限定けもミミメイド【私】の物語。

 だーーーーーーーー。つっっっかれたぁあ。

 4時の閉門でカフェの開催終了。


 耳が疲れる。けっこう子供や女性にモフられてしまい、いろいろと気疲れた。(流石に男性の方はお断りした。)最初はみんなに付いた耳が可笑しくて仕方がなかったがすっかり馴染んでしまっていた。


「最初は恥ずかしかったけど、あと2時間だと思うとなんだか名残惜しいなぁ。」

立派なキツネ耳をいじりながら紗栄子が言った。


 感慨にふけってる暇なんかないよ。完全撤収は明日にするとしても、5時の後夜祭の開始までに出来るとこまで片付けなきゃ。カップやソーサーといった食器もお屋敷から借りて来たので、梱包しなくてはいけないし、終わったら終わったで忙しい。


 でも充実していたのは間違いなかった。去年の文化祭の時、私は精神的に燃え尽きていたのでほとんど参加できなかった。だから今回の達成感が余計に心地良かったのだ。


「ねえ、真綾。文化祭で何組かカップルが出来たみたいよ。」

華が羨ましそうに言う。寄り添いながら作業する男女のクラスメイトがちらほらと。ふーん。私が感心したように相槌を打つと私が余裕綽々よゆうしゃくしゃくだと勘違いしたのか華はちょっと拗ねる。

「いいよねぇ。真綾は奏がいるから。」

もう、アレは彼氏なんかじゃないから。どちらかと言えば手がかかる子供みたいなもんだけどね。


 そういえばリアム君たちは文化祭には参加しなかったのだそう。まあ、高校生のごっこ遊びに付き合う趣味はないかもね。


 後夜祭は体育館で行われる。

生徒会による閉会あいさつの後、優秀団体発表がある。


 アトラクション部門賞。パフォーマンス部門賞。パーラー部門賞。大賞。そして各特別賞だ。

  

 我が2Dはパーラー部門賞2位に入賞した。内装が素晴らしくお菓子が美味しかった上、ケモミミが効いた効いただ。後は保護者会特別賞と教職員会特別賞をもらう。やはり、生徒より大人向けだったみたいだ。


 その後は軽音部と吹奏楽部のパフォーマンス、最後は全員の合唱で式典が終わる。後は自由参加で校庭で打ち上げ会がある。パーラー部門が残してしまった食材などをみんなで始末するのだ。うちのお菓子は3時過ぎにはすでに売り切れてしまっていて残念だった。


 余興は「R18の主張」。ビンゴ大会で、学食カフェテリアの食券などの賞品が18名に当たるのだ。ただし当選者は壇上に上げられ、大声で異性に告白しないと賞品がもらえないという企画である。ややリア充に有利ね。ちなみにRはこのロックフォード国際高校のRである。去年までも令和国際高校だったので校名が変わってもイニシャルはRなのである。


 私はたとえ当選してもムッシュさんの弁当があるのでパスするつもりだったので安心して傍観者に徹していた。

 

 明日は撤去日。そして、火曜日水曜日が代休として休みになる。休み明けから本格的に2学期が始まるのである。


 

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