第21話 独白③ プレイヤー名「課金厨」 配布シム「ムラマサ」
一方的に説教してくる奴とか、無課金厨の奴らってマジでムカつく。
こっちがいくら課金したとかって呟くと、どっからか寄ってきてマウント取ろうとすんの。
こっちはさ、純粋に褒めてほしくてツィートしてんじゃん? なんでそう言うのわかんないのかなぁ。
逆にさ、課金してないやつって、何のために生きてんの?
何にお金つかって、何のために生きてんの? 課金以上に意味のあることってあんの?
わけわかんない。誰かが言ってたじゃん? 「ソシャゲは人生だ」って。
人生否定する奴らって何考えてんのかわかんない。バカなの?
ムカつく――。バカみたいな食い物に、バカみたいなお金使うのと、何が違うの? そんなもん栄養ドリンクとかでいいじゃん。
だって欲しいレアが出たら、おなか減ってるのとかどうでもよくなるし。全然マシだよね。
てか中学生が頑張って経済回してあげてるのにさぁ。それに文句言うとかどうなってんだってハナシ。
てか、この「ゲーム」サイコー。
最初は自分のスマホ持ち込めなかったのスッッッゴいムカついたけど、なにこれ? 無限に課金してOKってヤバない?
高校いったらバイトして、その分ぜーんぶ課金しようと思ってたけど、そんなの必要なかったね。
「このゲーム」勝ったら、このスマホ持って帰っていいんだってさ。
ヤバくない?
……このスマホ持ち出していいなら、真面目にやってもいいかな。
ま、今はいいや。なんかくつろげる「部屋」見つけたから、しばらくここでガチャ回そっと。
なんか「
――――って、うわっ。
なんかドア開いたんだけど?
なにあれ? エネミーってヤツ?
でも、エネミーってドア開けらんないんだよね?
え、なに? 誰かいる? やだやだやだ、なに!? キモいんだけど!?
でも、ここからじゃ何も見えない……。誰もいない?
それとも、見えないように隠れてる?
やだ、キモいキモいキモい! キモいよ。なんなの?
……あー、でも、これってアレか。
自分でやっつけないといけないんだっけ。
メンドくさ。
ハァ。誰だか知んないけど、こっちの「人生」のジャマしないでほしいよね。
でも、しゃーない。やってみよっか。
このスマホ、まだ試してなかったからね。
私に与えられた特殊機能、特殊シムは、『ムラマサ』。
要するに〝カタナ〟の能力が有るんだってさ。
よくわかんないけど、そういう事みたい。
アタシの「推し」って槍使いなんだけどなぁ。空気読めないなぁ……。
ま、いいでしょ。
そう言えば、最初に『プレイヤー』全員集められたときさ、「ワイズ」の
思わず笑っちゃったし。草生える草。
――まぁ? コスとかけっこういい出来だったよ。本人は結構おばさんだったけどね。
メチャ若作り。
で、
ああいうおばさんがワイズの原作やってるとは限らないもんね。
なんかさー、人気ありそうなキャラ選んで、コスプレだけやってる感じとかあるよね、レイヤーの人って。
って、うわ来てる来てる。キモッ!
あーもう、人の部屋に入ってこないでよ。せっかく戦闘禁止区域なのにぃ~。
ムカつく。
――けど、しかたないっか。ま、なんとかなるでしょ。
ゲームの感覚で行けばOKOK。
ん、ん――。
〝――名にしおう、かの剣こそは、三千世界にまだ見ぬ輝き――〟
こういうのも大事。雰囲気っていうの?
剣じゃなくて、カタナだけど、ま、いいよね。
――――って、来た来た来た!
早いって! まだ早い! こっちのターン終わってないじゃん!?
必殺モーション途中じゃん!?
ああ、もうこれだから三次元ってクソなんだよ!!
なんでみんなに予定通りに動けないの!?
マジ訳わかんない! だから、ゲームの方が良い、なんて言われるんだよ!!!
もういいや、とにかく、これ――
うわ! キモ! ――え、ーい、やっ! っと……――。
――――
あー、もー、キョドった! カッコ悪い! 急に来るからだってェ!
あー、サイアク!
でも何とかなった。つーか一撃。
コイツ雑魚じゃん。
アタシ強くない?
これ、このシムってやつ。ムラマサ。これ、いい感じかも。
ハァ――。ていうか、ドアあけっぱなんだけど!?
――チッ。マジで誰開けたのコレ。
つーか、やっぱ誰かいる?
だれ?
――後は覚えてないんだよね。周回いそがしかったからなぁ。
どうしよ? 調べる? でも、人いたら嫌だし……
でも、ドア閉めても、また開けられたらムカつくし……
――――?
――ん? なんだろ? なんか外から聞こえて……ブーンって、
特殊シム「ムラマサ」
機能:わずかにでも殺傷させた相手の、あらゆる手段における再生・復元を阻害する。
レベルが上がることで攻撃範囲と威力が向上する。
「ロンギヌス」とは対極の効果を持つため、同じ対象に使用された場合はレベルの高い方が優先される。
レベルが同じだった場合は互いに互いの効果を打ち消しあう。
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