第16話~恋って~

 蜂蜜色の空と蒼

『第33話』

 男の子は単体でも手を焼くのに複数になると馬鹿になる。

 そんな馬鹿な2人はいつも秘密の場所で遊んでいた。


 今はもうマンションが立っているけど、そこには昔、古いパチンコ屋さんがあった、数年前に閉店して廃墟と化したその場所はもちろん立ち入り禁止だ。


 小学五年生の男子にとってそんな場所は魅力的に決まっている。


 割れた窓から入りこみ

 持ち寄ったお菓子を食べたりゲームもした、二人の秘密の場所が楽しくてしかたなかった。

 さすがにパチンコ台は電気が通っていないので遊べないけど、広いホールを探検するのは楽しくて仕方なかった。



 その秘密基地にある日侵入者が現れた。

 隣のクラスにいる女子「山口はる」「松原綾音」


 こそこそと入る姿を見られていたみたいだった。

「ここには入ったら駄目だって先生からも言われてるでしょ!お母さんたちも早く取り壊して欲しいって言ってたでしょう?」

 その時期の女子は強くて怖い母親並の怖さだと思う。

 反撃開始だ「お前たちも今入ってるんだぜ、同じだよ」


「そうだよ同罪だ!」ヒロムが援護する


 はると綾音はヒソヒソと2人で話し合っていた、「じゃあ先生には秘密にしておくから私たちも仲間に入れて!」


 その日から2人の秘密基地は4人のものになった、綾音は習い事が多くて時々抜けたけど、放課後の短い時間、広夢とはると俺はその秘密基地で色んな事を話し合った、嫌いな先生や同級生のこと、不味い給食のこと宿題のこと何でも話した。

 秘密を共有することがこんなにも刺激的なものだったのかと思った。

 広夢は土日はサッカーの練習で遊べることがなかったし、綾音もバレエやピアノの発表会などで来れないことが多かった。


 習い事をしていない蒼とはるはいつもの秘密基地で二人で遊ぶことが多くなってきていた。


 蒼とはるはこの頃から引かれあっていたのかもしれない




 広夢が死んだなんて信じられなかった、次の日の朝、はるは病院に駆け付けたのだが

 それは別れた恋人との再会でもあった。

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《応援コメント》

 男の子たちは秘密基地が好きですよね。

 どうしてそんなに夢中になれるのですか?



《返信コメント》

 男子の通る道なんですよ

 しかたないです

 許してあげて下さい。


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 あの日Cafeこもれびで楽しく笑いあった蒼はここにいる、なんであの時に連絡先を聞かなかったのだろう、そして何故教えて欲しいと言ってくれなかったんだろう。




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