下位カーストな【俺】の物語。探し物は何ですか?
ところで紗栄子さん、なぜきみはこんなところにいるの?
GWのお泊まり会から紗栄子と華が俺との距離感を一気に詰めてきた。休み時間になると俺の前の席の浜ちゃんを退かして俺の机に両肘をついて座る。顔近いわ。紗栄子は人懐っこそうに笑う。
「ねえ、チュウしよっか?」
周りの空気がザワッとなる。しねーし。
「そっか。ファーストキスがまだだよね。
いや。とっくの昔に済ませてますし、それに童貞ですらありませんし。
「ええっ!」
紗栄子より先に声をあげたのはサノちゃんとロリさんだった。
「裏切ったな!ど、どのメイドさんとやっちゃったの?まさか椿姫さん?」
なぜメイド限定なのだ? そもそもメイドという職業を侮辱するのはやめてくれ。
「じゃああのえっちい4人のメイドさんのうちの誰なの?」
だからメイドの仕事に性的なものなどない。(淫魔の場合は食事です)。いや、前の彼女だよ。
「ウソ!?彼女いたことあるの?二次元じゃなくて?」
異世界ではあるが異次元じゃない。
その時、真綾が物理の教科書で俺の頭をはたく。我ながら良い音である……っ、
「奏!下ネタ禁止!ほら、次、理科室に移動だから早くする!」
痛いよ真綾。なにも「物理」攻撃することないじゃん。真綾はフンと鼻で笑うと化学の教科書も見せる。
「なんなら次は『化学』兵器も追加しましょうか?」
結構でございます。そしてなぜ俺が攻撃を受けるの?
「裏切り者め……。金の力で女をモノにするとはなんてうらやま……けしからん。」
「なあナデちゃん。俺、マナさんでもいいんだけど。」
だーーーー、耳元でボソボソ言うな!お前ら淫魔のエサになりたいのか?敢えて言うと彼女たちにも選ぶ権利はあるからな。
教室棟から出て理科室のある管理棟へ向かう途中、ステラと
どうした、ステラ?俺が声をかけると彼女はびくりと身体を硬らせる。
「あの……まも…ぃぇ、動物を見かけませんでしたか?」
どんな?
「小さくて緑色で二足歩行なんですけどある意味肉食なんです。」
は?
「召喚の練習していたんですけど。1匹逃げられちゃって。」
どうやら召喚魔法で魔物を呼び出し配下にする練習をしていたが、呼び出した
探査魔法使えば?
「あの、ご先祖様の時代からの魔法なんで、新しいのは使えなくて……。」
あのな、ラノベ魔法三種の神器、「収納」「探査」「鑑定」は使えないと不便だぞ。
「私、異世界転生の経験ないですし……。それに鑑定は使えるんですよ。」
そこはなぜか得意げなのね。それに異世界に行っちゃダメだろ。じゃ、俺らも授業始まるから頑張って。俺たちが立ち去ろうとするとステラが俺の袖をつまんだ。
「その……お願いがあるんです。」
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