下位カーストな【俺】の物語。GWの『ヲタクな』過ごし方。
「なにすんのよ、バカ。」
俺が腕を解くとそれだけ言って友人たちの元へ戻って行った。正直言って平手打ちの一発くらいは覚悟していた。
真綾の首筋に浮かんだ汗は俺の魔王の力をいとも簡単に引き出した。俺は真綾の体液、つまり血や汗や涙などにマーヤと同じ力が宿っている可能性に賭けたのだ。
俺は賭けに勝ち、勇者たちを退けることに成功したが、それは同時に俺の弱点が生み出されたことを意味する。これは敵の勇者たち、いや、真綾にすら気付かれてはいけない秘密だ。彼女の命が危ないからだ。守るべき者がまた一つ増えた。
それよりもゴールデンウィークだ。私立高校らしくがっつりと10連休なのだ。これは久しぶりに夜更かし、ゲーム三昧じゃないですか!
「ナデちゃん。ナデちゃん家泊まりに行って良い?」
いつもつるんでる陰キャ4人組から打診があった。いいけど。彼らは親との休みが噛み合わないらしく家族と出かけるのは5月に入ってからなので、前半3日は友人と遊び倒そうという。それも俺の家で。残念ながらお客様でも洋館には泊まれんのよ。それでもいいから、ということになったのだ。
俺のあだ名が「ナデちゃん」なのはクラスの女子にも一人「
「ハマちゃん」こと
「ニシさん」こと
「ロリさん」こと
「ヒロシ」こと
俺は貴重なゴールデンウイークの最初をこいつらのせいで浪費することになりそうだ。
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