影響がゼロではない?
「ちょっと休憩するか」
双子と一緒にモンスター狩りを始めてから数時間が経ち、昼食を食べるには丁度良い時間。
二人やニルナ、エルシャが狩ったモンスターの肉を焼き、昼食にする。
「二人とも毎日こんな感じの生活を送ってるんだよな」
「そうですね。二日に一日……最低でも三日に一日ぐらいはこうして森の中に入って、モンスターを狩ってます」
やっぱりそうなんだな……傍から見れば散々無茶してた俺が思うのもあれだけど、二人とも……二人に付いてるニルナとエルシャも結構無茶してるよな。
Cランクのモンスターを発見しても、無謀にも挑まない点は偉いと思う。
でも俺は転生者だから無茶しても大丈夫って認識だから、無茶を無茶と思ってないけど……二人はどっからどう見ても転生者じゃないからな。
レアードとセリスだけじゃなく、従者の二人も強いのは分かってるけど……いや、思うだけにして口に出すのは止めよう。
どうせメリルに「少しでもその様なことを考えているのであれば、私やザハークを心配させるような行動はしないでください」って小言言われそうだしな。
「さすがにお二人とも雨の日は家で大人しくしていますよ」
「そりゃそうだろうな。というか、さすがに雨の日は父さんと母さんが森の中に入ってモンスターを狩ることを許さないだろ」
俺の時でも二人から雨の日は止めとけって言われた。
こっそり家から出て森に入ったりせず、大人しく家で錬金術の勉強や実戦をしてた。
「まぁ、雨が止んだ日にはお二人共外に出て今日と同じ様にモンスターを狩っていますけどね」
「雨が止んだら外に出たくなるだろうな」
「ラガス坊ちゃま、簡単に言いますが雨が降った日の翌日は非常に足場が悪いのです。そんな場所を走ってモンスターと戦おうとする主人を私たちが心配していないと思ってるのですか」
「えっ、いやぁ……それは、ほら…………うん、ごめん」
メリルの威圧感に負けて謝るしかなかった。
確かに雨が降った日の翌日の足場は悪い。
でも、ハンターとしての活動を始めたらそんな泣き言を零してられないし、なんなら雨が降っている日に動かないといけない場合もある。
だから今のうちにそういった状況に慣れておいて損はないんだけど……そんな事を言い返したら直ぐに反撃されそうだから黙っておこう。
メリルから言われたからか、レアードとセリスも困った表情になっていた。
「にしても……セリスは母さんからもっとお淑やかにしなさいとか言われないのか?」
「うっ……偶に、ちょっと言われるかな」
「はは、そうだよな」
でも、偶にってことはあまりそういう部分を母さんは娘に求めてないって証拠か。
なんだかんだで姉妹の中で一番令嬢らしいのは長女のクローナ姉さんだしな。
そのクローナ姉さんも、怒れば相手が貴族の令息であっても容赦しないらしいけど。
「ラガス坊ちゃまが自由奔放過ぎるせいで、セリス様がそういった事に関して興味を持たなくなってしまったのではないのですか」
「いや、そんなこと……セリス、真面目なところ、どうなんだ」
「え、う~~~~ん…………ゼロとは、言えないかな」
そ、そうか……でも、これって俺が悪いのか?
ぶっちゃけ、俺が関わっていなくてもリゼード家の人間は基本的に戦う道に進みそうな気がするんだが……カロウス兄さんの子供がどんな道に進むかで、そこら辺が断定できそうだな。
「まぁ、多少ラガスさんの影響はあるかもしれねぇけどよ、やっぱり俺はリゼード家の血がそういう道に進ませようとしてるんじゃないかと思うぞ、メリル。セルシア様もそう思いませんか」
「……その可能性は、大いにある、と思う」
「むっ……そうかもしれませんね」
おっ、セルシアにそこを突かれてメリルが押し黙った。
やっぱりそれが要因という可能性は十分にあるよな。
『ねぇ、ラガス。モンスターが近づいてきたよ』
『マジか。どんなモンスターか分かるか』
まだ食べてる途中だし、できればもう少し後が良かったな。
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