どうやって生まれる?

SIDE ラガス


「それにしても、とんだ厄介なモンスターが生息していたものですね」


「確かにそうだな。一体でもBランクモンスターや複数のハンターを倒せてたって考えると……ここで倒せておいて本当に良かったな」


どういった経緯であんなエルダーリッチが生まれたのか知らないけど、割と……冗談抜きで強かった。


エルダーリッチ一体だけならまだしも、あそこまで多くのアンデットモンスター、元ハンターを従えてたと思うと……ちょっとぞくっとするな。


「いやぁ~~~、本当にラガスさんたちと一緒に行動してる時に遭遇出来て良かったぜ」


「エルダーリッチだけでも本当にギリギリだったのに、他にも結構ヤバいアンデットになったモンスターもいたし……私たちだけじゃ、どう考えても死んでたよね」


「フィーマの言う通りね……というより、あれだけエルダーリッチが多くのモンスターやハンターをアンデットにして従えてたのを考えると、ブロンズランクのハンターたちでも討伐するのは厳しいでしょうね」


「それを考えると、本当にラガスさんたちには感謝しかありません」


「もう感謝の気持ちは受け取ったぞ、ヴェルデ」


とはいえ、ファールナの言う通り仮に遭遇したのがブロンズランクの高ランクハンターたちでも、半分は討伐出来ても……親玉であるエルダーリッチの討伐は難しいだろうな。


シルバーランクの冒険者たちでも……割と安全とは言えないだろう。


「でもあれだよな。ラガスさん…………結構無傷だよな」


「アンデットに、聖なる攻撃は有効打になるだろ。アンデットでなければ、もっと苦労していたかもな」


ひとまず解体を済ませ、まだ日は沈んでないが、街に帰還。


元々Bランクモンスターをレグディスたちの力で討伐するのが目的。

四人も疲れが溜まってるだろうから、更に探索するメリットはないと言っても良い。


「Bランクモンスターやハンターをアンデットにし、従えるエルダーリッチ、ですか……」


俺たちからの報告を受けた受付嬢は非常に難しいを顔をし、別の部屋へと案内された。


「っ…………ふぅーーーー。討伐して頂き、誠にありがとうございます」


証明の為にアンデットにされていたモンスターの素材や、元ハンターが身に付けていたギルドカードを提出。


反応を見るからに……もしかしたら、知り合いのハンターのギルドカードがあったのかもしれないな。



「…………」


「何難しい顔してるんすか、ラガスさん」


「……シュラ、お前はどうやってエルダーリッチが生まれたと思う」


「エルダーリッチが誕生した理由っすか?」


「そうだ」


エルダーリッチはゴブリンやコボルトのキングとかと同じく、そう簡単に誕生する個体ではない。


勿論自然発生する可能性はあるんだろうけど……。


「…………解らないっす。普通に生まれるか、強い怨念? を持った魔法使いタイプの人がアンデットに生まれ変わったりするんじゃないっすかね」


「そうだよな。そう考えるのが普通よだな……」


俺の考え過ぎか? それならそれで良いんだが。


あのエルダーリッチ、動けはするんだろうけど人の言葉とかは喋ってなかったから、強い怨念を持った魔法使いが元ってことはない、か。


「また難しい事を考えてるんですか?」


「ちょっとな……まっ、未開拓地で起こった事って考えれば、未開拓地だからって理由で納得出来なくはないけどな」


「大雑把過ぎる考え方ではありますが、ムキムキ過ぎるリザードマンや、同族に刺青を施すシャーマンコボルトなどがいる地域と考えると、ある程度そういった理由で納得してしまってもおかしくはありませんね」


「……だよな」


とりあえず、一旦これ以上考えるのは止めよう。

これからレグディスたちがエルダーリッチを討伐した打ち上げだ。


面倒かもしれない話は、後回しだ!!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る