そっちだったか
「うわぁ~~~、こう来たか」
Bランクモンスターを探し始めて……計八日後、ようやった目的のBランクモンスターに遭遇できた。
ただ……そのBランクモンスターに色々と問題があった。
「ラガス坊ちゃま、ボーっとしてる暇はありませんよ!!」
「へいへい、分かってるよ」
その遭遇してしまったモンスターとは、Bランクモンスター……エルダーリッチ。
簡単に言えば、魔法が超得意な骸骨の魔術師。
そんな骸骨の何がヤバいかと言うと、単体でも十分強いんだけど、場合によっては単体で行動してるんじゃなくて、大量の取り巻きを連れている。
「お前ら! エルダーリッチだけを狙え!!! 他のモンスターは気にするな!!!」
「助かるぜ、ラガスさん!!!!」
「ありがとうございます!!!」
「ありがとーーーーっ!!!!!」
「恩に着ります!!」
さて、こっちはこっちで頑張らないとな。
「ラガスさん!! どんな感じで戦いますか!?」
「各自、あいつらに被害が及ばない、あいつらの戦いに邪魔が入らないように戦ってくれ」
「了解っす!!!!」
Aランクモンスターが徘徊してるのでは? という予想が外れてくれたのは嬉しかった。
ただ、このエルダーリッチ……かなりのモンスターを殺していたようだ。
「「「ッ!!!!!!!」」」
「……やってくれるな、あいつ」
加えて、アンデット化されたのはモンスターだけではなく。
エルダーリッチが従えるアンデットの中には、ハンターだったらしきアンデットも多くいる。
疲れと痛みを知らない、アビリティが充実してるアンデットとか……クソ最悪過ぎる。
「ラガス坊ちゃま、倒し方はどういたしますか」
「……気にする必要は、ない。あの人たちも、万が一同業者を殺してしまう方が心苦しいだろ」
「了解です」
アンデットの中にはBランクモンスターも含まれてるが、俺たちが固まって動けば、そこまでの脅威にはならない。
「アォウッ!!!!!」
「そうはさせるかっての」
エルダーリッチの援護をしようとするアンデットの行動は、俺とルーフェイスが主に潰す。
ルーフェイスのスピードと俺の魔弾による狙撃があれば、大抵の遠距離攻撃は潰せる。
「時短でぶっ潰すぜッ!!!!!!!」
どうやら、シュラもここは時間を掛けて楽しんで良い場所ではない事を理解してくれてるようだな。
魔闘気、鬼火を纏い、全力で潰しに掛かる。
「やはり、アンデットには聖なる攻撃が一番ですね」
メリルにとって毒が意味をなさないアンデットは、本来超苦手の相手。
いや、なんか最近、酸性の毒? 溶かす系の毒? を上手く扱えるようになったって言ってたし、割とそうでもない……のか?
とりあえず、墓場で戦う為に購入した光属性が付与されてる双剣で元気に斬り裂いてる。
数が数だから、もっと後方支援に徹するかと思ってたけど、もしかしてメリルはメリルで……ちょっとテンションが上がってるのかも。
「斬っちゃえば、関係無い、よね」
セルシアはいつも通りスピードをメインに強化して、切れ味抜群の雷剣でぶった斬り続る。
骨は骨で堅いんだろうけど……本来ある筈の肉や鱗、毛皮がないと防御力は下がるからか、予想以上にハイペースでばっさばっさと切断してる。
というか、あれだな……俺は俺で光弾、聖弾に頼る形になるな。
貫通力を高めた魔弾も確かに通じるけど、割と元ハンターのアンデットが相手とかだと、反応されて落される。
時間差を付けて撃ったとしても、技術力が高いアンデットだと流麗な動きで全部切り落とされる。
あの元ハンターのアンデット、エルダーリッチがタイマンで殺した訳じゃないよな?
基本後衛タイプであるエルダーリッチがあれだけ技術力があるハンターと、その仲間らしき元ハンターを同時に討伐出来るって思うと…………とりあえず心配するほどの悲鳴は聞こえてないから、心配するのはまだ早いか。
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