第4章:陰キャ転入生な【俺】と陽キャ転入生な【私】の物語。

陰キャ転入生な【俺】の物語。「2年D組」

 2年D組か⋯⋯。俺が魔王【Demon King】だからD組なんだろうか?昇降口前の掲示板に張られたクラス分け表に生徒たちが群がり、思い思いの反応を示していた。


「同じクラスね。そう言えば小中高一緒だったけど、同じクラスになったのは二度目だね!」

 そうだったっけ?はしゃぐ真綾を尻目に俺は辺りを見回す。女子のスカート丈が随分と短いなぁ。しかも女子率高い。名簿でも男子は1/3くらいだろう。男はみんなマッシュルームみたいな頭をしてリップで唇をツヤツヤにしてる。こういうやつは魔王でなくてもぶん殴りたい気はする。名前に「国際」がつく学校に一流無しというジンクスは当たらずとも遠からじのようだ。もっとも俺的にはこれくらいで丁度いいのだが。


 そこにリムジンが次から次へと学校に乗り入れる。噂の転入生、いや留学生たちである。全く、道の狭い東京でムダにでかい車だ。レッドカーペットを敷かないだけましか。


 そこにリアム・ロックフォードをはじめとした勇者パーティが降り立つ。まさに「降臨」という感じだ。ただ勇者一行と言っても普通にブレザーの制服である。


 周りの生徒たちがざわめく。校長と思しき年配の教師が最敬礼で迎えていた。

「あの人たちだよね?」

俺は真綾の問いに頷いた。


 しかし、格好が普通だけにやつらの美形度がさらに引き立つ。しかもそれぞれ執事やメイドたちを連れているのだ。お付きの者たちは真綾と違いこの学校の生徒では無いのだろう。


いずれにしても俺より目だってくれてありがたい。


 俺が真綾と共に教室に入る。アニメのようにいきなり席が隣り合わせということはない。名簿順だからだ。


「奏、『2の川』なんだ?」

てっきり隣合わせだと思っていた真綾が意外そうに言う。

「『2の川』?」

周囲の男子が反応した。真綾、その席の呼び方は埼玉県民あるあるだから。


「ああ、君たちが転校生?⋯⋯噂じゃ『ない』方の。」

坊主頭の男子生徒だ。

「ああ、埼玉の西和台高校ってとこからね。俺は高山奏。よろしくな。」

「俺は浜野。俺も秩父から通ってんだ。だから西和台は知ってるよ。もしかしてこちらは彼女さん?」

真綾はかぶせるように否定する。

「違うわよ。こいつはただの幼馴染。私は三橋真綾、よろしくね、浜野君。じゃあ奏、また後でね。」

そう言って自分の座席へと戻っていく。


 俺はすぐに浜野を含む「陰キャグループ」と仲良くなった。類は友を呼ぶってやつだ。





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