◇2023.5.20◇独り言のような手紙

5月20日(土)真夜中の黙想


はやい、まったく日々のなんと飛ぶように過ぎていくことか。


何となく空気が湿り気を帯びてきたような気がするのは、雨が続いたせいか、苦手な梅雨が近づいているせいだろうか。

夏を前にしてワクワクしていた子どもの頃が懐かしい。


暑さを意識すると、気持ちがグッタリしてしまうのは、やっぱり体調のせいが大きい。

止まらない汗と、空気の重さに息が苦しくなる。



そういえば、あるお友達の作品を読んでいて、思わずその心に思いが重なった。


姓の変更。

事情は違うが、わたしも夫との死別後、苗字を旧姓に戻した。

元義実家とのどうしても忘れられない許せなかったトラブル。


旧姓に戻すといっても、元の両親の戸籍に入りなおすわけではなくて、まず自分を戸籍筆頭者にして新しく戸籍を作り、そこに、改めて子どもたちも入れるという手続き。

ものごとは何でもそうだが、実際にやってみなければわからないことが沢山ある。

その時は、ただただ必死で申請の為に走り回ったが、手続きが終わり、身辺が落ち着くまでには随分かかった。


子どもたちの環境を変えたり、友だちから離すことになるのは忍びないと地域に留まり続けたのに、あの苗字を名乗り続けることだけは、どうしても耐え難くて……。


息子たちにも苗字が変わることの話はして、一応、納得はしてもらったけれど、多感な長男や幼い弟たちには、戸惑いや辛いことが、どれほど多かったことだろうか。

どんな言い訳をしようと、わたしのエゴであったことには変わりない。



わたしは実は元々の旧姓があまり好きではなかった。

だから、結婚して姓が変わった時は嬉しかったのだ。


だのに結局は旧姓に戻った。

そして運命の皮肉と言おうか、今更ながらにこの旧姓は、わたしの名前に一番しっくりと似合うのだった。



それにしても……眠れぬ夜の徒然に考える。


子どもを授かることができたことは、わたしにとっての何よりの幸せであったけれど、結婚ということ自体には、縁が薄いというか向いてないような気がする。


そう思うのも何だか寂しいような気もするし、パートナーと共に寄り添い歩む人生の素晴らしさに憧れも人一倍あるのだけども。


結局、わたしは独りで完結してしまうところがあるから、この生き方もしょうがないのかもしれない。



思考は、こんなふうにあちこちに飛んでいく。


最近は目が疲れてくると、見えにくい目を無意識に瞑って文字を追っている。

さすがに目を休ませなくてはね。


✵☽✵


静かだ。


寂しい、という感情をそっと両手で抱えている。


雨はやんで、週末は晴れるようだ。

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