こう言えば……
「はぁ~~~~、ようやく着いたな」
長旅が終わり、ようやくパートナー専用寮に戻ってくることができた。
ドレッグさんたちとは魔靴を造る約束をして別れた。
今回の旅に同行する近衛騎士をドレッグさんたちにしてくれた点は、本当にアルガ国王に感謝してる。
できれば第三王子からの願いを断って欲しかったけど……やっぱりその報酬として貰った物の内容を考えれば、メリットの方法がやや上か。
セルシアも紫電崩牙なんて超、超超超名剣を報酬として貰えば、わざわざ隣国まで行ったのもありだって思ってる……よな?
結局セルシアが第三王子と顔を合わせることはたった一度しかなかった。
それに顔話合わせても全く喋らなかった訳だし、そこまでストレスじゃなかった筈だよな。
というか、俺的にはあんなにセルシアに対してご執心過ぎる奴がいるって知れて良かった。
ひとまず学校を卒業するまで基本的に会うことはないだろうけど、もしかしたらいつか俺たちを狙って襲ってくる……あるいは何か仕掛けてくる可能性が少なからずある。
「王族なんだからもう少し自分の立場を自覚するべきだと思うんだが……王族ゆえにそこら辺が緩いというか、傲慢に育ったのかもしれないな」
王族に限らず、そこは権力者の子供特有の部分か。
ヤバい度合いでいえば、校内戦で薬物を使用してでも俺に勝とうとしたバカも大概だったな。
……今回は挑んできた馬鹿をボコボコにするだけで済んだけど、これからそういったクソバカたちが来ないって可能性がゼロではないし……やっぱり警戒し続けないと駄目だな。
「ラガス坊ちゃま、入ってもよろしいですか」
「あぁ、大丈夫だぞ」
晩御飯か?
でもまだ時間的に早いよな。
というかシュラまでいるし。
もしかして急遽予定が変わって、今から王城に来てくれっていう連絡でも来たのか?
さすがに今日は休みたいたんだけど……まぁ、軽く話すぐらいだし構わないか。
「ラガス坊ちゃま、一つお聞きしたいのですが帰りの馬車の中で話していた、アルガ王国とガルガント王国の学生同士で戦う……その案を本当にガルガント国王様に提案するのですか」
「……二人とも、もしかしてそれが本当か冗談かを確認しに来たのか?」
「えぇ、その通りです。加えて言えば、私たちにも参加の機会を頂きたいかと思いまして」
メリルとシュラにも参加の機会……正確に言えば、メイドや執事以外にも参加する機会が欲しいってことか。
「えっとな、そもそも俺としてはその大会について提案するかどうかは迷ってる」
「こちら側が……ラガス坊ちゃまが圧勝してしまうから、ですか?」
「ま、まぁそうだな。傲慢かもしれないけど、タイマンの勝負であれば負けないと思ってる」
仮に開催するとしても、今年中に開催ってのは難しいだろう。
でも、細かい部分や会場などを諸々決めるとしても、一年半から二年ぐらいあれば全て決め終る筈。
そうなれば、絶対に俺やセルシアは参加する訳だ。
向こうは知らないだろうけど、リーベという最近急成長した隠し玉だっている。
来年の大会では大暴れしそうだから、隠し玉にはならないか。
あと、確か俺が三年生になるまでに副騎士団長の息子が入学するだろうから……どんな内容で戦ったとしても勝利、優勝は俺たちが掻っ攫う。
それは向こうも解ってるだろうから、なんやかんやで俺が在学してる間は開催し無さそうな気がするんだよな。
「そうかもしれませね。ですが、対決内容を増やせばラガス坊ちゃまが参加しない対決もあるでしょう。そうすれば、他の生徒たちの見せ場も用意でき、アルガ王国が勝利を得られる可能性も増えるでしょう」
「……かもな、属性魔法専用の対決とかなら俺は……優勝するのは難しいか?」
一応音魔法があるから、そういった内容であっても参加は出来る。
けど、賭け事とかも行うのであれば、俺が参加しないトーナメントとかがあった方が良いか。
「あの、アルガ王国が乗ってくるか来ないかで問題になれば、ラガスさんにボロカスに負けるのが怖いのかって聞けば、多分乗ってくると思うんすよ」
シュラ……お前、意外とそういうことを考えられるんだな。
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