屈むな屈むな
特別訓練場で訓練をした翌日、二つ目の選択授業である錬金術の授業である。
授業を受ける教室に入ると人数は少ないんだが、凄い俺に視線が集まった。
どうやら俺とジークの模擬戦を見て完全に武闘派の人間だと思っているのか?
まっ、そもそも貴族の中で錬金術を扱う人が少ないよな。
「あら、あなたは確かラガス・・・・・・リゼードだったかしら?」
「はい、どうも。ラガス・リゼードです」
「貴方も錬金術に興味があるの?」
錬金術を担当する教師はそこまで露出が多いわけではないが、スタイルが良く出来る教師のような雰囲気を出しており・・・・・・色気がパナイ。
なので出来るだけ顔を見て話す。
「興味があるというか、領地で錬金術を扱う人に学んでたんでさらに知識を広げられたら良いなと思って」
「へぇ~~~、珍しいわね。確か貴方の両親は元ハンターなのでしょう。代々錬金術を扱うという家系で錬金術を習っているなら解るけど、人やモンスターと戦っている方が楽しいんじゃないの?」
「楽しいというか、それは確かに否定しないですけど錬金術で何かを作るのも楽しいですよ」
それ相応の技量があれば、何かを作るって感覚は結構楽しいものだと思うんだけどな。
もちろん自由に趣味としてやる分にはだけど。
バルンク様の魔靴を造る時は完全に仕事だったから辛かったけどな。
「そうですか・・・・・・それなら、もし良ければですが、今度私に貴方の作品を見せてもらっても良いですか?」
それは構わない。構わないんだが、目線を合わせようとして屈まないでくれ。
豊満な胸が目に入る。
「は、はい。それは構わないですけど。それでは」
なんかまた変に視線を集めてしまったな。
「よく耐えましたね、ラガス坊ちゃま」
「メリル、俺をなんだと思ってるんだ。普通に男なんだから反応してしまうだろ。よっぽど草食じゃない限りな。なぁ、シュラ」
「俺に振るんですか!? まぁ・・・・・・ラガスさんの言う通りかと思うっす」
ほら、普通は反応してしまうもんなんだよ。好みは解れるかもしれないが、男の本能的な部分は逆らえないもんだ。
おねぇは話が別だけど。
「ところで、どういった作品を渡すのですか?」
「・・・・・・作品自体は既に身に着けてるが、流石にこれは見せたくない」
生徒の個人情報をバラすとは思えないけど、やっぱり魔靴を造れることは内緒にしたい。
「普通にポーションで良いんじゃないか?」
「妥当な選択ですね」
メリルもラガス同じく錬金術を使えるが、ポーションを造る腕はラガスとそこまで変わらない。
ちょっと優秀な新人。そんな程度の作品なので見せても特に驚かれることは無い。
「好成績が欲しい訳じゃないからな。知識が増えればそれで良い。錬金術は仕事じゃなく趣味の範囲だからな」
「趣味の範囲であんな物は作れないと思うっすよ、絶対に」
「アホか。趣味だって極めれば凄いもんになるんだよ」
まだまだ全然極めたって言えないけどな。
「そろそろ授業が始まりますよ」
「へい」
まだどんな項目で評価されるのかは知らんが、先生の授業はある程度ちゃんと聞いておかないとな。
普段の授業態度はぶっちゃけ評価に入らないと先生は言った。
えっ、マジですか?
一割も評価に入らないとはかなり自由だな。
真面に受けずに、どんな魔道具を造るかを考えて全然話が入ってこなくなるかも。
点数が悪い時に赤点を避けるための評価としては加点する、か。
んで、ペーパーテストと実技試験が十割を占める。
後は例外として自信満々の自作が出来た場合、それを先生が見て加点する場合もある・・・・・・本当に評価の仕方が自由だな。
最後に関しては絶対に自分の欲求が入ってるやろ。
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