第4話 霊鬼姉さんが登場でござる

  DSP(デビルスペシャルポリス)の宿舎しゅくしゃでは、いつものように、転生者達が朝食をとっている。

「また、このうすっぺらいトーストでござるか」

 朝食のトーストと目玉焼めだまやきを食べながら、虎之助とらのすけ不満ふまんらした。

「関西では五枚切ごまいぎりりが主流しゅりゅうだが、DSPは予算の関係で六枚切ろくまいぎりりだ」

 岩法師が説明した。

「関西ではって、ところちがうのでござるか?」

全国的ぜんこくてきには、一斤いっきん六枚切ろくまいぎりりが一般的いっぱんてきだな」

「DSPは、金が無いねんなぁ」

 小太郎は、目玉焼めだまやきを食べながら、つぶやいた。

「今日は、何故なぜか人数が少ないでござるな」

 今朝は、虎之助とらのすけと小太郎・岩法師の3人で、いつもより少ない。

「狂四郎は、お前になぐられて入院中で、左近さこんは、安倍顧問あべこもんと奈良で修行中しゅぎょうちゅう

左近さこん修行しゅぎょうでござるか。拙者せっしゃ修行しゅぎょうちゅうは、つらかったでござるよ」

「姉さんの修行しゅぎょうって、やっぱりきびしかったんでっか?」

きびしかったでござるが、拙者せっしやは、5万年に1人の逸材いつざいと言われていたので、何とか免許皆伝めんきょかいでんしたでござる」

「5万年って!もしかして、その中にはネアンデルタール人もふくまれてるんでっか?」

ふくまれているでござる」

「さすが、姉さんは、人類史上じんるいしじょうでも規格外きかくがいの強さでんな。それはそうと、左近さこんさんの安倍顧問あべこもんとの修行しゅぎょうって、もしかして陰陽師おんみょうじ修行しゅぎょうしてはるのかなぁ?」

「さあ、拙僧せっそうくわしくは知らんが。しかし、DSPが手薄てうすな時にかぎって、いつも鬼どもがあばれだすからのう」

規格外きかくがい拙者せっしやるから、大丈夫だいじょうぶでござる」

 虎之助とらのすけ平然へいぜんと、トーストを食べている。

バタン!

 とびらはげしく開く音とともに、桜田刑事がけ込んで来た。

みんな任務にんむよ!鬼が出たわ!」

「何と!」

 岩法師は、自分の悪い予感よかんが当たっておどろいた。

「みんな、早く車に乗って!」

「鬼は、ドコに出たんでっか?」

阿倍野あべのよ」



 阿倍野あべの区の街中まちなかで、十人程じゅうにんほどの鬼が人々をおそっている。

 到着とうちゃくした虎之助とらのすけ達は、鬼を見つけると、すぐにけ寄り、乱戦らんせんとなったが、それほど強い鬼はないようである。

 だが虎之助とらのすけは、鬼の1人から異様いようなエネルギーが出ているのを感知かんちした。

 鬼ロボである。

「あの、真ん中にる鬼は、普通の鬼とちがうでござる。危険なので小太郎は近付ちかずかない方が良いでござるよ」

 虎之助とらのすけは、小太郎に注意した。

「わかった、姉さん。俺にまかしといてや」

 小太郎は、逆に鬼ロボ目掛めがけて走り出した。

「小太郎、行ったら駄目だめでござる」

 虎之助とらのすけが止めるが、小太郎は、そのままんで行く。

 鬼ロボの方でも虎之助とらのすけ気付きづいており、コチラに向かって来る。

ーーアレガ、鬼塚達おにずかたちガ言ッテタ小娘ダナーー

「死ねや!」

 小太郎が鬼ロボにりかかった。

邪魔じゃまダ、クソ雑魚ざこ

 鬼ロボが、かたなごと小太郎をはらった。

「うへー」

 小太郎はんで、近くのコンビニの中までんで行く。

 鬼ロボは、そのまま虎之助とらのすけに向かって来る。

「オまえガ、みんなガ言ッテイタ小娘カ。思ッテ、イタヨリ弱ソウダナ」

 虎之助とらのすけの剣が、鬼ロボの首を切った。

ガキッ!

 切ったはずであったが、鬼ロボの首は鋼鉄製こうてつせいであり、かたなの方がれた。

「ソンナかたなナド、俺ニハ通用つうようシナイ」

 鬼ロボは、素早すば虎之助とらのすけ胴体どうだいを持ち、天高てんたかく放り投げた。

「火星マデ、行ッタナ」

 鬼ロボは、勝利を確信かくしんした。

「おぬし、ただの鬼じゃないでござるね」

 火星まで投げたはずの虎之助とらのすけが、何故なぜか目の前にる。

何故なぜダ!オ前ハ、サッキ投ゲタハズダ!」

「お主が投げたのは、お前の仲間の鬼でござる『わりじゅつ』でござる」

「今度コソ、飛ンデ行ケ」

 鬼ロボは、ふたた虎之助とらのすけ天高てんたかく放り投げた。

「今度コソ、ヤッタゾ」

 鬼ロボが、勝利を確信かくしんすると、またもや目の前に虎之助とらのすける。

「また、仲間を投げたでござるね」

「オノレ、コウナッタラ、全員投ゲテヤル」

 鬼ロボはブチ切れて、手当てあたり次第しだいまわりにる者を放り投げ始めた。

「これはマズい」

 岩法師は、法力ほうりきで姿をかくして、退避たいひする事にした。

 気が付くと、鬼ロボは仲間の鬼を、全員投げてしまっていた。

「誰モナクナッタ、後ハ、オ前ダケダ、モウ『わりじゅつ』ハ使つかエンゾ」

「使う必要ひつようないでござる。今度は拙者せっしゃから行くでござる」

 虎之助とらのすけが、鬼ロボ目掛めがけて突進とっしんする。

ーー馬鹿ばかナ小娘ダ、俺ニハ、奥テ手ガアルーー

 鬼ロボには加速装置かそくそうちが付いており、数秒間だけであるが、すさまじく早く動く事が出来る。

 加速装置かそくそうち起動きどうさせると、今まで見えなかった虎之助とらのすけ素早すばやい動きが、スローモーションの様に見える。

 鬼ロボは慎重しんちょう虎之助とらのすけのウエストをつかむと、思いっ切り上空じょうくうに放り投げた。

「ヤット、ンデッタカ」

 鬼ロボは、今度こそ勝利を確信かくしんした。

拙者せっしやは、ここでござるよ」

 またしても、目の前に小娘がいる。

 何故なぜだ、鬼ロボは自分が投げた物を、望遠ぼうえんレンズで見て確認かくにんすると、虎之助とらのすけの服を着た丸太まるたであった。

丸太まるたナンテ、ドコニッタノダ?」

 不思議ふしぎがっている鬼ロボに。

唐沢家からさわけ忍術にんじゅつ雷遁らいとんじゅつ

 虎之助とらのすけが、鬼ロボのヘソのあたりに掌底しょうていを打ち込みながら、じゅつを使った。

 数百万ボルトの電流が、鬼ロボの体内たいないめぐり、すべてての電子回路でんしかいろを焼き切った。

「プシュー」

 と、言いながら鬼ロボは、前のめりにたおみ、機能きのう停止ていしした。

「さすが姉さん。鬼どもを、たおしはりましたね」

 ふっ飛ばされていた小太郎が、コンビニで買ったアイスを食べながら、やって来た。

「でも、服が勿体もったいなかったでござる」

 虎之助とらのすけは、わりじゅつを使ったさいに、服をいでしまっており、下着とスニーカーという格好かっこうである。

「ほんまや、姉さん下着だけですやん。でも、姉さん良く食べる割には細いでんなぁ」

拙者せっしゃは、ダイエット中でござるよ」

「そんなん、やってましたっけ?好きなだけ食べてるように見えまっけど。しかし、姉さんは、相変あいかわらず強いでんな」

拙者せっしやの強さは、チンパンジーの赤ちゃんも裸足はだしで逃げ出すでござる」

「さすが姉さん、上手うまいこと言いはるわ」

 2人はゲラゲラ笑い出した。

「何が可笑おかしいのか全然ぜんぜんわからないけど、いつまでも、そんな格好かっこうしてないで、とりあえず、これを着てなさい」

 桜田刑事が、車にんであった、自分のジャンバーを虎之助とらのすけに渡す。

「かたじけないでござる」

 虎之助とらのすけは、桜田刑事のジャンバーを羽織はおるが、サイズが少し大きいようだ。

「桜田は、ふとっているから、仕方しかたないでござるね」

「何ですって!もう一度言ってみなさい。一週間グランドの草むしりに、夕食抜きの厳罰げんばつにするわよ」

「あわわっ!桜田刑事はこわいでござる」

 姿すがたを現した岩法師は、たおれた鬼ロボを観察かんさつしていたが、何かに気付きづいたようである。

「桜田刑事、こいつはロボットだ」

 おこっていた桜田刑事も、さすがにおどろいた。

「ロボットですって?」

 岩法師が指差ゆびさす場所を見ると、鬼ロボの頭部とうぶが割れて機械の頭脳ずのうが見える。

「鬼に、こんな技術力ぎじゅつりょくがあったなんて。とにかく、しょ鑑識かんしきに連絡しておくわ」

「やはりこいつは、電気式のカラクリ人形だったでござるね。どうりで心臓音しんぞうおんわりに、機械音きかいおんが聞こえてたでござる」

「何か、ゴッツいパワーやと思っとったら、ロボットやったんか」

 4人がたおれた鬼ロボを観察かんさつしていると、数人の警官けいかんがやって来た。

「後は彼らにまかせて、一旦いったん帰るわよ」

 警官けいかん達と話した後、桜田刑事は、メンバーに撤収てっしゅうつたえた。

拙者せっしやは、あべのハルカスで、服を買ってから帰るでござる」

駄目だめよ、そんな格好かっこう街中まちなかを歩いたら」

「そうですよ姉さん、下着にジャンバーじゃ、ちょっと、まずいと思いまっせ」

仕方しかたないでござるね、お気に入りの服だったでござるが」



 その頃、火星では、鬼が9人も飛んで来たので、銅鬼どうき大喜おおよろびしていた。

「いやぁ、こんなに鬼が来てくれるとは、助かるな」

「いや、来たくて来たんじゃ無いんですけどね」

「とりあえず、人手ひとでりなかったんだ。君達なら立派りっぱな戦力になる」

「戦力って、ここでも戦いがあるのですか?」

俺達おれたち革命軍かくめいぐんは、独裁者どくさいしゃの『山田タコ14世』と戦っている。お前達も手をしてしい」

 銅鬼どうきは9人の鬼に、今の火星の状況じょうきょうを説明して『山田タコ14世』が、いかに極悪ごくあくであるか話した。

 『山田タコ14世』にさからう者は、たこ焼にされて、屋台で外国人がいこくじん観光客かんこうきゃくに、割高わりだかで売りさばかれるらしい。

「確かに、『山田タコ14世』の民衆みんしゅうに対する仕打しうちちはひどすぎます。我々も『山田タコ14世』をたおため革命軍かくめいぐんに入る事にします。ただ、気になるのは、外国人がいこくじん観光客かんこうきゃくって、どこから来るのですか?」

「それは、知らん」

 なぞは残ったものの、銅鬼どうき心強こころずよい仲間が出来た。



 大阪の繁華街はんかがいである心斎橋しんさいばしでは、30代の男が少女と一緒いっしょに服を買いに来ていた。と言うより、買わされていた。

「まだ買うんですか?」

 黒瀬は、服の入った大きな紙袋かみぶくろを持たされている。

「お前の仲間に服を取られたので、お前が拙者せっしやの服を買うのは、当たり前でござる」

「取られたんじゃなくて、わりじゅつで、使っちゃったんでしょう」

「同じ事でござる。服を買い終わったらイタリアンレストランで、チョリソーとカルボナーラとピザをおごるでござる」

「また、ですか?」

「命がしければ、おごるでござる」

ーーコイツと一緒いっしょると、まわりりから変な目で見られるから嫌なんだよなぁ。可愛かわいい女の子を連れて歩くのは気分が良いが、十代となると話は別だ。社内では完全に援交えんこうしてると思われてるし、かと言って、実際に変な事したら瞬殺しゅんさつされるだろうしなーー

 黒瀬のなやみはきないのである。



 オフィス街の高層ビル最上階では『大阪鬼連合団体』の定例ていれいカンファレンスが行われていた。

「えー、今日はみささんに悲しい、お知らせがあります」

 議長の鬼塚から報告ほうこくがあるようだ。

「ついに、あの小娘をりましたか?」

 若い参加者が聞いた。

ちがいます」

 鬼塚は意外いがい冷静れいせいに答えた。

「娘さんが受験に失敗しましたか?」

 中年のメンバーが聞いた。

ちがいます」

「ついに、議長の離婚りこんが決まりましたか?」

ちがいます」

「議長のイボ完治かんちしましたか?」

「違います」

「議長の金玉きんたま爆発ばくはつしたとか?」

「するか!ボケっ!」

 ついに鬼塚が切れた。

「お前ら、適当てきとうな事ばっかし言いやがって。金玉きんたま爆発ばくはつしてたら、今頃いまごろは泣きながら入院しとるわ!鬼ロボがDSPの小娘にられたんや!」

「まさか、あの鬼ロボが?」

 大半たいはんのカンファレンス参加者は、鬼ロボが小娘にられた事が信じられない。

「そうや。あの鬼ロボが、小娘に簡単にられてもうたんや」

「それは、ビックリですね」

「俺も連絡を受けた時は、ビックリしてスマホを落としてもうて、スマホの画面がめんが割れてもうたわ」

画面がめん修理しゅうりは、意外いがいと高く付きますからねえ」

「そうやねん。もう新しいのに買いえようかなと思て」

「議長はiPhoneですか?」

「いや、俺はAndroidや。しかも格安かくやすSIMやで」

何故なぜ、iPhoneにしないのですか?」

「高いからや。何でか知らんけど、嫁と娘はドコモの最新iPhoneやけどな」

「スマホケースは、付けてなかったんですか?」

「ケース付けたら、せっかくスマホ会社がデザインしたフォルムが見えへんやんけ」

「それは、そうですけど。割れるよりは良いのでは?」

「割れてから、手帳型てちょうがたケースでも使っとけば、良かったって思ったわ」

「ちょっと!スマホの話をしに集まったんじゃないですよ!」

 川島がおこり出した。

「あっ、そうやった。今日は、あんまりお前らが不甲斐ふがいないので、霊鬼れいき姉さんが来てくれるんやった」

霊鬼れいきさんと言うと、絶世ぜっせいの美女でありながら、歴代れきだい四天王の中でもっとも暗いと言われている、あの霊鬼れいきさんですか?」

 川島がおどろいて確認した。

「そうや。男運が悪く、付き合う男がみんな、酒とギャンブルと暴力ぼうりょくが大好きと言う、霊鬼れいき姉さんや」

「それは、男運が悪いと言うより、そういう男が好きなんでしょう」

「そうかも知れんが、とにかく歴代れきだい四天王の中でも、最もさちうすいと言われている、霊鬼れいき姉さんや」

「あまりにもさちうすすぎて、生きながら霊体れいたいとなり、数百年間あの世とこの世を行き来していると言われている、霊鬼れいきさんが今日来るのですか?」

「もう来てるわよ」

「うわっ!ビックリした!」

 鬼塚と川島がおどろいて、けそうになった。

「アンタら!なにウチの事、勝手かって言ってくれてるのよ!」

 いつの間にか、鬼塚のとなりしたに美女がすわっている。

「姉さん、どこから入って来たんですか?ドアが開く音は、聞こえませんでしたけど」

「最初からたわよ!」

「すいません、気が付きませんでした」

 川島があやまった。

「姉さんは、半分霊体はんぶんれいたいやから、しっかり実体化じったいかしてもらわんと、見えへんのや」

「気をいたら、すぐ霊体化れいたいかするから、仕方しかたないのよ。それより、アンタ達、よくも、暗いやら男運が無いとかさちうすいとか、いろいろ言ってくれたわね!」

「すんまへん。るとは思わなかったんで」

 鬼塚もあやまった。

「まあ、ええわ。ほんで、なんやアンタらDSPの小娘に、ええようにヤラれてんのやって?四天王が2人もそろって、だらしないわね」

「2人って、俺が茨木堂子いばらぎどうじで、他は誰や?」

 鬼塚は、あたりを見渡みわたした。

「私ですよ!私が熊堂子くまどうじです」

 川島がおこりながら言った。

「君、熊堂子くまどうじやったんか、いつからや?」

「何言ってるんです!産まれた時から。と言うか、家系がそうなんです。議長も知ってるハズですよ」

「そうなんか、そう言えば、そんな話を聞いた事があるような、無いような」

「鬼塚、お前アホやろ?」

 霊鬼れいきは、あきれている。

「いや、俺がアホかどうかはいといて。とにかく、その小娘が強くてこまってますんや」

「議長が、アホかどうかはいとくんですか?」

「そうや。そんなん、どうでも、ええやん。それより姉さんは、霊体れいたいになれるから、通常つうじょう攻撃こうげきかないですよね?」

かないわよ」

「ちょっと行って、やっつけてもらえません?」

面倒めんどうくさいわね。彼氏がパチンコから帰って来る前に、夕食の用意をしとかないと、機嫌きげんが悪くなるのよ。私もスーパーのレジ打ちのパートがあるし」

「姉さんがパートしてはるのに、彼氏かれしは平日の昼間からパチンコでっか?」

「そうよ。土日は競馬けいば競艇きょうていだから」

霊鬼れいきさんは、その彼氏かれしさんの、どこが好きなんですか?」

 川島は疑問ぎもんに思った。「たまに優しいトコかなぁ。それに、あの人は私がないと駄目だめなのよ」

ーーこっ、これは典型的てんけいてきな、幸薄さちうすい女性のセリフだーー

「そっ、そうでございましたか」

 川島は、霊鬼れいき恋愛れんあいには、立ち入らない事にした。

「じゃ、ひまな時に気が向いたら、っといたるから、その娘の写真か何か無いの?」

「写真ならりますよ」

 川島が、霊鬼れいきに写真を渡した。

「なかなか可愛かわいい娘ね。わかったわ、まかせといて」

よろしく、お願いします」

『大阪鬼連合団体』のカンファレンスは、霊鬼れいきの登場でのある会議となった。



 数日後、狂四郎の退院の日がやって来た。

「やっと退院か。しかしあの小娘、馬鹿力ばかじからなぐりやがって、一時いちじは死ぬかと思ったぜ」

 警察病院けいさつびょういん玄関げんかんまで行くと、虎之助とらのすけと小太郎がむかえに来ていた。

 自分のせいで俺が入院したから、悪いと思って謝罪しゃざいしに来たのだろう。と、狂四郎は思い

「退院出来たけど、まだ少し頭が痛むんだ」

 と、体調不良たいちょうふりょうを、アピールしてみた。

「ふざけた事言こといってないで、焼肉やきにくの続きをおごるでござる!」

「まだ食ってる途中とちゅうで入院しやがって、このヘタレが!」

 二人に、ののしられながら狂四郎は、退院そうそう焼肉やきにく屋に連れて行かれ、おごらされるのであった。

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