陰キャ転入生な【俺】の物語。勇者が呼ばれた理由。
いきなりのお誘いかよ。俺は綺麗なメイドさんに付いていく。ポニテはやっぱりいい。うなじ白っ!マーヤも白くてまるで陶磁器みたいなうなじだった。
王宮の広間の扉かよってくらい立派なドアの前で真綾と合流する。ボディガードが扉を開けるとカフェテリアの生徒たちがどよめく。エレベーターのゴンドラは鏡張りで狭さを感じさせない。すぐドアが開くと、そこは柔らかな自然光に満ちた空間だった。
足を踏み入れると、絨毯ふっかふか!土足OK?⋯⋯いいんだね。そこは広々としたサロンになっていた。4つの大きなソファに彼らは座っていた。
「よく来てくれた。久々の学校生活を愉しんでいてくれているかな?魔王。」
リアムが偉そうな態度で言う。いや、それが彼の自然体なんだろう。
まあ、それなりにね。早起きさえなければ快適なんだけど。
「そうかね?君の家からわりと近くの学校を選んだつもりだが。それほど早起きが必要だったのかな?」
リアムの不思議そうな問いに俺の後ろで真綾が小さく首を横に振った。
ここでなぜ魔王には勇者がパーティを組んで挑むのか少し説明しよう。
魔王には魔族を従わせる力と人間を恐怖で支配する魔法を持っている。
魔族は名を与えることによって主従関係を結ぶ。いわゆる「楔名」だ。そして、魔王は群衆に対して恐怖を植え付けるための特殊な魔法が使えるのだ。
例えば相手の身体の器官の位置を自在に入れ替えられる「五体倒置」や地面を液状に変えて相手の身体を地中に沈める「地中海」が既出だが、これは魔法に耐性の無い者に対してのみ効果がある。だから普通の人間の軍隊は魔王に対して全く無力なのだ。
それ故に魔法に耐性のある装備をまとった勇者か、防御魔法が使える魔法使いでないと戦えない。だから勇者を召喚するのだ。
「我々は必ず貴様を倒す。」
リアムの宣言に俺は首を傾げる。一つ聞きたい。あんたらが魔王を倒す目的はなんだ?俺は俺と俺の眷属に敵するもの以外と戦うつもりはない。
「貴様に日本政府が払う1000億円の財源はどこか知っているのだろうな?」
おいおい、まさかのまさかか?
「そう、我が
いや、そこから出せとは言ってないし。
「日本人は我々の家畜だ。貴様は知らんのだろうが、牛泥棒は死刑と相場が決まっているのだよ。」
そりゃ西部劇の話だろ!くそ!戸泉め。ただの女子アナマニアと思いきや、とんでもないクセモノだよ!
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