風あざみ

音澤 煙管

短い時に大事な役目……




もう来たの?

ねこがそっと呟いた……


風あざみの露雫、

静かにそっとやって来る。


誰が最初に気付くかな?

子どもたちには内緒だよ?

あと何遍か運んでくるよ、

まだまだ暑さは続くから。


いたずら好きな風あざみ、

いつの間にか止んでいて、

音も無いまま降り出している。


いたずらとは知らない大人たち、

秋の知らせと旬のもの、

急いで頬張り衣替え。


大きな鍋と厚手の長袖、

今度の日曜日には用意しようと。


ねこはいたずら知っている、

もう風あざみがやって来たかと。


板の間で寛ぐのも、

そう長くは続かない。


暑い時には使われない、

チグラに体を丸めてる。


昼夜は地球の裏表、

それ程ねこには辛い時。


風あざみは雫の遣い、

秋という風を運んでくる。


暫く風は止みそうにない、

ねこはそう呟いた……。









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風あざみ 音澤 煙管 @vrymtl

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