332.アキラ、難題を受ける。
「巨人様・・・お加減はいかがでしょうか・・・。」
そう残念ちゃんが問いかけてくる。
「頭、痛いけど・・・まぁ、ぼちぼち」
僕がそう答えると残念ちゃん達は歓声を上げる。
「さすが、巨人様だ! カムイの力を制御されていらっしゃる!! 」
そして、その場にいる残念ちゃん達は、神妙な面持ちで深く頭を下げて請う。
「巨人様、どうか我らを助けてください。巨人様、どうかお願いします。」
僕は戸惑う。急に助けてくれと言われても、困ってしまう・・・。だが、彼らの藁にもすがる思いが伝わってくる。
「仕方ない・・・用件だけも話してくれ、もしかすると力になれるかもしれない。」
そう答えると、残念ちゃん達は喜ぶ。まだ、引き受けたわけではないのだが・・・。
「巨人様、我らを土地を奪った大蛇を倒してほしいのです。」
だ、大蛇・・・。藪から棒に蛇の討伐を依頼される。小さな妖精ちゃんから見ての大蛇だろうか・・・。じゃあ普通の蛇だな、そう考え、二つ返事でそれを引き受ける。
「いいよ。」
残念ちゃん達は大喜びする。さっそく、彼らは連れられて大蛇に奪われた土地を奪還するための準備をし始める。
槍に弓、剣に鎧、蛇一匹にえらい重装備だなと思いながら、僕もその雰囲気に押されて装備を点検する。
準備が整って、大蛇が住まう盆地へと案内される。道中、僕の身長くらいありそうなウロコがあり、嫌な予感が頭を駆け巡る。
「宿主・・・。もしかすると・・・。」
そう精霊さんも言葉を詰まらせる。
∴ ∴ ∴ ∴ ∴
眼下に見えるわ。大きな白い物体・・・。何これ・・・。も、もしやと・・・、冷や汗が全身から吹き出て、予感が確信へと変わる。
そして、そのデカさに驚く。うん、これ大蛇だわ・・・言葉通りの大蛇だわ・・・。というか、デカすぎる・・・。
山一つ分くらいありそうなくらいの白い巨体。そして、道中見かけたウロコは多分、こいつのものであろうと納得する。
イーグルビューで大蛇のウロコのおおよその枚数を測る。
「直径のウロコが・・・いち、に、さん、し、ご・・・多分だけど300枚くらい。300・約1・7m、つまり長さ500mくらいか・・・馬鹿でかいなぁ・・・。」
さてさて、眼下に鎮座するこの馬鹿でかい大蛇をどう倒せばいいのか、安請け合いするんじゃなかったと後悔する。
期待の眼差しで、妖精さん達が僕を見つめる。
一体、このバケモノにどう対峙すればいいのか、僕はその無理難題に頭を悩ますのであった。
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