
ヤシュト: あいつらは暗殺者として教育されてたんだ。
ケイ: えっ? 今、いくつなの?
ヤシュト: えっと、ルグニカが16で、ソニカが14。
ラルク: ソニカが妹ですか?
ヤシュト: ああ。
ケイ: そんな小さい子をアサシンにしようとしてたの~? 許せない。
GM: このルグニカとソニカが逃げてきたのは、2年前だからもっと
小さかったよ。考えてもみてよ。14歳と12歳の子供が一流の暗殺者だと
したら、これほど怖い存在はないでしょ?
ヤシュト: 油断しない奴はいないよな。
ジェスタル:吾輩なんか、ジュースでも飲むか?
なんて言ってるあいだにグサっ、だよ。(笑)
GM: 二人が南トゥムに逃げてきた時にエレミヤさんの美談があるんだよ。
ルグニカとソニカは小さい頃に両親が死んで、
奴隷として売られてたんだ。
それを引き取ったのがディー・バーバリア。
もの心ついた頃からアサシン教育を受けさせられた。
でも二人は人殺しをさせられるよりも、奴隷という身分が我慢できな
かったんだ。
ルグニカが14歳のとき初仕事の時が来た。
でも、ルグニカは住処にとって帰すと、ソニカを監視していた男を
ソニカと協力して殺害すると逃げ出した。何カ月も商隊や、
商船に紛れ込んで、ついに南トゥムに流れ着いたんだ。
その二人を見つけたのがエレミヤさんだ。教会の納屋に隠れていた
ルグニカは、エレミヤに警戒するあまり、ナイフで切りつけた。
でも、エレミヤは腕に刺さったナイフを抜こうともせずに、ルグニカを
抱きしめたんだ。
ラルク: いやぁ~。エレミヤ神父をますます尊敬しますよ。
ケイ: すごい経歴の兄妹ね。
GM: それから村ぐるみでこの兄妹をかくまうことになって、
ヤシュトと一緒に暮らし始めたってことなんだよ。
ケイ: でも、そんな組織から抜けてきたんなら、狙われてるんじゃない?
GM: そのうちに追手が来るだろうね。今のところは無事だけど。
ヤシュト: だから俺はいつかチャビに行ってやろうと思ってるんだ。
ジェスタル:その時は吾輩もつき合おう。
ケイ: 私だって。
ラルク: 微力ながらお共致します!
ヤシュト: うぅ~ん。嬉しいぞ、みんな。(本当に満足そう)
GM: 思わぬところでパーティの結束が固まったね。
じゃ、今の状況に戻すけど、いいかな?
ケイ: ちょっと待って、一つだけ。
ルグニカとソニカはディーに会ったことはあるのかな?
GM: いや、直接会ったことはない。ディーは謎の多い人物でね。
顔を知っている者は極わずかみたいなんだ。
ケイ: ふ~ん。あ、どうぞどうぞ。元に戻して。
GM: えっと、そうそう。
ザニアがタムワはおそらくディーのルートで出回ってるクラックを買っ
てたんだろう、と推測するわけだね。
エレミヤは船長に向かって、
「ずいぶんと体を蝕んでいます。しかし、教会で根気よく治療すれば、
必ず復帰できるでしょう」
船長も、
「私が見過ごしたばっかりに」
と、沈欝な表情だね。
ジェスタル:じゃあ、小声でみんなに、
「どうするよ、睡眠薬も見せるか?」
ヤシュト: 「船長は二重のショックだな」
ラルク: 「でも、こうなってしまった以上、隠しておくものどうかと」
ケイ: 「うん」
ジェスタル:「あの、船長。言いにくいんですが……。これもあったんです」
GM: 「それは?」
ジェスタル:うう~。言いにくいじゃな~い。(一同苦笑)
「その、……睡眠薬です」
GM: 船長は額を押えてくるりと壁の方を向くと、絞り出すように
「なんてことだ……」
ケイ: 「たぶん、麻薬を買うお金に困って」
GM: 今の話で取り乱したのがザニアさんだね。
「そ、それであの小箱を盗んだと言うんですか!
船長! そりゃあ私は今回から加わったばかりの新参者だ。
だが、商人と船乗りってのは、そういうもんじゃないでしょう!
信用ってものがあるでしょうが!
大体あれは生はんかな金額じゃないんですよ!」
ラルク: 「ザニアさん、船長を責めても仕方ないですよ!」
ヤシュト: お、いいぞラルク。
「その通り。例の小箱がどこにあるのか探すのが先決」
GM: うん。その言葉に船長は船員の一人を呼ぶと、タムワの持ち物を
調べさせるね。でも、これといって何も出てこなかった。
ヤシュト: 「おそらく、共犯者がいるんじゃないかな」
ジェスタル:「ゴブリンか?」
ケイ: 「そこがひっかかってるのよ。
ゴブリンが、そんな計画的に動けると思う?
それも普通の人間の言うことを聞いて?」
ヤシュト: 「俺もそこが変だと思ってるんだ」
GM、確かずいぶんと目立つ所にあったよね?
GM: さすがヤシュト君。その通りだよ。
ヤシュト: 「船長、ザニアさん。俺たちは船でゴブリンの毛を見つけたんです。
でも、ゴブリンが犯人だとは考えにくい。
思うに共犯者の撹乱証拠じゃないでしょうか」
GM: 船長も、ザニアも途方に暮れて、黙ってしまう。その時、
「う、うう」
タムワが呻きながら、うっすらと目を開けるね。気がついたようだ。
「せ、船長……?」
すると船長は、寝ているタムワの胸倉をひっつかんで起き上がらせる
と、バキっと、殴り倒す。
タムワはベッドから転げ落ちて、エレミヤの足元に転がったまま、
驚いた目で船長を見上げている。
ジェスタル:船長を後ろから羽交い締めにする。
これ以上殴ったら死んじゃうよ~。
ヤシュト: 「船長!」
って言いながら、タムワとの間に割り込もう。
GM: するとヤシュトには、船長の両目から涙がこぼれ落ちるのが見える。
抑えているジェスタルは船長のゴツイ肩が震えてるのが感じられる。
「タムワ……お前は船乗りとして、いいや男として恥ずべきことを
したんだぞ!」
声が涙声になってるね。怒りと言うよりも、悲しみだろう。
きっと、家族のように接してきたんだよ。
ケイ: なんだか、二人ともかわいそう。
ラルク: じゃあ、倒れているタムワさんに近寄って、
「タムワさん。
アガルタの神から見れば、人は過ちを繰り返す不完全な生き物です。
ですが、罪は償うことができます。私たちも力になります。
今が、その時じゃないでしょうか?」
一同: おお~。
(本当に感心して、ため息に近いどよめきが起こっています)
ヤシュト: ラルク、いいじゃないか!
ジェスタル:ほんとの司祭さまみたいだぞ!(笑)
ケイ: 司祭だってば。(笑)
ラルク: え、えへへ。(照れ笑い)
GM: エレミヤとカチュアも感心して、目を細めてラルクを見守っている。
タムワはうつむいたまま、大粒の涙を流して、
「船長、すまねぇ。ほんとに、すまねぇ……。
俺、クラックに染まっちまって、金がなくって……。
売人への借金がかさんで」
ケイ: 「それで例の小箱を渡そうと?」
ヤシュト: 「で、小箱はどこにあるんですか?」
GM: 「冒険者崩れの二人組が……裏山でキャンプを張ってる。
ギーランとムールって名乗った。
箱には魔法の鍵がかかってて開かないから、開ける方法を調べて
こいって…… あ、明日の昼までに……」
ヤシュト: よし! まだ取り戻せそうだぞ。
ケイ: 何だか詳しいこと聞くのは辛いけど、聞かなきゃ私たちが危ないから。
「タムワさん、その二人はディーの配下の者なんですか?」
GM: タムワは頭を振りながら、
「いいや、ギルドにも登録してねぇ冒険者だ。
……闇に宝石を流すルートを知ってるからって、
俺に話を持ち掛けてきたんだ……」
ヤシュト: 「売人とつながってるのかもな」
ケイ: 「ザニアさんが宝石を持ち込むって、知ってたんですか?」
GM: 「いいや。積荷の中で宝石らしきものを、持って来いって。
……商人の部屋ならあると、俺は思ったんだ……」
ラルク: やっぱり、タムワさんに行ってもらうってのは酷ですかね?
ジェスタル:それはダメでしょ。タムワさんだって辛いだろうし、
キャンセルするって言って、冒険者崩れが聞いてくれるかどうか。
ケイ: それに話しちゃったと分かったら、どうなるか分からないもの。
ラルク: ですよね、やっぱり。
ヤシュト: 「二人はどんな連中ですか?」
GM: 「一人は戦士風、もう一人は魔法使いだって言っていた」
ヤシュト: 「そうだ。何で南トゥムで難破させたんですか?
アイアン・ロックの方が近いのに」
ケイ: きっと、あ、キャラクターが分かるか分かんないもんなぁ~。
GM: なに? 思いついたことがあったら言っていいよ。
ケイ: 「多分、この村にギルドがないからじゃない?
ゴブリンの毛を見たら、普通の人は人間の仕業だと思わないでしょ」
ジェスタル:「なるほど」
ラルク: ケイさん、すごいですね。
GM: 真面目にやればヤシュト並み、ふざけるとジェスタル並みだもんな。
ジェスタル:おいおい。(笑)
GM: ケイさんの言葉に、タムワはうなずいて、
「戦士風の男が、そう言っていた」
それに補足すると、アイアン・ロックは孤島でしょ。
もしばれたら、逃げようがなくなっちゃうからだろうね。
ヤシュト: くっそ~。なんか村を馬鹿にされたみたいだな。
俺たちがいるってことを思い知らせてやるぜ。
ジェスタル:なあ。いっちょやったろかい。(笑)
ヤシュト: 「二人がいる場所を知ってますか?」
タムワに聞くよ。
GM: 「たぶん、昼間は山小屋にいる……。
難破してすぐに接触してきた時には、そこにいたから」
ケイ: あ~っ!
ヤシュト: どうした?
ケイ: ほらほら、ザニアさんと話してから感じの悪い冒険者がいたじゃない。
なんだっけ、ブロード・ソードと、なんかの。
ジェスタル:あ~あ~、シャムシールだろ。そういえばコロっと忘れてた。
ヤシュト: あっちゃ~。目の前にいたのかよ~。
後にしようとか言って、そのままだったな~。
GM、さっき、酒場にいた?
GM: ううん。見てないね。
ケイ: 「ハーレさん! さっきの冒険者、覚えてない?」
GM: 「おう、あの感じの悪いやつらな!
こっちが話しかけてもろくに返事もしなくてよ、エールを飲むと、
さっさといなくなっちまったよ。あいつらだったのかよ!?」
ハーレも悔しそうだね。
ヤシュト: 顔を覚えてるかな。
GM: 会えば分かるんじゃないか。それに南トゥムでは見ない顔だし。
船長は君たちの反応を見て、
「何とかなりそうなのか?」
いかにも、すがるような視線だね。
ヤシュト: 「安請け合いはできませんが、全力を尽くします」
GM: 船長は次にザニアの方を見るね。するとザニアは、
「やれやれ。船長といい、あなたたちといい、どうして他人のために、
こんな一生懸命になれるんですかね。
……船長、私もあなたがたの仲間になれますか?」
ケイ: やった!
GM: ザニアは君たち4人を眺めて、
「たった1000Goldの報酬で、いや、あなたたちは報酬の事などもう、
忘れているのでしょ? 全てをお任せします」
ヤシュト: その言葉に俺は思わず一礼してしまう。
ヤシュトって、めったに頭なんか下げないんだけどな~。(笑)
GM: 船長はザニアの言葉を聞いて、ホッとしたようにタムワの肩を叩く。
涙もろい人みたいだね。又、涙が止まらない。(笑)
タムワも頬を涙で濡らしながら、
「船長……リーフ・グリーン号を、台無しにするつもりは……」
船長はもう何も言うなって感じで、タムワの髪をくしゃくしゃに
するね。
ラルク: いい光景ですね。
ヤシュト: これでホッとしちゃいられない。
ケイ: そうね、無事に小箱を取り戻さなくちゃ。
ジェスタル:箱だけで7000Goldだからな!(笑)
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