第2話 落ちぶれたジャック
「あー!誰か助けてー⁉」
僕は声を限りに叫びました。
すると、川で洗濯をしていたお婆さん。
「あれ、何か流れて来たわいさ。きっと桃に違いない」
お婆さんは目が悪く色が良く分かりません。
欲張りのお婆さんは、洗濯物も放り出し僕を助けてくれました。
「何処のどなたか存じませんが、お蔭で命拾いをしました。このご恩は決して忘れません。何時か僕が王様になったら、きっとお礼をさせていただきます」
僕は真心を込めてお礼を言いました。
するとお婆さんは僕にニッコリ笑いました。
「いやいや、そんな気を使わなくても。でも、お礼は何時かと言わず早速いただきます」
お婆さんはにんまりとしました。
「ああ、この桃を持って帰って爺さんには言わずに全部一人で食べてしまおう」
それを聞いて、僕は大変は驚きました。
「え⁉ ぼ、僕を食べてしまうんですか⁉ 何とひどい、そんな無茶な。そんなことが出来るんですか、お婆さん?」
「はいはい、この婆はこう見えてもまだ歯が三本残っているのじゃ。それにお前は柔らかく、歯がなくてもペロリと食べてしまえるぞい」
お婆さんは鼻の孔を膨らませスーッと僕の臭いをかぎました。
「うんこじゃないか、この野郎!」
お婆さんは怒って僕を地面にたたき付け帰ってしまいました。
僕の見事なとぐろは台無しです。
僕はビチビチうんこになって、落ちぶれてしまいました。
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