転生した【俺】の物語。今を生きるということ。
俺たち5人、いや、マーヤを入れて6人のパーティは順調に任務をこなしていく。5人の力を最大限にに発揮させるために必要な宝具を揃えるため、次々にダンジョンを攻略していったのだ。
最初のダンジョンでジャスティンは魔杖「ヴァナルガンド」を手にした。2番目のダンジョンで健介が神杖「ケリュケイオーン」を手に入れる。3番目のダンジョンでエリーが魔銃「カラミティ・ジェーン」を……、といった具合だ。
慣れない異世界での移動生活は俺たちの人間関係にも大きな影響を及ぼす。
沈む夕日に向かう馬車に揺られながら、御者台に座る健介とエリー。二人は親し気に肩を寄せ合い、健介の肩にエリーが頭をもたれかける。二人は互いに意気投合し、いつの間にかラブラブカップルになっていた。
「村に着いたぜ。ここからは大人の時間の始まりだ。」
トニーはイタリア人らしく自由恋愛をむねとし、村の少女から人外の魔物に至るまで、美女とみれば礼儀とばかりに口説き始める。
みんな、懸命に「今」を生きているんだ。
問題は俺とマーヤとジャスティンだった。正確には姫を含めた4人の関係だった。俺はマーヤのことを愛し始めていた。一方マーヤは「半魔族」の血のゆえか俺との愛を深めるのに躊躇していたのである。
そしてジャスティンはリリアーナ姫にご執心だ。ただ、俺たちを召喚した姫様は勇者である俺と結ばれる気でいるらしく、度々モーションをかけてくる。俺も異世界人グループのリーダーという立場上、姫を無下にもできないでいた。
この複雑な関係が悲劇的な結果を生むのは俺たちが魔王を斃した後のことだった。
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