どの辺りが変わった?
「…………」
いやぁ~~~、見事に固まってるよ。
普段は表情が読みにくいのに……もう、あいつギャグだろ!
駄目だ、本当に面白過ぎる!
今すぐ地面に転がりながら爆笑したい!!
「な、なぁ。あいつ、あの頃から変わらずあれなのか?」
「そうだね……残念ながら、その通りだよ」
フォロスの呆れ顔を見る限り、マジなんだろうな……はっはっは!!
いや、見てる分には本当に面白い!!!
「……無理だから、諦めた方が、良いよ」
辛辣すぎるよ、セルシアさん!!!
面白いんだけど……はは、面白過ぎるけど! 超辛辣!!
そこは嘘でも頑張ってねって言わないんだな。
それがセルシアらしくはあるんだけど……もう、周囲の空気は地獄だよ。
「安心してくれ。今の俺は、あの頃の俺とは違う」
ぶはっはっはっはっは!!! だ、駄目だ。は、腹がねじ切れそう!
確かに、視た感じあの頃よりは強くなってるだろう。
実力的には強くなってると思うけど……お、俺がいる前でそんな事を本人に言ってしまうって時点で、あの頃と全く変わってないって!!
「ら、ラガス。パートナーとして、あいつを殴らなくても大丈夫なのか」
「へ? いや、ははは……今殴ったら国際問題になりそうだし、実際にぶつかるまでは放っておくよ」
そんな事より、今はセルシアがどう返すのかが気になる!!!
「頑張った、とは思うけど、私もラガスも、変わらず頑張ってる」
そうだな。
偶に先生たちから、お前らちょっとは休めよって言われるぐらいには頑張った。
俺は魔靴を造ってたりしてたから……いや、働いてるから、休んでるとは言えないか。
「だから、それは無理だよ」
真面目に頑張り始めた時期の差的に、私たちに追い付くのは無理だよ、って事だな。
他方面に喧嘩を売ってるかもしれないけど、ゲームみたいに明確な限界値がある訳じゃないし、まだまだ伸び盛りではあるから、間違ってはないんだよ。
「大丈夫だ。言った通り、俺はあのころとは違う」
「……そう」
あっ、めんどくさくなって、会話を放棄したな。
「なぁ、あの王子様、トーナメントで負けたらどうなる?」
「いやぁ~~~……発狂するかもしれないね」
でしょうね。
あれだけカッコつけて、セルシアを手に入れる宣言しといて負けたら……仮に俺がバカ王子の立場なら、本気で死にたくなる。
いや、なんかポジティブになってるし、もしかしたら「まだまだこれからだ。チャンスはこれからもある」的な考え方をするか?
最終学年だから、もうこういった場でのチャンスなんかないんだけどさ。
とりあず、セルシアとバカ王子の一悶着? は物理的にぶつかり合うことはなく終了し、開会式が始まった。
あまり長々しい話はなく、眠気が起こることなく終了。
そして、まずは個人戦のトーナメントが発表された。
ぱっと見た感じ、バカ王子が俺とぶつかり合うには、決勝戦まで来るしかなさそうだな。
セルシアとぶつかるにしても……かなり上の方までいかないと、強くなったという実力を証明するのは不可能。
その前に、レアードとぶつかるな。
どうなるだろうな……まっ、個人的にはレアードに勝ってほしいという気持ちしかない。
「順当に進めば、ラガスの弟があの第三王子と戦うことになるな」
「だな……うん、楽しみだな」
体格的には、やっぱりバカ王子が有利。
一応経験数もあっちが上……か?
俺が実家を出てから、セリスと一緒に何度もモンスターを狩ってるって言ってたし……ぶつかり合う時の状況にもよるか。
レアードの奴、セリスっていう接近戦が大得意な奴と何年も一緒にいるから、歳不相応に近距離攻撃を捌いたり対応するのが上手くなってるからな。
俺やセルシアが潰す前に、レアードが潰してしまうのも全然ありだな!!
「ところで今の試合、どっちが勝つと思う」
「ん~~、どっちだろうな」
金は掛けず、お互いの出番が回ってくるまで、試合の勝者を予想しながら時間を潰し続けた。
そして大事な初戦は、俺たちやバカ王子も無事に突破した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます