退屈
朝の日課の訓練も終わって今日はメリルと父さんと一緒に街を散策。
王都と一緒で活気がある。
それにやっぱりいろんな種族の人がいるな。
さっきのは竜人族で合ってるのかな?
「今日は随分と機嫌が良さそうな顔をしているなラガス」
「俺、いつも機嫌悪そうにしていますか?」
確かにいつもニコニコしてる訳では無い。でも、眉間に皺を寄せて不機嫌そうな表情もしていないと思うんだけどな。
「いいや、そういう訳じゃない。ただ何か新しい事を思いついたり、目的が出来た時以外はつまらなそうな表情をしてることが多かったからな」
「・・・・・・メリル、俺っていつもそんな表情をしてるのか?」
「そうですねぇ・・・・・・旦那様の言う通り、何か新しい事に挑戦している時以外などは、比較的つまらなさそうな表情をしている事が多いかと。まぁ、ラガス坊ちゃまの性格を考えると変わらない日々の生活は退屈に感じるかもしれませんね」
変わらいない日々の生活か。確かにゲームも漫画も無いこの世界では特に変化のない生活は無意識に退屈だと感じてるのかもしれない。
転生者の俺に限った話ではないかもしれないけど、前世の娯楽を知っている俺にとって変わりない日々は暇で退屈、だから何か刺激が欲しいと思うのは必然か。
「安心しろラガス。学校に入学すれば友達も多く出来る筈だ。退屈と感じる時間は今よりも一気に減る。それに卒業したらハンターになるんだろ? だったら尚更退屈を感じない生活が送れるぞ」
そうだなぁ。学校に入れば否が応でも退屈には感じない筈だろう。色んな意味で。
ハンターになってからは学園以上に気を付ける事が多そうだ。取りあえず今より強くなる必要はあるな。
「・・・・・・ラガス、お前今何を考えている?」
「学園に入り、ハンターになれば自身より実力が上な者と対峙する事もあると思うので、いかに手札を見せずに勝つかの方法を考えていました」
「ラガス、お前ぇ・・・・・・いや、そういった対策を考えるのが悪いとは言わないが、それでももうちょっとこうなぁ・・・・・・」
「学園、ハンター生活を楽しもうという気持ちは無いのですか?」
勿論それはあるに決まっているだろ。学校って前世では勉強が面倒って感覚が強かったけど、この世界での学校には楽しそうってイメージが強い。
その分、面倒事も多そうだが。
「その気持ちはあるよ。でもな、どちらも面倒事は付いて回る問題だ。まずそれは簡単に対処できなきゃ、楽しめる生活も楽しめないだろ」
「確かにそうかもしれませんが・・・・・・やはりラガス坊ちゃまは少し脳みそが筋肉に浸食されている気がします」
「ぶふぁっ!!! お、面白い表現だなメリル。確かにラガスは少し脳みそが筋肉に浸食されているかもしれないな」
そんな訳無いだろ。ていうかなんだよ脳みそが筋肉に浸食されるって?
あれか、イコール脳みそまで筋肉ってやつか?
俺はそこまで脳筋じゃないぞ。
「俺は確かに物事を物理的に解決するかもしれません。でも、そんな大事になるような事はしませんよ。その為のアビリティがあるんですから」
「・・・・・・ラガス坊ちゃま、気付いていないかもしれませんが顔が物凄く悪い事を考える表情になっていますよ」
「そのアビリティは魔弾に関係しているのか?」
「そうですねぇ・・・・・・まぁ、基本的にはそうです」
そう、基本的には魔弾の効果によって相手に色々と出来る事が多い。でも、それ以外のアビリティも攻撃方面以外で出来る事は少々ある。
「はっはっは、俺はお前と敵対する相手が可哀想で仕方がないよ」
酷いいわれ様な気がするが、それは俺も否定出来ない事実だ。
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