331.アキラ、神力を感じる。
全身に血が駆け巡る!!
心が滾る。脳が震える。鼓動が速くなる。すべてが研ぎ澄まされる。この葉っぱにとてつもない力が秘められている!!!
世界を感じる!! 大地を感じる!! 神を感じる!! 魔を感じる!!
そんなことより、気持ちが迸る!!! 最高にHIGH、キマった!!! 最高に最高・・・。嗚呼、この感覚、元いた世界でも感じた感覚・・・。
嗚呼、底知れぬ高揚感が身体を包み込む。
すると、聞き覚えのない声が語りかける。
「汝も感じるか? 我らのカムイ。古より伝えられし、いふかの力を。」
えっ・・・、カムイ・・・?
そうか、これが神カムイの力か!! 素晴らしい!! 力が満ち溢れる!!
その有り余る元気を何かにぶつけたい衝動に駆られ、近くに生えていた木の幹に!!
「ハァ、オリャァアアアア!!!!!! 」
一発、拳をぶち込む!! その瞬間、幹にヒビが入ると同時に木端微塵に砕ける!!
『バコォオオオオオオオ!!! 』
砕け散った木片は宙を舞う。その様子が驚くほど、はっきり!! ゆっくり!! くっきり!! わかる!! その刹那、理解する!!
自分の感覚が爆発的に加速していることを!!
直感は冴えわたり、舞い散る木の葉の未来を見通す!!
そして、正しい時間が徐々に自分に追いついてくる。たった少しの葉っぱで、身体、知覚、全ての異能が一瞬だけ爆発的に上がった。
神の如き力!! カムイの力!! その興奮にただただ恍惚し、耐えがたい頭痛で気を失う。
∴ ∴ ∴ ∴ ∴
気が付けば、僕は地面に大の字で寝ていた。周囲は暗くなり始めていた。
「あああああ・・・、頭痛い・・・。」
ズキズキと痛む。気持ち悪い、吐きそう・・・。なんでこんなことになったんだっけか? と疎らな意識を叩き起こす。
「宿主、やっと目覚められましたか。お加減大丈夫ですか? 急に気を失われた時は、慌てましたよ。」
心配そうに精霊さんが、そう答える。
「ああ、心配かけたね精霊さん・・・。もう大丈夫だと思う。それよりもあったま痛い・・・。」
「カムイ様が目覚められた!! 目覚められた!! 」
「巨人様が目覚められた!! 我らの村に来たりし巨人様!! めでたい、めでたい!! 」
そう「残念ちゃん」らしき妖精ちゃん達の声がする。
「あれ・・・、もう思考ラーニング終わったの? 」
たった半日で、妖精ちゃん達の思考を学び終えたことに驚き、精霊さんに質問する。
「はい、その通りです。正確に言えば、宿主が気を失う直前にすでにラーニングが終了しておりました。口に含んだ葉っぱに何か影響があると思われます。」
大抵、1日は要するラーニングをたったの数分で終わらせてしまう。そんなことを可能にしてしまう葉っぱに、僕達は少し恐怖心を抱くのであった。
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