島国に来た【賢者】の物語。GWの『USAな』過ごし方。
私の名はノア・ミリガン。初代のジョン・ピアースが勇者のパーティで魔法使いを務めていた。その物語は壮大過ぎて本当かどうかはわからない。ただ言えることは私が育った恵まれた環境は彼が据えた礎の上に築かれているということだ。
私が得意とするのは金属を使った魔法である。西洋の四元素であれば「土」、東洋の五行思想なら「金」ということになる。私は五行思想を学べると聞いていたので日本に行くことにそれほど嫌ではなかった。
さて、最初の戦闘で、魔王は聞きしに勝る強さを持ち、とりわけ最後の攻撃は圧倒的であることがわかった。俺は今後の方針についてリアムに尋ねる。
「僕たちは未完成だが、魔王はすでに完成の域に達している。たった1年で僕たちが彼を上回るのは困難だ。しかしあの魔王はたった半年で全ての力を手に入れたという。僕たちも同じことはできないだろうか?」
どうやって?俺の訝しげな表情にリアムは自信たっぷりの顔を見せる。
「ロックフォード家には異世界から持ち帰った召喚魔法の魔法陣が伝えられている。それを使おう。強い味方を召喚して戦わせるのだ。」
ここは日本だぞ。ポケ●ンでも呼ぶつもりかよ。
「それが最も現実的な対処方法だ。俺は休暇をその修得にあたるつもりだ。お前は休暇をどう過ごす?⋯⋯いや、愚問だったな。」
俺は学校が休みの間に自室でトレーニングに励むことにしたのだ。筋肉は良い。筋肉は俺を裏切らない。鍛えれば鍛えるだけ俺に応えてくれるのだ。今日のノルマのセット数をこなし終えた頃、クロエとステラから連絡があった。クロエの提案とはせっかくの休みだから、みんなでバーベキューでもというものだった。
うむ、たいへん有意義な提案だ。ステラはさらに学校の皆も呼んだらどうかと加える。どうだろう、リアムは嫌がりそうだが。
「じゃあ魔王とバーベキュー対決とか。」
ステラはよく言えば天真爛漫、悪く言えば天然ボケなところがある。
さすがの魔王とはいえ、バーベキューで
「んー、そうなの?とりあえずリアムに聞いてみる!」
信じてられないことにリアムはその素っ頓狂とも思える提案に乗ってきたのだ。
「学校の皆を招待するのだ。魔王とて排除する必要はない。」
そして、辛辣そうな笑みを浮かべると言った。
「せっかくだ。会場は
⋯⋯おい。なに企んでいるんだよ?
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