第7話~真理亜と拓斗~
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何気ない日常が書かれた「秋山 創真」の作品を見つけたのは近況ノートだった。
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初めて投稿します。秋山 創真
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たくさん書かれた近況ノートが多い中で、伝えることはたったそれだけ?
その言葉だけで興味が湧きこの作品を読んだ真理亜は更新日には必ず読んでコメントを残すようになっていた。
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あの日からまだ3日しかたっていないのだとぼんやり考えている。
何事もなかったように、朝を迎え仕事に行き仕事が終わるとこの部屋に帰ってくる、いつも通りの日々
変わったことといえば、恋人からの連絡が無くなったことくらいだった。
正確には着信拒否しているのだけど…
次の日に拓斗は真理亜の部屋の扉を叩いた
あの日の彼女との事を否定もせず、謝り続ける彼を不思議に静かに見つめていた。
まるで風船を飛ばすかのように手を離したのだ…一度舞い上がった風船は戻らないし
もういらないのだと自分に言い聞かせた
出会った頃のことも、初めて抱かれたことも楽しい思い出も、全て空に舞った。
『やり直したいんだ、信じて欲しいんだ』
何度も言い続ける拓斗に誕生日にもらっていた指輪を返した。
それが答え…
真理亜の精一杯の答えなのだ
静かにドアを閉める音と聞きなれた足音が遠ざかっていくのをひとりの部屋でしっかりと確かめた…もう涙は出なかった…
ずっと前から二人の間にさざ波が立ち始めていたことに気づいていた。
そんな日にプロポーズされたけど、その時はやり直すことが出来ると思ってた。
「拓斗…浮気した時はぜったいに何があっても認めちゃダメなんだよ、嘘をつき続けなきゃダメなんだよ…どこまで正直なの?」
あの満月の夜私が先に死のうとしていたら、蓮くんは止めたのだろうか?
「きっと、止めたはずだよね……」
小さくつぶやいた
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