326.アキラ、好物を見る。
完成した返しのついた罠。それを川の底に沈める。
はい、今日の作業終わり。
とりあえず、採取しに行こうぜ!! 採取!! そんなちょっとコンビニ行ってくる的な気分で夏の山菜採りを始める。
そうして、水辺を歩いていると、紫色の大きな葉っぱのついた植物を発見。これは・・・シソじゃな・・・。多分、シソかな?
そう思い、葉っぱを手に取る。ハンターセンス君は、反応しない。毒はない。よし、パクり!!
ああ、これシソだわ・・・。ほんのりと何と言うか、年取ったらうまみがわかる味がする。シソ好きなんよな~と思いながら、採取していく。
その次に見つけたのは、ハートマークが特徴の葉っぱ、独特の臭いが漂ってくる。
おばあちゃんちで育てていた? というより、勝手に生えていたというのが正しいであろう生命力を持つドクダミである。
「食べないんですか? 」
精霊さんがそう尋ねてくる。え? いや、え? 食べれないことはない植物だけど、生はいやぁ~~、きついっす・・・。まぁ、毒見のためにも食べてみるか!!
「うわぁ・・・独特の臭い・・・。マジコレ食べんのかよ・・・。」
そう言いながら、覚悟を決めて一口食べる。
で、味は?
なんというか、遠くの方からカメムシ味がやってきて、
「やぁ~~~、ぼくパクチー!! よろしくね!! 」
そんで、いきなり現れた独特の臭い味君が、パクチー君と肩を組んで口の中で、自己主張しだす。そんな感じ、まずくはない。
「うん・・・。う~・・・ん・・・、うん。」
生は微妙っすね・・・。そう思いながらも、好きな人もいるし、天ぷらはおいしかったから、一応採取する。生は好きじゃないです。
そうして、再び食べれそうなものを探がしながら、森の中を歩いていると、
「くんくん・・・、んん!? 」
こ・・・この匂いはまさか!! 咄嗟に匂いの方向へと向かっていく。
この匂い!! この匂いは!! まさか・・・まさかまさか!! 」
デデーン!! スモモ!!
今日一でテンションが爆上がりする!!
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!! も、スモモじゃあああああああああああああああん!!! ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!! 」
狂ったように、スモモが実っていることに歓喜の声が森中に響き渡る。
さっそく猿のように木登りし、その実を収穫する。
辛抱たまらず毒見と称し、その果実を食べると、甘酸っぱい酸味が口の中に広がって・・・、
「おいしい・・・。」
その一言しか出なかった。
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