うんこのジャック
トチシュン
第1話 うんこジャックの旅立
僕うんこ。生まれたてのホッカホカ。今朝お父さんの快便で生まれたの。
うんこは何といってもとぐろが命。僕は見事なとぐろ巻き。お父さんが健康な証拠なの。
もし僕が色白だったら、きっと子供たちはソフトクリームと間違って、ぺろりと舐めてしまうの間違いなし。そしてきっと「まっずー!何これ?」というだろう。
でも僕はスタンダードな、品のある格式高いうんこ。誰も僕をうんこ違いなどする筈はない。多分、うんこ侯爵くらいにはなれるはず。しかし僕の望みはうんこの王様。
でもそのためには誰もが認める素晴らしいうんこの女の子、うん子ハニーをお嫁さんにし、結婚しなければなりません。それがうんこ社会の厳しい決まり。
世界の何処かにいるという、とっても可愛いピンクのうんこハニー。僕は彼女を見つけ出し永遠の愛を誓い結婚するのだ。
そして二人の愛の力でストロベリーとチョコレートのミックスソフトクリームとみまがうばかりの凄いとぐろを創るのだ。
お父さん、僕はお嫁さん探しの旅にでます。産んでもらってありがとう。きっとうんこハニーと巡り合い僕は幸せになります。探さないでください。
生まれ故郷を飛び出して、僕はうんこハニー探しの旅に出た。そして野を越え谷を越えた。そこで気が付いた。
そういえば、僕にはまだ名前がない。お父さんに付けて貰いたいところだが、お父さんは僕を産むと、ふーッと気持ち良さそうに「あーすっきりした」と言ったなりそれっきりだ。
やっぱり名前がないと何かと不便に違いない。ここは自分でつけよう。
よし、僕は今からジャックだ。うんこジャック。いい名前だ。
僕はキラキラと美しい小川の前に立った。この川の向こうには、きっと僕の探し求める真のうん子レディ、ピンクのうんこハニーが居るだろう。
僕はまだ見ぬうんこハニーを求めて、思い切って小川に飛び込んだ。
「あーれー!!!」
僕は見事に流されました。
お父さん、先立つ不孝をお許しください。
うんこのジャックは、こうして水に流されてしまいました。
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